無くなったのは情熱なのかも | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

無くしていたものが見つかる

 

 

 

 

 

 

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見つかったわけじゃなく、気がついたということかもしれませんが。

 

今の劇団に入ってはや10年が過ぎようとしています。

人づてで主宰に話をつないでもらい、そのままなんとなく入団。

「アマチュア演劇」を標榜していたせいなのか

特に入団に際して何か言われたこともなく、

オーディションのようなものもありませんでした。

これは今でも同じで、入団したい人は

「入れてくださーい」と言ってきてくれたら

そのまま入団できます。その日から団員です。

10年前に入団したときは、演劇を再開して間もない頃で

とにかく芝居が出来ることがうれしかったんですね。

劇団のこともよくわからないまま

「ああ、そうなんですね」となんでも受け入れていました。

すごく張り切って衣装やら演技プランやらを考えたり

小道具作りも自発的に始めていました。

受け入れてもらえたのでいまだに小道具担当となっています。

 

なのに、ここへ来て急にいろんな不満が出てくるようになりました。

台本がなかなかできてこないとか、もろもろの指示が曖昧だとか。

「聞いてくれれば答えるよ」と言われますが、そもそも何をどう聞けばよいのかも

難しいものです。特に衣装関係はね。

ふつう、演出家にプランがあるはずなのです。

衣装に関してもちゃんとイメージがあるはず。

だからそれをまず提示してほしいと思うわけです。

でもそれも、こちらから聞かなければ提示されない。

入団当初はたぶん、自発的に聞いていたと思うんです。

「この役の衣装はどうしますか。こういうのはどうですか」と。

もちろん聞けば答えは返ってきますが、毎公演ごとに同じやりとりをしていると、

そろそろ先にイメージだけでも提示してくれないかなあと思うようになります。

こういう些細なことの積み重ねが、もしかしたら情熱の火を弱めていったのかもしれません。

ここ1,2年で入団した人たちは張り切って質問してますもん。

その姿を見て気づいたのでした。

そうだ、私も以前はあんなふうに張り切っていたぞ、と。

じゃあなぜ今そういうふうにできないんだろうと自省してみて気づきました。

なんか冷めてきてるぞ、と。

やってることはたいして変わらないのに、受け取るこちらの気持ちが違ってきている。

そういうことなのでしょう。

 

私が何を無くしたのかわかりました。

やはり直感に従って行動していったほうがよさそうです。