アイループ パソコン修理日記 -69ページ目

アイループ パソコン修理日記

大阪市阿倍野区のパソコンショップ「アイループ」における修理記録をつづります。

◆【お客様の依頼内容】
最近パソコンの動作が遅く感じるので、これを改善して欲しい。富士通ノート、WinXP、CPU:Celeron_2.0GHz、MEM:512MB。


◆【実際の症状】

若干のメモリ不足と、メンテナンス不足により動作が遅くなっていた。


◆【処置】

[Ctrl]+[Alt]+[Delete]にてタスクマネージャを起動させたところ、物理メモリ496MB認識【A】の内、380MB程度を使用【B】していました。ところが、その最大値は550MBに到達【C】していました。メモリは普段の使い方で搭載量の80%未満をキープすることが望ましいので、この場合若干のメモリ不足が関係していると判断しました。そこでメモリを内蔵256MB+増設512MB=768MBにしました。


以下に店長のパソコンのタスクマネージャを例として示しています。ここから読み取れるのは、物理メモリ搭載量【A】が約2GB、現在のメモリ使用量【B】が約650MB、起動してから現在までの最大メモリ使用量【C】が約1GBとなっています。


アイループ パソコン修理日記-タスクマネージャ

また、富士通パソコン特有の広告ソフト等を独断で削除していき、不要データの削除と、その他の無駄な部分を改善していきました。最後にチェックディスクおよびデフラグを行いました。


改善後は物理メモリ752MB認識の内、250MB程度に落ち着きました。起動時間(デスクトップが表示されるまでの時間)はそれほど大きな差は体感できませんでしたが、終了にかかる時間が半分以下に短くなったようです。ネットサーフィン自体もストレス無い程度まで安定しました。


即日お渡しのため省いた項目として、ディスククリーンアップにて圧縮してしまったファイルの回復があり、これはお客様へ方法をアドバイスいたしました。ディスククリーンアップはハードディスクの空き容量を増やす事が目的なので、パソコンの動作速度が速くなるわけではありません。むしろ、逆に遅くなることがありますのでご注意下さいませ。ついでですが、ハードディスクの空き容量を増やせばパソコンの動作速度が速くなるという考え方も間違いです。


◆【結果】

動作速度が改善しました。


◆【その他】
持ち込みメンテ→即日引き渡し。実作業時間...1時間、料金...\4,500 (512MBメモリ代含)。

◆【目的】

WindowsXPでアイループ式フルメンテナンスを行ったのち、不要データを限りなく削除していき、最終的にDVD1枚(4.7GB)に収まるようなサイズにする。また、CDブート可能なリカバリツールを組み込んで、このDVD1枚でフルメンテナンス後の状態へ即時リカバリが行えるようにする


こうすることで、これまでのように「リカバリしたら、その後の環境復元が大変だ」という事態を避けることができます。具体的には、リカバリが完了した時点で「XPはSP3、IE7、WMP11がインストールされており、2009年5月5日までのWindowsUpdateが適用され、必要なソフトももれなく搭載し、なおかつ高速化設定まで済んだ状態をDVD1枚で10分程度で復元できてしまう」ことを意味します。これが作れてしまえば、ぶっちゃけメーカーが作成したリカバリディスクは必要無くなります。


【方法】

1.

実験では次のパソコンを使用しています。富士通ノート、OS:WindowsXP Pro、CPU:Celeron_1.06GHz、MEM:512MB、HDD:15GB、光学:DVDマルチ。


2.

WindowsXPでアイループ式フルメンテナンスを行うと、この時点で約6GBのデータ量となってしまう。これでは一般的なDVD1枚(片面一層4.7GB)に収まらない。また、当店で販売している中古パソコンはリカバリディスクが付属していないものが多いため、アイループ独自のリカバリディスクを作成できると競争力が飛躍的に向上する。ひとまずOSをインストール後、フルメンテナンスを行いました。


3.

