好きなものは好き | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
「じゃーん」

「うわ!うまそ…」

バチンッ

「ちゃんと手拭いてから!」

「はーい」

「はいどーぞ」

「いただきまーす
ん!おいしい!」

「当たり前やんか」

「さすがりぃちゃんやぁ」

「まーちゅんが
りぃちゃんとか言わんとって」

「えぇー彩だけ?」

「そ、彩くんだけ」

「差別やぁ」

「まーちゅん
差別とちゃう
区別や
なぁりぃちゃん」

「せやせや」

「ひどっー」

「「ハハハッ」」

彩が女子とここまで
笑って話すのは
久しぶりに見た
あの子以外に
笑わなかったから
それだけ
りぃちゃんが好きなん?
俺、ここにおっていいん?
邪魔なんやろホンマは

「なぁまー…」

「俺、飲み物買ってくる」

そうやって逃げ出す
怖いから
2人から嫌われるなんて
嫌やから



「お待たせー!」

「お、さんきゅー」

「ありがとー」

「いえいえ
じゃ、俺帰るな」

「え?なんで」

「んーまぁちょっと
デートやねんっ」

「嘘つけ」

「シッシッシッー
小笠原茉由は忙しいのだよ
お、あそこの女の…え」

気まづくて
逃げ出そうとした
適当に女の子を指さしたら
目を疑った
それは彩も同じやった

「彩っ」

「…美優、紀」

「みるきー」

「まーちゅん
ただいま
留学頑張って
単位もとって帰ってきてん」

「おかえり、あの」

「あれ?その子は?」

「あ、この子は里奈ちゃん」

「はじめまして
渡辺美優紀です」

「近藤里奈です」

やばい…この状態
彩がみるきーを
ずっと想ってるのは知ってた
でももう諦めて
りぃちゃんを好きになった
でもご本人登場したら
アウトなんじゃ…
てか!いいのかこれで…
りぃちゃんが傷つく前に

「あー!
久しぶりの幼なじみ!の
再会やからな
邪魔するのはよくないなぁー
りぃちゃん送っていくで」

無理やり手を引いた







「まーちゅん痛いっ」

「ごめん」

「後残ったら
どうするんよ」

「ごめん…」

「いや、冗談やねんけど」

「ええねんで
りぃちゃん」

「なんのこと?」

「みるきーは大丈夫
幼なじみやから」

「え?彼女やろ?
彩くんの」

「ッ!?…アイツ
デリカシーなさすぎるやろ
好きな子にそんなこと…」

「まーちゅん?」

「何でもない
ほら、でも
終わったことやし」

「そうかな
お似合いやと思うけど」

「そんなことない!
りぃちゃんと彩の方がっ!
…あ」

俺は最低や
彩の幸せも
みるきーの幸せも
否定したんや
辛い2人の側に
一番近くにいたのに
喜ぶべきやのに…

「まーちゅんどうしたん?」

「俺は最低や…」

「ちょっと
まさか泣いてる?
そんなこと…ッ!?」

りぃちゃんに
振り向かされて
目が合う
引くやんな
急に泣くなんて
でも俺は、誰も
笑かすことできひんから

「当たり前やん
彩みたいにカッコよくないし
彩みたいに頭良くないし
彩みたいに優しくない
そんな俺…選ばれるわけ
ないやんか…」

「まーちゅん
どうしたんよホンマに」

「ごめんなりぃちゃん
俺、りぃちゃんのことも
幸せにできひんねん
笑顔にできひん」

「そんなことない
まーちゅん」

「俺、頑張らへんとな」

「なぁまーちゅん」

「家ついたで
冷え込むから
あったかくしてな?
バイバイ」

「待っ、」

「彩のことは
俺に任せて」

「彩のことって…一体」