連休最終日 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

終わってしまいますねー、ゴールデンウィーク。

 

今年はある意味ゴールデンだったかも。

3日から今日6日までの4日間で、外に出た(出る)のは3日と今日のみ。

3日は急遽誘われたフリンジフェスティバルというイベントを観に行きました。知り合いのスタンダップコメディアンが出てたので。ものすごいアウェイな場所だったので、知り合いのスタンダップコメディだけみてそそくさと退散してきました。

あとは今日。今日はモノローグ穴の会の稽古日なのです。

 

昨日までの輝く5月の日差しは見事に隠されてしまい、灰色の雲が憂鬱な濃淡を描いています。

なんとなく肌寒い感じもあったり。

昨日は全国各地で真夏日だったと言いますから、もうこの気温の上下動は常軌を逸しているといってもいいでしょう。

といいつつも、私は昨日おとといは家から一歩も出なかったので、実は外の暑さを知りません。

むしろ家の中はひんやりしていました。この時期、まだ家の中までは温められておらず、日差しが差し込まない(お日様の高度が高いせい)ので、どうかすると冷え冷えしてしまうんですね。

でも、これみよがしな陽光がきらめかない分、心穏やかに過ごせるってもんです。

 

ここ最近、がくっと気力が失せてしまったような気がします。

いや、失せてはいないと思いたいんですが、なんだかやる気というか、活力が湧いてきません。

芝居に関してはそこそこ残っていると思っていますが(出演のお誘いなら即決してしまうくらい)、それ以外のことがどうもグズグズなのです。

 

まず、人混みが本当に苦手になりました。

基本ぼっちで行動するんですが、以前は全然へっちゃらでした。大道芸やストレンジシードなど、がんがん一人で出かけていって(というかむしろ一人で出かけたくて)楽しんでいたものです。それがどうも今年に入ってからは気力がわかない。

年を取ったということなのかもしれませんが、最近次々に出てくる新しい形式についていけないのです。パフォーミングアーツと呼ばれるジャンルや、ノンバーバル、コンテンポラリー、何かと何かのコラボ、さらには、今までにないやり方。

そういうものを面白がり楽しむ余裕がなくなってきているように思うのです。

野外じゃなくて室内、きちんと舞台と客席が分かれていること、物語として首尾一貫していること。そういうものでないと楽しめなくなってきているような気がします。

まあ、野外はねえ。そもそも苦手だったんですよ。とにかく気が散るので。天候にも左右されてしまいますし、外気の中ということ自体が疲労を呼びました。

また、舞台と客席が渾然一体となる形が最近もてはやされているようなのですが、これが本当に苦手で。お願いだから境界を越えてこないでほしいと近年とみに強く思うようになりました。

こういうの、全部ひっくるめて、要するに年を取ったということなんだろうなと思うのです。私が年取って劣化してしまったと。だから新しいものが受け入れられないのだろうと思います。

だから、そういうことはもう若い人たちにお任せしようと思っています。

 

無気力になっているわけではないのです。

ちゃんとこの連休中でも稽古はしていました。

一つは、読み聞かせ活動の方で使う「エプロンシアター」というもの。

エプロンを舞台にしておはなしをする、というものなんですが、案外これが難しいんですよ。語りながら物を動かしていかないといけないので。再来週には幼稚園でのお披露目が待っているので、あと何回かは練習して慣れておかなくてはなりません。

もう一つは7月の一人芝居。モノローグ穴の会のほうは、基本的には小道具を使いません。セットもなし。マイムが主になります。だからある意味楽だったとも言えるんですよね。もちろんマイムの練習は必要になってくるんですけど、実際に物があるのとないのでは動きに違いが出てくるものなのです。

今回の芝居「白菊の花束」は、マンションの一室で、友達と電話で話しているというシチュエーションです。話しながら洋服を片付けたり、化粧直しをしたりする。あと、花束を花瓶に活けるという行動もあります。あくまでも「ちょっと片付けつつ友達と電話している状況を見せる」という芝居なので、動きとセリフは連動していません。日常生活ではよくある状況なんですが、そこは芝居なので、それなりに段取りやら手順が必要になってくるのです。これが難しい。

セリフは全部入っているはずなのに、片付けの動作を入れるとぽんと飛んでしまう。連動してる動きならいいんですが、そうじゃないので混乱してしまうんですね。

再現性のない日常でならなんでもないような動きが、再現性を必要とする舞台ではとても難しくなるのだ、ということを痛感しています。

とはいえ、何度も繰り返せばその動きは自分の中に入ってくると思うので、心配はしてないのです。むしろ慣れてしまうほうが怖い。慣れきってお約束のような動きになってしまったら台無しなので。このあたりの加減が難しいところではあります。

 

あとはひたすら本を読んでいました。宮部みゆき祭りw それも初期の作品を読み返していました。30年くらい前の作品なんですよねえ。びっくり。まったく色あせず、それどころか今も夢中になって読めるのは本当にすごいことです。

最近のTwitter、あ、Xか、はどんどんドブ川みたいになっていってるんですよねえ。

必要な情報もあるので眺めてはいますが、「おすすめ」に流れてくるのが本当に酷いものばかりで、かといって「フォロー中」のタブに変えると今度は必要なものも流れてこない。

まーほんとに使えないSNSに成り下がってしまいましたよねえ。にもかかわらず代替品がないっていうのもつらいところ。なので、ちょっと眺めたらすぐに閉じてしまうようになりました。

結局ね、何か読みたかったら本を読むのがいちばんよいのです。改めてそう思ったゴールデンウィークでありました。