藤城清治メルヘンサロンにて | お針子店主のブログ

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先日岩手からの帰り、仙台の「鐘崎かまぼこの国笹かま館」に立ち寄りました。館内に世界的影絵アーティスト藤城清治のメルヘンサロンがあり、作品の常設展示がされていました。

 

真っ先に目に飛び込んできたのは横15メートルの光り輝く美しい大壁画です。完成展示から20年以上無題だったけれど、東日本大震災にも無傷で耐え抜いて、被災されたすべての方々に、希望の鐘の音を響かせ、祈り届けられたらとの思いから「2300匹 鐘が鳴り響く祈り」と名付けられたそうです。

 

↑部分

2300匹の魚はもちろん繊細なサンゴや藻も、片刃のカミソリ2000枚も使って、輪郭はすべてご自分で切り抜かれたとのこと目 聞いただけで気が遠くなりそうです。1匹1匹につけた陰影のグラデーションや色塗りはスタッフの手によるものとはいえ大変な作業だったそうです。

 

 

館内の展示作品はいずれも裏から光を当てたもので、まさに影絵が美しく、紙の作品とは違う魅力があります。海に関する作品が多かったけれど、被災地の崩れた建物やブルドーザーがある復興の様子を描いた作品には現地でスケッチされる姿の写真も添えられていました。

 

そして驚いたのは、藤城清治さんは1924年4月17日生まれとのことですから、間もなく100歳を迎えられるということ目 YouTubeではMISIAさんのポスター制作をする99歳の若々しい姿も見られます。

 

私が初めて藤城清治さんの作品と名前を知ったのは70年余りも昔、母が購読していた雑誌「暮らしの手帖」の連載です。もちろん白黒ですが、瞳の大きな小人達の姿が印象に残っています。芸術家は長命な方が多いですね。

 

もっとゆっくり鑑賞したかったけれど、笹かま手焼き体験をするという孫たちに付き合うために、残念ながら時間が足りませんでしたしょぼん