ミシュラン フレンチ@レフェルヴェソンス/生江シェフの哲学を感じるディナー | 里井真由美オフィシャルブログ Powered by Ameba

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フードジャーナリスト。テレビや雑誌、webで活躍中。全国47都道府県、世界20ヶ国以上を着物で食べ歩きグルメ誌に連載中。日本の食文化に精通し、農林水産省 食料・農業・農村政策審議会委員に任命される。

「15回目くらい・・・?」


永平寺別院 長谷寺の前を歩きつつ

「でもディナーは5回かな」と思い直す。


西麻布とも南青山とも言える、レフェルヴェソンス は、
生江シェフを筆頭に 素晴らしいスタッフが集うフレンチレストランです。

どの駅からも徒歩10分ほどあり、
閑静な立地ではあるけど、利便性が高い訳でもありません。

それでも顧客は 足しげく通い続けている人気のレストラン。





「何も変えなかったのが良かったのかな?」
シェフはミシュラン2つ星に昇格した際も、茶目っ気たっぷりに笑っていたそう。

そう。
初めて食べた時から、変わらない。
けれど刻一刻と移り行く季節や自然の流れを確実に表現している一皿があります。






「定点」と名付けられた、丸ごと火入れした蕪
イタリアンパセリのエミュリュション、
バスク黒豚のジャンボンセック&ブリオッシュ



蕪は順番で言うと、4番目に出てきます。

和食で扱われることが多かった蕪を、とことん味を引き出し付加価値をつけられた蕪。
蕪が言葉を話せたら、きっと生江シェフに「ありがとう」って言っていると思います。




レフェルヴェソンスには、生江シェフの思いが伝わるメニューが多いです。


シェフの思いとともに出される赤い箱。


中身はアップルパイ。
バージョンアップとナンバリングされたアップルパイは、#19まで来ました。

中身はタラバ蟹、安納芋、柚子を3口で。

わざと、某大手アップルパイを真似た箱に茶目っ気を感じます。


この日は「野菜と肉魚が対等の扱い」
言い換えれば、野菜の強さと肉魚のマイルドな調和を感じました。


●さよりのクリュと地蛤
滝川ごぼうのピュレ、ごまだしのエミュリュションとデコポンのヴィネグレット
紫蘇の小葉とクレソンアレノア

さよりは軽く昆布で〆られており、ゴボウのピュレや胡麻のおだし。
フレンチでありながら、すんなり馴染めるのはこういう下味が施されているから。
そして柚子やすだちではなく、デコポンのまぁるい香りが
土の野菜と程よく合っていました。おいしい


合わせた白ワインは
ドメーヌ・ミシェル・ニーロン・シャサーニュ・モンラッシェ 2010
フランス ブルゴーニュ ワインです。

世界最高峰の辛口の白ワイン[モンラッシェ]
畑を持つ「シャサーニュモンラッシェ村」
からの恵み。
とても人気のワインだけに、ここで頂けてとても嬉しいです。

キリッと辛口で、アロマも風味も鮮烈。さよりとよく合い、気分はふんわり、うっとり。


お料理は続きます。

寒さの下の春~
石黒牧場のホロホロ鶏を炭火で、
ソテーした白菜のエキスとあん肝のパテ、新筍、マッシュルームの砂

鶏肉はムネとモモの両方の部位を。
特にムネの火入れが絶妙です。

爛漫と~
あたたかいショコラのタルト、
マスタードのソースとクレームシャンティ、
ロングビーツ、ブラッドオレンジとヴァニラアイスクリーム

咲き誇る桜のイメージ。 一つ一つ身離れしたブラッドオレンジ!
ロングビーツやマスタードソースにショコラタルトがこんなに合うなんて。目に美しく驚きの一皿でした。


レフェルヴェソンス
「願いと光り」と名付けられたフルコース
この日は地階の個室で10名で。
13品+ワイン+お茶

食後は生江シェフからお話を。
コペンハーゲン「noma」レネシェフとの舞台裏話も伺え、一層盛り上がる・・・。

おいしいものと人との繋がりがあるからこそ、のレストラン。
また伺おうと思います。