先日、母親と二人で食事に行った。

たまには親孝行もしなくちゃ行けないと思い、

近所で評判の少しこ洒落た和食屋に奮発して行った。

料理を待っている間、久しぶりに母親を間近で眺めてると、

気付かぬうちに手や顔に細かいしわが増えている事に気付いた。

いっぱい苦労かけたからな。

これからはもっと親孝行しないと・・・

そう一人感慨に浸っていると母親が俺の顔をまじまじと見つめ

一言こう言った。


母親「あんたよう見るときよしに似てるね。」

俺「きよしって?ず・ん・ど・こ?嫌だなー。ぜんぜん似てないよ。親バカにも程があるって。」


母親「ごめん。山下の方。」






生まれてきてごめんなさい。


副業でやっている家庭教師中の出来事。

春休み明けの実力テストに向けて懸命に指導していた。

俺「じゃあ次の文、I love Japanese music.これ訳して。」

生徒「えっと。私は日本の音楽が好きです。」

俺「よく出来ました。じゃあ次・・・」

生徒「先生。英語とは関係ないですけど。日本の音楽ってなんですか?」

俺「日本の音楽って言えばしゃみせんとか琴じゃない?」

生徒「じゃあ和太鼓とかも?」

俺は勉強を楽しく教える為に常に笑いを取り入れる事を心がけている。

だから俺は今日も言った。とっておきのナイスなギャグを。

俺「うん。そうだね。後、めんたいこね。」

まさか、楽器と海産物をかけて来るなど夢にも思わないであろう。

意表をついた俺のギャグに悶絶必至なはず。

し か し

生徒「・・・・・・・・・。」

時が凍りついた。

明らかに困った顔をしている生徒。

俺と目を合わせようとしない。

机の上に置いた時計が秒針を刻む音だけが部屋に響く。

数秒の沈黙の後、生徒は漸く口を開いた。

生徒「ごめんなさい。反応出来ませんでした。」

まるで自分が悪い事をしたように、笑えなかった事を謝る少年の優しさが痛かった。

もの凄く痛かった。

めんたいこじゃなくて波野タイコとボケるべきだった。

日曜日。

暇だった。

たまには料理をしようかとオレンジページを眺めていた。

美味しそうな料理を見つけたので

レシピを読んでみた。

「3.切った材料を強めの中火で炒める。」

何だか難しそうなのでやめた。

三日にわたって書き綴ったテーマの最終章。

俺が彼女をどう落としたか?

それが今日の日記に集約されている。


駅までの道のりは約800m。時間にしておよそ10分。

たった10分と言う限られた時間の中で女性と最も

盛り上がる事が出来る話題は一体なんだろうか?

政治と宗教とカボチャ大王の話は

してはいけないとスヌーピーが言っていた。

必要なのは

楽しい会話。

面白い会話。

共感できる会話。

そこで俺が実際に選んだ話題は

ずばり「旅行」である。

旅行がキライだと言う女性は今まで聞いた事がない。

高確率でこの話題には食いついてくる。

いきなり旅行の話?

