絶対って言葉 | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「ハァハァ…ゴホッゴホッ」

(吉田さん…)

「ハァ…最悪」

体調が悪すぎる
最悪なんでなんよ
もっと最悪なことは
上西先生がいないこと
ほかの病院に呼ばれてるみたいで
今日はこっちには
来ないらしい

「ハァハァ…」

(吉田さん
検査するで)

体の自由がきかない
服を脱がされて
大きな機械の中
何人もの先生に
体を見られる
嫌だ…気持ち悪い
なんでこうなるんよ…

(吉田さん…
検査の結果がね
あまりよくなくて…)

朦朧とする意識の中で
先生が私に伝えてくる
まるで頭に入ってこない
たぶん悪いことなのは
分かるけど…


「…んん」

目を覚ますと夜中やった
体を起こそうとしたけど
言うことがきかなくて
しかたなくそのまま

「あれ…え」

横を見るとそこには
ベットに頭をあずけ
眠っている上西先生がいた

「なんで…」

「ん、あぁ朱里ちゃん
体は?大丈夫?」

「なんで、いるん?」

「心配やったから
連絡入ってたから
驚いたわ
落ち着いたみたいでよかった」

「…なんで、なんよ
忙しいのになんで来たん…」

「そりゃ大事な患者さんやから」

「…朱里もう嫌だ」

「朱里ちゃん?」

「ずっとこんなんや
したいこと我慢して
皆にも我慢させて
迷惑ばかりや」

「…」

「こんなことなら
こんなことなら…生まれてこんかったら」

「…誕生日おめでと」

「え…?」

時計を見ると
確かに私の誕生日

「先生…」

「これ、プレゼント」

「…ホンマに?」

「ほしい言うてたやん
まぁ気に入るか
分からへんけど」

中を開けてみると
そこには
リップとクローバーのネックレス

「可愛い…」

「それ、願いが叶うんやって
だからあげる…」

「先生…ありがと」

「ええよ」

「…綺麗や」

「…なぁ朱里ちゃん?」

「ん?」

「俺は朱里ちゃんに出会えた
ことすごい感謝してる
怒ってもないし迷惑とも
思ったことない
少なくとも俺は朱里ちゃんが
いてくれるだけで嬉しい
そういう人沢山おると思う
だから、もう
1人で悩まんとって?
俺、朱里ちゃんの笑顔
大好きやから…」

「先生…」

「朱里ちゃん」

「なぁ、先生」

「ん?」

「朱里の手術
確率は半々やんな?」

「そう、やで」

「…朱里な18歳になったら
恋してみたかってん
だから、少しだけ付き合ってくれへん?」

「ん?付き合うって
どーしたらええん?」

「…キス、して?」

「へ…?」

「キスもせずに死にたくない
だから、キスして」

「ええん?」

「うん…」

朱里が目をつぶると
肩に手が置かれ
そのまま顔が近づいてくる
唇に触れる瞬間
とまってそのまま離れた

「先生?」

「やめた、だって
いましたらこの世に未練
なくなるから」

「…」

「治ったら、な?
まぁそのときには
ほかの誰か…」

「朱里、ファーストキスは
先生とがいい」

「っ///わかった…
約束や
だから手術がんばろ?」

「わかった」