ようやく手に入れました、
「生協の白石さん」
(講談社刊)。
率直に言って、
とてもおもしろい。
(白石さんと私の関係については、
10月31日にUPした
「白石クンの思い出」
をご覧になってください)
もし私に子供がいて、“ユーモアってどういうこと?” と尋ねられたら、
この本を差し出します。
【ユーモア humor】
思わず微笑させるような、上品で機知に富んだしゃれ。
(三省堂「大辞林 第二版」より)
例えば、東京農工大学の学生から寄せられた
ひとことカードへの、こんな回答。
Q.愛は売っていないのですか・・・?
A.どうやら、愛は非売品のようです。
もし、どこかで販売していたとしたら、
それは何かの罠かと思われます。
くれぐれもご注意ください。
この本に収録された遣り取りのなかで、“恋愛問答” において、
白石さんの筆鋒はひときわ鋭さを増します。
たいして恋愛経験もないくせに。
Q.大学生になっても好きな子ができません。
どうしたら人を好きになれますか?
人を好きになるってなんなんですか?
A.生協は決して、このような哲学的な悩みを解き明かせるような
偉そうな組合ではありませんが、「どうしたら~」や、
「人を好きになるとは?」など全く意識せずに日々を過ごすことが、
はじめの一歩だと思いますよ。
Q.拝啓白石殿
最近悩んでいるのですが、同じ学科のある女の子が気になって
しかたありません。
声をかけたいのですが、自然な話題はどんなものでしょうか。
A.人生経験の浅い私に妙案が浮かぶはずもなく、
帰って父に聞いて見た所、悩んだ挙句、
巨人戦の話題はどうか、と提案していました。
昭和の男です。
しかし考えてみると、この掲示板に貼り出してしまうと、
相手の娘にもう作戦、バレバレですよ。
恋は駆け引きの内が醍醐味です。
オリジナルで楽しんでみて下さい。
悔しいほど上手い。
白石クン、成長してるなあ。
山田隆夫が何枚も座布団を運んでくるような、
見事なオオギリ的回答も随所に見られます。
Q.ロックの三大要素をおしえて下さい。
↑200字以内
A.焼酎・梅酒・ウイスキー。
200字も使わずに失礼致しました。
Q.どうすれば、人間は空中で、ジャンプできるのですか? 白石さん。
二段ジャンプのことです。
A.工学部の学生さんが解らない物理的な問題を、
私などが解明する術など知る由もありません。
当方としてできる事があるとすれば、
毎週「少年ジャンプ」を読む子が思春期を経て、
「ヤングジャンプ」も読み始める一現象を、
人間の成長過程になぞらえ、「二段ジャンプ」であると
勝手ながらに解釈し、二冊とも毎週品揃えする事のみです。
組合員証提示で10%OFFです。
“二段ジャンプ” への回答など、営業的観点から採点しても120点です。
悪ふざけとしか思えない質問を繰り出す、
顧客意識ゼロの相手に対しユーモアある回答で切り返し、
スムーズに自社商品をアピールしてしまう、このスキル!
白石さんの営業センスを煎じて飲みたいくらいです。
私がもっとも共感したのは、この “哲学問答” です。
Q.もういやだ。
死にたい。
A.生協という字は「生きる」「協力する」という字を使います。
だからといって、何がどうだということもございません。
このように、人間は他人の生死に関し、
呆れる程、無力で無関心なものです。
本人にとっては深刻な問題なのに、何だか悔しいじゃないですか。
生き続けて、見返しましょう!
子供や生徒に同じ問いを投げ掛けられて、
こんな的確なアドバイスができる親や教師は
そういないのではないでしょうか。
この本で惜しむらくは、誠実な人柄を窺わせる、
白石さんの達筆が収録されていないことです。
最後に、白石さんとの思い出が脳内スパークした、
この遣り取りを紹介します。
Q.内定がもらえません。
もうすぐ夏休みなのに・・・
A.この時期、学生さんの頭を悩ます企業の内定、
大抵はハイテイに良いツモが潜んでいるものです。
自分の運命を信じましょう。
そうです、一時、白石さんとはよくマージャンを打っていました。
ビリヤード同様、勝負弱かった記憶が残っています。
人間的に良い人ほどギャンブルは下手くそなものです。
私も同じくらいマージャンは下手でしたから。