白と黒 | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

なんとも不安定な空模様。

天気予報では朝からずっと雨だったんですが、朝起きて空を見たらなんか青いところが見えてる、と。

あれあれ?と思う間に雲が切れて青空が見えてきました。

晴れるのかしら、と予定変更して洗濯物をベランダに干し、ちょっと窓を開けました。

 

今日は10時からとある式典に出席せねばならず、一応屋外で行われる予定だったので空模様が気になっていました。

心配しつつ出かけたのですが、会場に着いて空を見上げると……。

見事に2つに分かれていました。

 

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左側は北の方角、右側は南。海の方角です。

とても同じ空とは思えないくらいの違いがあって、先行きに若干の不安を覚えたのでした。

 

10時に式典が始まったんですが、始まる直前に雨がバラバラっと落ちてきました。

空を見上げると、先ほど南の海上あたりにいた雲が、どよどよと移動し始めていました。

まだ切れ切れではあるものの、より水分を含んだ濃い灰色の雲のかたまりから雨粒が落ちてきます。

その時点ではまだ雲の切れ間があったため、案の定しばらくしたら雨は止まりました。

その間に式典が始まり、市長さんとか鉄道会社の社長さんがご挨拶されます。

と、また雨がぽつぽつ。

最後のプログラムは市内の少年少女合唱団による歌の披露でした。

しかし、空はここが限界だったようで、歌い始めてしばらくすると、かなり激しい勢いで雨が降りだしました。空は一面に灰色。雲がまんべんなく空を覆ってしまい、本格的な雨となってしまいました。

そんな中、合唱団の子どもたちは一生懸命歌を歌い続けました。まあ、誰も止めてくれなかったしね。

会場の担当職員さんたちに傘をさしかけてもらって、なんとか歌いきったのでした。

その後、除幕式があって式典は終了。

 

なんの式典だったかというと、「駿遠線廃止50周年記念 SL「B15」リニューアル お披露目会」だったのでした。

昔このあたりでは、駿遠線という軽便鉄道が走っていたそうで、それが廃止になって50年。当時走っていたSLの先頭部分は、長いこと静岡市の公園内で展示されていました。それがこの博物館に寄贈され、その後はずっとここで展示されていたわけです。

屋外展示ですので、どうしても劣化していきます。それを今回、廃止50年という節目できれいにリニューアルした、ということらしいです。ライトがつくようになったり、汽笛が鳴らせるようになったり、外装も大井川鉄道に依頼してきれいにしてもらったとのこと。

それがこちらです。

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博物館の前に展示されています。画像の左端に白い布がかかっているものがあるんですが、これが「駅名板」です。つまりこの赤いじゅうたんが敷いてあるところはプラットホームになるわけですね。

今後は「開放日」にこの車体に乗ったり、汽笛を鳴らしたりできるようにしたそうです。

 

私がこの式典に出席したのは、今年度の博物館の評議会委員に名前を連ねているためで、わざわざ招待状もいただいたので出席したのですが、多少私の中にある「鉄っちゃん」の血も騒いだことをご報告させていただきます(笑)

 

雨は式典終了後3時間ほどであがりました。雲の列が過ぎ去ったみたいで。

ちょっと腹が立つほど明るい光が部屋の中に差し込んできています。

なんだか変な天気が続きますよねえ。

もし、コロナ騒ぎがなくてオリンピックが開催されていたらどうなっていたことか。

起きなかったことをあれこれ想像しても仕方ないのですが、つい考えてしまいますね。

 

写真を並べるときっぱりと白黒が分かれているように見えますが、実際は境界線もなく、明るい空と真っ黒な雲のかたまりが入り混じって上空に広がっていました。

ときどき、人類はころびながら走っているようだな、と思うことがあります。ちっともまっすぐ進めなくて、よろよろとあちこちに寄り道しながら進んでいるみたい。それでも進んでいるだけいいのかなあ。

あまりにも転び方がひどかったり、寄り道がひどかったり、よろけ具合がひどかったりすると、絶望的な気持ちになりますな。