そう思うかもしれないが

実際にこの勉強会では

温泉街のホテルに来ていた訳でなんら不自然な話題ではない。

別に若干不自然な流れだったとしても

自分に興味のある話題、共感できる話題で

あったら必ず食いついてくる。

限られた10分と言う時間の中で共有できる価値観を

見出し盛り上がるには最も適した話題なのである。

ただし、いきなり

「旅行好き?」

などと聞いても芸がない。

相手の心の鍵を開けたければ、

自分の心の鍵を少し開け覗き込ませる必要がある。

つまり、質問攻めの会話をするのではなく

まず自分が具体例を元に会話を始め

会話の道筋を示してあげるのである。

このセオリーに基づき俺は

「そう言えばここのホテルの温泉良かったですよね。○○さん

は旅行とか行きますか?俺は年末に・・・。」

と話始めた。

すると

「私はちょっと前にサイパンに行って・・・。」

彼女は面白い様に示された道筋に沿って話し始めた。

相手が話し始めたららこちらはもう多くを語る必要はない。

極端に言えば

「へぇーそうなんだ。」

「本当に!?」

この二言で事足りる。

どんな話であれ女性は話を聞いてくれる男性に好感を覚えるものだ。

駅はもう目の前。

会話は十分に盛り上がった。

俺と話すと楽しいと言う印象はしっかり植え付けたはずだ。

後は最終目的を果たすのみ。

あくまで自然に切り出す。

「あーおもしろかった。

つまらない勉強会だと思ったけど、○○さんと話せた

お陰ですごく面白い会になったよ。

旅行の話でもすごく盛り上がったし。

また今度ゆっくりご飯でも食べながら話したいと

思うんだけど、メルアド教えてくれない?」


あまりにも完璧過ぎる会話の運びに思わず笑みが込み上げる。


しかし、予想外に

「・・・。自分のメルアド覚えてないんだ。」

と少し気不味そうに答える彼女。

実際にメルアドを覚えていないと言う子は多いので

気にせず続ける。

「じゃあ番号ででいいよ。 」

「・・・。電話番号も覚えていないんだ・・・。」

おかしい。


明らかにおかしい。

覚えてないと言いながらも携帯を取り出して自分の番号やメルアドを確認する

素振りすら見せない彼女。

さっきまでのハイテンションでの会話がウソのようだ。

しかし、ここまで来て今更、引くわけには行かない。

強引に攻める。

「じゃあ俺のメルアド書くから帰ったら送ってよ。」

鞄からメモを出しメルアドを書くと彼女に差し出した。

「・・・。」

受け取ったものの沈黙の彼女。

何故か

敗色濃厚。

原因不明。

四面楚歌。


尿酸高目。

告白して振られる瞬間によく味わった空気に似たものを感じる。

「実は・・・。」

重苦しい雰囲気の中彼女がゆっくりと口を開いた。

「結婚したばかりなんでそういうのは・・・。」


なるほど。新婚さんね。


最近サイパン行ったってのはきっと新婚旅行なのね。


彼氏はいなくても旦那はいるってことなのね。


はいはい。


新婚だから他の男性と食事に行けない。


典型的な優等生タイプの言う台詞だ。


この手の女性を口説く方法は・・・


皆無。


お手上げ。


万歳三唱。


なんだか無性に腹が立ったので


「俺も嫁いる(実際はいない)からいいことない?」


と不倫を提案。


すると、


「じゃあこんな紙渡さないで下さいよ!!!!」


温厚そうな彼女が激怒。


そして俺のメルアドが書かれたメモは


彼女の細い指先で細かく千切られ


たんぽぽの綿毛の様に風に乗せられてどこか遠くへ飛んでいった。


春の始まり。それは恋の終わり。

翌日も朝から勉強会だった。

しかし、残念なことに講義が終わるまで、

彼女と接触する機会は全くなかった。

でも焦りはない。

最悪このまま彼女と話す事が出来なかったたとしても

貰った名刺がある。パソコンにメールを送ればいい。

昨日の会話の流れからいっても返事が来る可能性は高い。

Take it easy.

気楽に行けばいい。

そんな事を考えながらホテルのロビーで

駅までの送迎バスを待っていると、

偶然にもフロントでチェックアウトを済ませ、

こちらに歩いてくる彼女を見つけた。

「お疲れ様です。」

出来る限り爽やかに俺は声を掛けた。

ポイントは相手の目をしっかり見ながら声をかける事。

これで相手の意識を一気に自分に集中させる。

ただのあいさつだけで終わらせない為だ。

「お疲れ様でーす。」

俺以上に爽やかな声で答える彼女。やはり結構かわいい。

「こんなとこで何してるんですか?」

「○○さんが来るのを待ってた。」

なんて熱くストレートな発言をしたいところではあるが、

ここは情熱の国スペインではない。

奥ゆかしさを大事にする日本である。

笑ってスルーして貰えるかもしれないが

知り合って2日目でのストーカー的ジョークは危険すぎる。

だから普通に

「駅までのバスを待ってるんだけど、○○さんも電車ですか?」

と答えた。


すると

「はい。電車ですけど、駅まで歩かないんですか?」

この発言に俺のシックスセンスが働いた。

チャンスは間違いなく、今だ!

