覚えてたクリスマス | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「ジングルベールジングルベール!」

「KYうるさいで」

「こびーさん!
今日はクリスマスですよ!
昨日は高校攻めてたから
それどころちゃうかったし!」

「はぁ」

「クリスマスっクリスマスっ」

「何が楽しいねん」

「いやぁー
街中のカップルが
幸せそうじゃないですか!」

「そ?」

「そうですよー
あ、あれー?
もしかして
こびーさん姐さんと
デートじゃないんですか?」

「…」

バキッ!!!

「グハッ!!」

「うるさい」

クリスマス?
そんなん彼女には
全く関係ないことや

ガチャッ

「おかえり」

「おぉ」

アントニオの部屋
ご飯を作って置いておく
一人やと何にもせんから

「こびー」

「ん?」

「これよろしく」

「はいはい」

アントニオにとって
今日はただの平日って
そんな感じやろ
別に期待してるわけちゃうけど

「はいどーぞ」

「いただきます」

頭ではそんな事言ってても
今日のメニューは
チキンやったりする
まぁ一緒にわいわい食べるとか
アントニオはせーへんけど
せめて食べてるとこ見て
クリスマス味わいたいなぁ

「うまい」

「よかった」

「…」

「なぁ…今日何の日か
知ってる?」

アントニオに聞いてみた
答えは分かってるけど
何となく

「クリスマスやろ?」

「え…?」

「あ?なに?」

普通の顔して答えるから
驚いてしまった
どうせ
何かの日?祝日か?とか
言うと思ってたから

「あ、いや何にも
ただ分かってるんかなって」

「分かってる
そこら中で言うてるし」

「そうやな」

「アホみたいや
クリスマスってだけで
騒いで」

「…そうやな」

「…」

「あ、そろそろ私…」

「お茶飲みたい
入れてきて」

「あぁ分かった」

そうやんな
アントニオからしたら
恋人やからとか
そんなんもないよな
覚えてたって何にも…
冷蔵庫の横の茶葉の
入った缶を開けると
中に箱が入っていた
何やろ…
開けてみると
そこにはネックレス

「これ…」

「プレゼントってやつ
サンタに任せんのだるいから
直接で」

振り向くとアントニオが
腕を組んで
少し赤くなっていた
たまらなく嬉しくて
アントニオ抱きつくと
抱きしめられる

「嬉しい…」

「そ」

「つけて?」

後ろを向いて
ネックレスをつけてもらう

「ありがと…」

「…出かけるで」

「え?どこい…キャッ」

アントニオに何か投げられて
拾ってみると雑誌
折られたページを見たら
私が前に行きたいって言ってた
イルミネーションの場所

「アントニオ…」

照れてすぐに家を出て
バイクのメットを被ってた

「アントニオ!行こっ」

「ん、おいその格好」

「せっかくやから
ネックレス見えるように…」

フワッ…

「アホ、そんな薄着やと
風邪引くやろ?
これ巻いとけ
行くで」

マフラーから
アントニオの匂いがする
すべてが嬉しくて
アントニオに抱きつく
アントニオは苦しいって
不機嫌やけど
関係ない
だって嬉しいんやもん…
めちゃくちゃ
幸せなんやもん…

「アントニオー!」

「あー?」

「愛してるー!」

「んー!」

照れ隠しでそう返す
アントニオにもっときつく抱きつく
来年もまた
こーやって引っつけますように