C:\Windowsフォルダ内で、特にWindowsUpdateにてダウンロードした一時的なファイル群を中心に削除していき、これらを削除して本当に問題ないかどうか、いろいろな使用環境にて運用テストを行います。ちなみに「Adobe Reader」のデータ量があまりにも大きかった(250MB程度)ので、これを削除して、代わりに「Foxit PDF Reader」を採用しました。


4.

運用テストで問題ないと判断できた場合、これらをCDブートのリカバリツール(Paragon Drive Backup)と共にDVD1枚のサイズに集約し、リカバリ用データを作成しました。このリカバリ用データを含めて、リカバリツールをDVDに焼きました。


5.

フルメンテナンスを行った富士通パソコンのハードディスクを取り出して新品ハードディスクに換装し、上で作成しておいたリカバリDVDからリカバリを実行しました。また、リカバリ後に通常使用して問題ないかどうかのチェックをしました。


◆【結果】

実際にリカバリが完了し、リカバリディスクおよびリカバリ後のOSが正常動作をすることを確認しました。この実験の目的はほぼ達成されました。このリカバリDVDのデータ量は、リカバリツール類が【50MB】、リカバリ用データが【2.66GB】、合計で【2.71GB】となりました。


リカバリ後のハードディスク(Cドライブ)のデータ量は約3.0GBとなり、フルメンテナンス後の状態をほぼそのまま復元していました。


◆【考察】

- - - 実験はおおむね成功しましたが、仕様としていくつかの問題点を抱えています。


問題点1.

新品ハードディスクもしくはデータ完全消去済みのハードディスクに換装した場合、リカバリ時にシステムパーティション(Cドライブ)以外を作成できない。これはつまり、リカバリ後のハードディスク内にパーティションを設定していないフリースペースがある場合、リカバリ後にそれらをDドライブとしてフォーマットするなど、リカバリ後のパーティション作成操作を若干必要とする場合がある点です。今回は40GBのハードディスクのうち30GBをCドライブとして設定したため、残りの10GBはリカバリ後にWindows上からDドライブとして設定する必要がありました。


問題点2.

リカバリディスク作成時に使ったハードディスク内に不良セクタ(クラスタ?)等があり、それらの位置が記録されている場合、リカバリ後のハードディスクに誤った不良セクタ情報がコピーされてしまいます。それらを修正するためには、リカバリ後にチェックディスクを行わなければいけません。


- - - また、今回の実験でいくつかの失敗点がありました。


失敗1.

隠しファイルと保護されたシステムファイルを表示する設定にした状態でバックアップを行ってしまったため、リカバリ後に隠しファイル等が表示されてしまった。これらの問題が起こらないように、バックアップ前に入念な設定チェックが必要と思われます。


失敗2.

不要データ削減のためにAdobe Reader(約250MB)を削除しましたが、今回作成したリカバリDVDには予想以上(2GB弱)の空き容量ができたため、Adobe Readerを含むその他のソフト類をもっと詰め込んでもよかったと思われます。


- - - 最後に、これが今後のビジネスでどう役に立つかについて。


この実験が成功した事で、アイループの技術力はさらに向上しました。普段のメンテナンスで削減できるデータ量が大幅に増えました。ただし、1台1台の商品について独自リカバリディスクを作成するとなると、さすがに費用対効果が合いません。従って、今後もこれまで通り「リカバリディスク無し」での販売となります。当然ですが追加でいくらかのお小遣いを頂けるのなら、リカバリディスクを作ることは可能です。


それ以外の脳内妄想としては、ハードディスク内にリカバリ領域を作成する事も可能ではないか、と思っています。今回作成したリカバリディスクと同じものをハードディスク内に入れ、それだけが入ったパーティションを作成します。パソコン起動時にWindowsのOS選択画面からリカバリツールを起動し、そこからリカバリが行えるようになれば、現在主流となっているハードディスクリカバリができるようになるのではないでしょうか?時間と意欲があればいつか実験してみたいと感じました。

