いい夫婦 | さやみる推しのNMB妄想小説 別館
いい夫婦の日にちなみまして




「さーやーかー…っ?」

「愛してんで…
全部捨てて
一緒になろ」

バタンッ!!

何で…何で何で
久しぶりの彩のお休み
夕飯大好きなもの
作ってあげようと思って
彩の部屋に行ったら
今の会話が聞こえた
なんなん浮気?
全部捨ててって
私のこと捨てるってこと?
なにそれ…意味わかれへん
そ~考えたら確かに
最近なんかこそこそしてるし
あんまり来てくれへんし
あ!ちゅーも毎日してへん!

「アカン…」

「美優紀ー?何してんの?」

「わっわっわっ!
何もない!
ちょっと出てくる!」

「え、おい美優紀」



「あー頭痛い…
気持ちも悪いし
最近ホンマに調子悪い
イライラするし
こんな時に浮気なんて…」

「あのねー
だからって私のとこにくるかなぁ」

「ええやん
私、患者やで」

菜々ちゃんは
幼なじみのお医者さん
アホなくせに
お医者さんなんて

「てかそんなに
体調悪かったん?
彩のことだけが
原因じゃないんやな
寝転んで」

「診てくれんの?」

「患者なんやろー?
一応エコーな
彩は歌手なんやし
出会いっていうか
もーそういう気の迷いが

…え?」

「なによ」

「…うそ、やろ?」

「え、病気?」

「なぁ!
ここ最近で彩意外の人と
エッチしてへんよな!」

「なっなにそれ」

「いいから!」

「当たり前やん…」

「…3ヶ月や
おめでとう」

「…うそ、まさか」

「赤ちゃん」




「どうしよ
ホンマに帰られへん
彩に会いたいのに
会いたくない
別れるのに
子供なんて…」

「…どういうこと?」

「ッ!?彩!?」

「子供…?
別れるって!
一体…」

「こんとって!!
あっちいって嫌い
大っ嫌い!」

「ちょ、ちょいっ
危ないから
ほら帰ろ
ちゃんと話しよ?」




「…」

「美優紀どういうこと?」

「…」

「なぁ…」

「電話聞いちゃってん
他に恋人おるんやろ!
最近こそこそしてたし!
だから」

「まって電話って」

「愛してるとか
全部捨ててとか!
捨てられるくらいなら
捨ててやる!」

「美優紀勘違いや!」

「そうやな!
確かに私は勘違いで
彩と」

「そうじゃなくて!
あれは、
最近決まった仕事や
今度のPVは何かドラマみたいなんに
しよって
前に言うたやろ?
新曲は男に捨てられた
女の歌やって
だからそれの打ち合わせや」

「え…いや、でもだって」

「嘘やと思うなら
マネージャーに電話してもええ」

「じゃ、じゃあなんで
こそこそしてたんよ!
浮気やろ?」

「それは…

これ」

「…これ!」

もらったのは
ずっと行きたかった
ミュージカルのチケット
人気でなかなか取れへんくて
諦めてたやつ

「それ取るために色んな人に
連絡して
休みとるために
色々しててん
だから今日はオフやねん
いい夫婦の日やからさ」

「いい夫婦?あ」

「そっ、ふぅ誤解解けた?」

「…う、うん」

「そっか…」

「…怒ってる、やんな」

「怒ってるんやろうな
でも喜びの方がおっきいわ」

「喜び…」

ギュー!!

「美優紀ありがと
俺幸せや
子供のことも美優紀のことも
幸せにする…」

「彩…
ホンマに私はアカンな
こんなでお母さんなれるかな?」

「なれる
俺の方こそ不安にさせてたやろ?
悪かった
休みとるために必死やったからな」

「嬉しい…
一緒に見に行きたい」

「そうやな
明日見に行こか」

「明日?」

「明日も休みとった
ゆっくり過ごしたかったし
頑張ったやろ俺」

「うん、最高
大好き
愛してるー」

「可愛いなぁ
エッチしてええんかな?
赤ちゃんに悪い?」

「それ目当て?」

「いや、だってさ」

さっきまでカッコよかったのに
急にかわいくなった

「彩…」

「…ほらその顔
ずるいねん///」

「可愛い?」

「可愛い…食べたい
あ、山田に連絡しよ」

「え、ちょっと
そんなこと電話せんとって
はぁもぉ

困ったパパやなぁ」

お腹を撫でると
少し動いた気がした
ありえへんけど
なんかそんな気がした

「早く出ておいで
ママとパパのラブラブさ
見せてあげるで」