「じゃあ駅まで一緒に歩きましょう。」

「そうですね。」

笑顔で答える彼女は眩しかった。

俺は女性と歩く時必ず女性の利き側を探りそちらを歩く様に心がけている。

利き側と言う言葉は聞き慣れない言葉かもしれないが

簡単に言うと

どちらに人がいるとより落ち着くかと言う物である。

利き側でない方から話しかけられると違和感を感じてしまう人が多い。

だからこれを探りそちらの側から話しかける方が

ただ危ないからと言う事を理由に車道側を歩くより

よっぽど女性の心象を良くするのである。

利き側の探り方は、手足の組み方、髪の分け方、等々で判断する。

手足を右を上にして組む人、

髪を右から左に分けている人は左側が利き側になる事が多い。

今回は髪の分け方のみで判断しその子の左側を歩く事にした。

俺の利き側は右側なので俺も違和感なく話す事が出来る。

立ち位置は完璧。残された問題は駅までの約10分の間に

どう楽しい会話を繰り広げまた会いたいと思わせるかである。

こんな時はよく

「好きな男のタイプは?」

なんて質問をする人が多いであろうが、はっきり言ってこの質問は愚問である。

会話につまる典型的パターンである。

聞きたい気持ちは確かに判る。

興味を持った女性がどの様な男性に惹かれるのか知りたいと

思うのは当然の心理である。

しかし、それをストレートに聞かれても明確に答えられる女性は少ない。

だから大概、答えに詰まって

「優しい人かな?」 や「面白い人かな?」

とありがちな回答をして終わりである。

さらには好きなタイプを聞いたところで


それに併せて自分を変えることなんて出来ないので


聞くだけ無駄なのである。

だから俺はあえて聞かない。

じゃあどんな話をすれば効果的なのか?


