Smokey Pink | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

9月1日ですのでね。ピンクのモーツァルトなんですけど、雨なんですよ。
空が灰色に煙っておりますので、Smokeyということにいたします。

暦では今日が防災の日らしいですが、私の住む地域では昨日防災訓練が行われました。
静岡県は防災訓練がきっちり行われる県なんですよね。
それまで住んでいたところでは防災訓練なんてした記憶がありません。
大学に入って静岡に来てからも、まだまだよそ者でしたし、いい加減な学生でしたから、そういった地域の訓練についてはまったく無知でした。

結婚してからですかね、きちんとそのことを認識したのは。
結婚というのはえらいもんで、そういった社会的常識に知らず知らずのうちに組み込まれる制度でもあります。
法律的な結婚をしたら、地域社会から孤立して生きるのは難しいと思います。少なくとも「まっとうな社会人」として生きていこうとするならね。

さらに、子どもが生まれて、教育制度に組み込まれるようになると、もっとそれを痛感させられます。
幼稚園でも小学校でも、中学、高校でも、「防災訓練」が大きな行事として設定されているからです。
幼稚園や小学校で使う座布団は、防災ずきんにカバーをつけたもの。
私は、娘が幼稚園に入るまで、これの存在を知りませんでしたよ。
なんですかそれ、と思いましたもん。
そして、防災訓練や、引き渡し訓練(災害時に親が子どもを学校へ引き取りに来るという訓練)のときには、そのずきんをかぶるんです、子どもたちは。

全国的にやってることなのか、とついつい思ってしまうんですが、おとなりの愛知ではそういう風習はありませんでしたよ。

津波や山崩れに関する言い伝えは聞いたことがないんですが、東海大地震の可能性が指摘されてからは、静岡では防災訓練が当たり前のことになってるみたいです。
もちろん、その受け止め方には個人差や濃淡はありましょうけどね。

9月の最初の日が、どんより曇って寒い雨の日だというのは、どうにも陰鬱な気分です。
雨は怖い。
若い、衝動的で考えなしの頃は別として、私は雨が好きだと思ったことはありません。
雨にぬれるのも嫌だし、雨が降ることで生じる様々な不都合にもうんざりします。
そして、そういう理由や理屈抜きで、とにかく雨が怖いのです。
雨が降っているとひどく不安になります。

このまま世界が終わってしまうのではないだろうか。
この雨は終幕の合図なのではないだろうか。

そんな思いが頭から離れなくなります。

特に今年は雨による災害が頻発しました。
日照りも困るが水害も困る。そのバランスが難しいです。

今年はあんまり蝉の声を聞かなかった気がします。
聞こえていた期間が短かったような。
夏だったのかどうかも、すでにあやふやな記憶となりつつ、秋へ向かうんでしょうかね。
しばらくは暑さがぶり返すこともあるのでしょうが、着実に季節は進んでいます。


秋の雨はさみしい。雨