アイループの中古パソコンは現在、基本的に以下のメンテナンスをクリアしています。このメンテナンス品質を超える中古パソコン屋は、おそらく日本全国に存在しないと思われます。もしあったらコッソリ教えて下さい。しばらく前から在庫している商品などは、現在のメンテ内容と若干異なることがあります。


01. データ完全消去ソフト(IBMのSDD)にてデータ消去
02. HDDのパーティション分割 (25GB:5GB、34GB:6GBなど)
03. CドライブにOSをインストール
04. DドライブをNTFSでフォーマット
05. 省電力設定(自動スタンバイ等)を解除
06. デスクトップによく使うアイコンを配置
07. デスクトップクリーンアップウィザードの無効化
08. 壁紙の設定
09. 無駄なアニメーション機能を一部停止
10. Microsoftへのエラー報告の停止
11. 不要なシステムログの作成を停止
12. ページング用パーティションをDドライブへ変更
13. Adobe Reader 9 インストール
14. Lhaca (圧縮解凍ソフト) インストール
15. K-Lite Mega Codec Pack (総合コーデック) インストール
16. 各種デバイスドライバのインストール
17. Windows XP を公式サイトにて正規認証
18. Windows XP SP3 アップグレード
19. Internet Explorer 7 アップグレード
20. Windows Media Player 11 アップグレード
21. Adobe Flash Player 10 インストール
22. Java ソフトウェア インストール
23. Adobe Shockwave Player 11 インストール
24. スタートメニューの最適化
25. 市販DVD映像の再生テスト (DVD対応機のみ)
26. Microsoft Update インストール
27. Internet Explorer 8 アップグレードを非表示に設定
28. Microsoft Update を数回繰り返して最新化
29. HDDのC:\WINDOWS\$~$を全消去
30. すっきりデフラグ インストール
31. HDD内をチェックディスク
32. HDD内をディスクデフラグx3回
33. memtest86+にてメモリ動作をチェック
34. 筐体のクリーニング
35. 最終動作テスト


これらを全てクリアする為には、おおむね1台あたり実稼動3時間程度かかります。仕入れたパソコンがメンテナンス中に問題を起こすこともよくあります。これらの問題が修理で改善できなければ、基本的にアイループの商品棚には並ばないとお考え下さい。それくらいアイループは商品の品質を重視しております。これは同時に、もし簡単なメンテナンスしか行わなかった場合の中古パソコンは、非常にリスクが大きいことを意味します。


このメンテナンスメニューを見て、人によっては疑問を感じる方もいるはずです。「なぜその操作をするのか」とツッコミをくらう部分があります。それぞれここでは説明しませんが、「無駄なものは省き、トラブルの元になりうるものは除き、必要なものはインストールする」という方針で何十台もメンテするうちに獲得した独自ノウハウです。


例えば「YouTubeが見れない!」という苦情を避けるために「FlashPlayer」をインストールしています。「PDFファイルが見れない!」という苦情を避けるために「AdobeReader」を入れています。「映像データが再生できない!」という苦情を避けるために「K-Lite Mega Codec Pack」を入れています。XPをSP3にアップグレードする際などは予期せぬトラブルが起こることが多いので、これもあらかじめ行っておきます。逆に、2009年5月現在は安定性に問題のあるInternetExplorer8は、アップグレードしないように設定したりします。


このブログに修理内容の詳細を公開し、このようなメンテナンスのノウハウも公開していることには理由があります。これら修理やメンテナンスのノウハウは一朝一夕に獲得できるものではなく、また他社の方が真似できない(費用対効果が合わない)ため、特に隠さず公開します。公開することで、業者としての透明性を少しでも上げることが狙いです。


とにかく、中古パソコンを買ってから起こりうるトラブルを可能な限り減らす努力をしています。