続く

先日、仕事の関係で1泊2日の勉強会に出席した。

出席者の大半は中年。

話の合いそうな人は誰もいなかった。

1日目の講義終了後、立食パーティーがあった。


しかし、そこで愛想笑いを繰り返しながらティッシュ配りの様に


名刺を渡す作業は苦痛以外の何物でもなかった。

そんな中、

以前別の研修会で少しだけ話した事のある綺麗な女性を見つけた。


いい加減おじさん達との会話にうんざりしていた俺は久しぶりにナンパを試みた。

名刺交換と言う名の合法的なナンパを。

俺は早速近づくとさりげなく話し掛けた。

「こんばんは。」

突然背後から声を掛けられたせいか彼女は少し驚いたようだった。

そんな彼女に構う事無く名刺を取り出し渡す。

「以前お会いしたことがあると思いますが、○○のi-charと申します。」

すると当然彼女も○○と申しますと言いながら名刺をくれた。

労せず彼女の名前、メルアド(パソコン)をゲットした。

これが路上で行った通常のナンパなら例えどんなイケメンであっても


メルアドはもちろん、名前すら教えてもらえない事は多々ある。

しかし、人間は話しかけられる場所、状況に応じて態度を変えるので面白い。

立食パーティーと言う状況では話しかけない方が異様なのである。

この状況を巧に利用し、ゆっくりとでも確実に彼女の心の鍵を開ける。

最初はたわいも無い仕事の話。世間話から攻める。

通常のナンパであるなら相手の警戒心を解くために

笑わす等の相手の興味を惹く行為が必要であるが、

この場合名刺交換により身分は明らかになっており、


警戒心は少ない為、あえてその必要はない。

むしろこのケースで笑いを取ろうとして突飛な行動に出ると


仇となる可能性の方が高い。

ある程度会話を交わし

和んだ雰囲気を作る事が出来たら次のステップに進む。

突然こう言うのだ。

「全く話は変わりますけど○○さんってとってもキレイな目をしていますね。

凄く目力を感じます。」

十中八九これを言われた女性は

「そんな事ないですよ~。」

と照れながらも素直に喜ぶ。

かわいい、美人など、抽象的に褒めるより

鼻でも、指でもどこでもいいので1点を褒めると女性は一層喜ぶ。

抽象的な言葉はお世辞に聞こえるが具体的な褒め言葉は真実味がある。

そして次の言葉を添える。

「○○さんの彼氏さんもきっとその目に惹かれちゃったんでしょうね。」

あたかも彼氏がいるのを知っているようにサラッとこう言う。

この言葉に対する女性の回答は

1.「えーそうかな?彼氏にそんな風に褒められた事ないけど・・・。」

2.「えっー。彼氏なんていないですよー。」

の2パターンにほぼ分類される。

今回俺のターゲットも少し照れながらパターン2を回答した。


しかし、この質問に特別な意味はない。


ナンパ師にとって彼氏の有無は重要事項ではないのだ。


では何故この様な質問をしたのか?

