昨日から絶賛「宮部まつり」開催中。
なーんてね。
テレビドラマがきっかけで、宮部みゆきさんの「霊験お初シリーズ」を読み返しております。
昨日は、「震える岩」と「天狗風」の2冊。
夜は口直しに、平田オリザさんの「幕が上がる」を読みましたけども。
今日は初期短編集である「かまいたち」を読んでおります。
なんとなんと、32年前の本ですわ 1992年発行となっております。
……え、待って、そんなに前なの?
改めてびっくりしてしまいましたが、気を取り直して。
この「かまいたち」には、4つの作品が収録されています。
表題作の「かまいたち」の他に、「師走の客」「迷い鳩」「騒ぐ刀」の3作。
「かまいたち」と「師走の客」は独立した短編なんですが、「迷い鳩」と「騒ぐ刀」は同一キャラクターによる連作となっています。
この本には珍しく著者のあとがきがついてまして、この連作についての説明が書かれています。
この作品を書いたとき、宮部さんはまだプロの作家ではなかったそうで(とご自身が書いておられます)、にも関わらず連作してしまったそうなんですね。
これが後の霊験お初シリーズに収蔵されず、別の単行本として出版されたのは、この2作が非常に初期の作品であったことと、宮部さんが根岸備前守鎮衛という人物と、この人が残した「耳袋」という書物に深い興味を抱いていることから、いずれ違った形で書いてみたいと思ったからなんだそうです。
なので、この2作と、後の「霊験お初シリーズ」では微妙に設定が違うんですね。
登場人物はほぼ同じだし、キャラクター設定もほぼ同じなのですが、関係性がちょっと違うのです。「迷い鳩」「騒ぐ刀」にはいたのに、その後のシリーズでは姿を消した登場人物もいます。
そのあたりの読み比べがまた、楽しいんですよね。
私の初宮部作品は、「龍は眠る」でした。
今発見したんですけど、私が持っている「かまいたち」の奥付にある著者紹介には「眠れる龍」と書いてありました。あらあら。30年越しに知る誤植。
宮部さんがデビューしたころ、私は暗黒期まっただ中でした。育児で。
なのでとても本を読むような余裕はなかったのです。
ようやくちょっとだけ余裕ができたころに、なんとか図書館へ行くことができるようになりました。そこで見かけたんですね。「龍は眠る」
新人作家さんかあ、どんな感じなんだろうな、くらいの軽い気持ちで借りて読みました。
で、読み終わって、矢も楯もたまらずに本屋さんで購入しました。
あれ以来ずっと虜になってますねえ。私が生き続けてる理由の何割かは「宮部みゆきの新作を読む」が占めています。
次に出るのはなんだろうなあ。いつ出るのかしら。
あえて調べることはしないでいます。生き続けるために。