それは彼氏というキーワードを出させた事により

彼女を俺のフィールドに引き込む為である。

なぜなら「彼氏」の話は仕事関係の人間とする話題ではない。

「彼氏」の話題をさりげなく出す事で例え一時的であったにしろ彼女と俺の

関係は私的な話題について話が出来る関係に発展するのである。

この論理を展開し

その後も彼女と俺は恋愛の話で盛り上がり、距離を縮めた。

もうその場限りで会う機会が見込めない場合は、

ここで一気に携帯番号まで聞くのであるが

今回は泊まりでの勉強会。会う機会は明日もある。

ナンパの鉄則の一つとして焦りは厳禁である。

より成功の精度を高める為その日は

「メルアドの@より後ろだけ教えて?」

と言う無意味な質問で彼女を笑わせ、その場を後にした。

このさらっとした引き際が明日への布石となる。


続く

甘いタイトルに誘われてこの日記を開いたそこのあなた。

もうその時点で負け組みです。

合コンで成功(性交)したいのであるならば

生まれ持ったポテンシャルが必要なのです。

自分を引き立ててくれるようにと人に頼ったって駄目です。

ましてや、さりげない優しさをアピールなんて童貞専用雑誌に

書いてあるようなテクニックに走っても駄目です。

「優しい人が好き。」そんな女性の言葉はウソです。

世の女性がそんなに優しさを求めいるのであればみんな

バファリン中毒です。略してバファ中です。

俺は今年で28ですけど未だに○ナ中です。

あっちなみに稲中のことです。

「おもしろい人が好き。」これも嘘です。

(妻夫木みたいな)おもしろい人が好きなんです。

カッコの中に隠れた心の声を読まなきゃダメなんです。

つまり略してつまおもが好きなんです。

でもこれだとつまらない人が好きなのか面白い人が好きなのか

訳がわからなくなります。だから使用禁止。

結局はイケメンが勝つのです。

俺みたいなイケメンが勝つのです。

山下清に激似の俺みたいなイケメンが勝つのです。

やまぴーって呼んでください。

おむすびが好きなんです。

でも絵は下手糞なんです。

S○Xはもっと下手糞なんです。

あっちなみにSEXのことです。

ちょっと自分がイケメンだと顔が見えないネットの世界で

見栄を張りたかっただけです。

別に山口美江は好きじゃないです。

山口もえはちょっと好きです。

山口良一を最近見かけません。

イケメンだと書けば女性からのコメントがちょっと増えるかな。

そう思っただけです。

悪気はなかったんです。

ワキ毛は濃かったんです。

ワキ毛で思い出しましたが、

炊き込みご飯のおこげだけちょうだいって言う奴が嫌いです。

そんな奴にはおけけを差し出したくなります。

ディズニーランドをデズニーランドと言う奴が嫌いです。

きっとそんな奴はキャメロン・ディアスを

キャメロン・デアスと言って人々に恐怖感を与えます。

ロバート・デ・ニーロをロバート・デ・ニーロと言うはずです。

それは正解です。

それでも僕は合コンが好きなんです。

合体コンパニオンが好きなんです。

とっても好きなんです。

アンアンアンとっても大好きなんです。

つまりドラ焼きの皮が好きってことなんです。

なんでロボットをネコ型にしたのかわからないです。

もっとわからないのがなぜネコなのに青色なのかと言う事です。

ブルーキャット。英語にするとなんだかちょっと卑猥な響きなんです。

だから、だから、悩めるこの僕に教えてください。

スーパーマリオでワールド9に行く裏技を。

副業でやっている家庭教師中の出来事。

一年間の遅れを取り戻す為に烈火の如く指導していた。

俺「じゃあ次の問題。Is he your br…」

生徒「先生質問!」

俺が問題を読み終える前に彼は口を開いた。

人の話を遮る様に質問をするのは確かにマナー違反であるが

その勉強に積極的な姿勢は評価出来る。

だから咎める事無く彼の質問に耳を傾けた。

俺「どうした?」

生徒「ロバってどうやって鳴く?」

俺「!?」

俺は生徒のあまりにも突然の珍問、かつ難問に言葉を失った。

勉強に関係ない話をするなと一蹴すれば済む問題ではあった。

しかし、生徒が興味を持った事には何でも答えるのが家庭教師の役目。

そして、判りませんは絶対に許されない。

そう考えるのが俺のポリシー。

だから俺は自信たっぷりに言った。











俺「フガフガ(超適当)」

生徒「先生すげー!」

少年の真っ直ぐな瞳が痛かった。
先日合コンに行った帰りの車中での会話。

俺   「今日の合コンいまいちだったな。」

よしお 「そうだね。でもi-charはモテモテだったじゃん。右端に居た子

     お前の話にすげー食いついてたじゃん。」

俺   「そうか?でも俺あの手の顔苦手なんだ。あごの割れた女とは

     付き合うなって死んだじーちゃんの遺言でさ。」

はっはっはっ・・・・。

よしおと二人笑い合っていると、

先ほどまで一人考え込み口を閉ざしていたダニエルが突如口を開いた。

ダニエル「そう言えばその子誰かに似てるなってずっと考えていたんだけど

      ようやく思い出した!」

俺 「誰?」

ダニエル「よしおの彼女。」



それから家に着くまでの間

車中は通夜の様な静寂に包まれた。

先日の出来事。


愛車を小一時間路上駐車していた。


用事(キャバクラ)を終え車に戻ると、


助手席側の窓が開けっ放しだった。


しかし、よくあることなので然程気にすることもなく


プリチーなマヤちゃんから聞いたばかりのメルアドに


「ねーねー。パンツ何色なん?ねー。何色なん?えっ何色でしょう?


早速クイズ?ズイクー?ちょっとありきたりのパターンじゃない?じゃない?


でも俺絶対に当てちゃう。俺適当に当てちゃう。


だって俺エスパーだもん。伊藤か、魔美くらいエスパーだもん。


えっとぉ。マヤちゃんのおパンツの色はー・・・レインボー。


僕のあそこはうまか棒。やだぁちょっとお下品。超ウケるんですけどぉ。」


とメールを送りつつ、飲酒運転、いや*手淫運転で帰った。


(*手淫運転の意味が判らないちびっ子はダディに聞いてみよう!)



翌朝。


日曜日だった為


目覚ましも掛けることなく気持ちよく寝ていたのだが


自宅の電話が鳴る音で起こされた。


携帯に目をやるとまだ9時少し過ぎ。


何故かマヤちゃんからメールの返信もなかった。


より一層出る気にもなれず 再び布団をかぶって、


○んこの皮は大人になった今でもかぶったままで眠りに就いた。


しかし、5分も経たない内にまた鳴り響く電話。


五月蝿く鳴る子機を窓から投げ捨てようとしたが


後悔するのはメイビー自分だと気づき


仕方なく不快感を露にした声で出る。


「はい。」


「i-charさんのお宅ですか?」


「はい。」


「○×警察のものですが・・・」


「違います。」


「いや。違いません。○×警察のものですが、i-charさんですか?」


二度目の警察という言葉で漸く意識がはっきりして来た。


警察?警察が何の用だ?


もしかして逮捕?


高校時代に購買で揚げパンを盗み、一口だけかじった物を翌日元に戻したり


中学校時代に更衣室からりえちゃんのヒモパンを盗み、一口だけかじった物を翌日元に戻したり


小学校時代にまりちゃんの水着を試着し、 一口だけかじった物を翌日元に戻したり


そしてつい先日、近所に住むけんちゃんの縦笛を拝借し、アナルで一口だけかじった物を翌日元に戻したり


その他数え切れない程犯した今までの悪事を激しく悔いた。


まだ初春だと言うのに嫌な汗が背中に伝わるのを感じた。


不用意に生まれてきてごめんなさいと口走りそうになる。


ここで謝っては駄目だ。逮捕されてもいないのに謝ったら


容疑を認めてしまうことになる。


そうだ証拠がない。


でも水着や縦笛に残してしまったかもしれない


頑固なケツ毛やいじっぱりな尻毛やストロングなヒップヘアを


DNA鑑定されたら俺の人生は


T H E  E N D O


って遠藤かよ!!


もう一度。


DNA鑑定されたら俺の人生は


T H E  B A N D O


英二かよっ!


もう一度。


もうええわ。


家宅捜査に入られる前に


あれ(体操着)とあれ(上履き)とあれ(ジャポニカ学習帳)は処分しなくては。


何かと気になるお風呂とおトイレも掃除しなきゃ。クイックル買いに行こうかしら。


と対策に頭をフル回転させていると、その警察官が言った。


カバンが落し物で届いてますよと。


ほえ?


俺はカバンを落とした覚えも無くした覚えも盗まれた覚えもない。


ちゃんと車の中にある。


これは警察の罠なのか?


それはランドセルですか?と俺の口から言わせる気か?


マナカナが大学に入った途端興味が失せましたと言わせる気か?


恋の罠には何度でも引っかかるが 警察の罠には引っかかるわけにはいかない。


落としてません。何かの間違いでしょう。


そう言い電話を切ろうとしたその瞬間


はうっぁっ!


脳裏に開けっ放しの愛車の窓の情景が浮び


割り箸で遊んでいたら肛門裂傷になったあの日の夕暮れの様な衝撃が全身を巡った。


本当にカバンが盗まれたと言う事にその時初めて気づいた。


ヤヴァス!


中にはクライアントの個人情報漏洩に繋がる様なものは 一切入っていないが


その代わり国家機密レベルの重要データーが保存されたDVD(エロ)が入っている。


もしあんなものが社内の人間の手に渡り俺の性癖が知られたら・・・


今更慌ててもしょうがないのだが取りあえず時速119kmで警察署に取りに行った。


ポリスから渡されたカバンの中身を確認すると、名刺、書類、マル秘のDVD、松井秀喜ホームランカード。


全て無事だった。 ホッと一安心してこの件は一件落着したかに思われた。


しかし、この事件にはまだ続きがあった・・・



月曜日。


仕事中暇を持て余した俺は、


ネットショッピングで いいものはないかといろいろ検索していた。


春だしオシャレなシャツを一枚


そう思いP&Gと入力しエンターを押すと パンパースが出てきた。


やっぱり春には春用のオムツがねって


なんでやねーん。 すっきやねーん。


再度気を取り直しD&Gと入力しエンターを押した瞬間


すねに巻いたガムテープを一気に剥がしたような衝撃に襲われ


このまま一生思い出さなければ良かったことを思い出した。


D&Gのネックレスが盗まれたカバンの中には入っていたのだ。


衝動買いしたものの チェーンが短くつけようとしたら窒息しそうになり


チェーンを交換しようにも トップの穴が小さすぎて交換出来ず


いつか彼女が出来たらあげようと固く心に誓ったレイニーデーを思い出した。


ダッシュでロッカーに向かいカバンを隅々まで調べたが


無かった。


ケースの欠片も無かった。


俺に彼女が出来る気配はもっと無かった。


泥棒の馬鹿野郎!!


未来の彼女に謝れ!!