同じシーンで泣きました | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

今日は(も?)本あま、昼あまと2回視聴しました。
んで、2回とも同じシーンで涙がつつーっと流れました。
床にポタポタっと落ちた。ドラマみたいだ(笑)

私が泣いたのは、ユイちゃんが決意表明する場面。
アキちゃんを訪ねてきたGMTのメンバーを一人ひとり痛烈に罵倒するユイちゃん。
「地元に~帰ろう~ってかお前らが田舎に帰れよッて感じ」
猛烈に回転するスポンジ。このあたり、「いら立ち」の表現のお手本のようでしたね。
そして、気がつくみんな。
「これは……ユイちゃんがもとに戻ってる?」
震災前の、東京へ行きそこねる前の、「アイドルになりたぁ~~~~い」と絶叫していたころのユイちゃんに戻ってる?
そういう目配せでした。(ミズタクの眉上げは可愛かったなあ)

アキちゃんが「だったら一緒にやろうよ」と誘う。
「やらないよ」と言いながら「やりたいよ……でもやらないよ」
このあたりの、心の揺れの表現が素晴らしかったですね。
憎ったらしい顔つきをしながら、でも、どこか心細げに揺らいでいる感情がにじみ出てる。
ふと勢い余って一度「やりたいよ」と言ってしまうあたりで、なんかフルフルしてきたんですよね、涙腺が。

諦めたふりして、冷めたふりして、大丈夫なふりして、普通の顔のふりして、でもやっぱり諦めきれなかったんだなあと。
ここまで描かれてきたユイちゃんの受難が、この諦めきれなさに信憑性を与えています。
そこがねえ。なんとも切なかったです。
ミズタクに「やりなよ」と言われても「やらないよ」
夏バッパに「やればいいのに」と言われても「……やらないよ」
でも最後に、お兄ちゃんのヒロシが「やれよ!」と言うと打ち返すように「やるよ!」

本気だったんだなあと思いました。
本気だから、どうしても東京へ行けなかったときに心が折れちゃって、そこから立ち直るのが難しかったのかも。
足立家は、おかあさんもそうですけど、なかなかに受難の一家であります。

勉さんの超絶無邪気な「やったーー!!」もすごくよかったんですけど、私はきっと、ポロッと口を滑らせた感じの「やりたいよ」が胸に迫ったんだと思います。
2回見て、2回とも同じタイミングで涙がこぼれましたもん。



まあねえ、ユイちゃんはほんとに可愛いし(ドラマの設定上も、現実も)、アイドルとしての素質もあるだろうし、将来性もあるから、そしてみんなに大事にされてるから、ほんとにやりたいことをやったらいいと思います。(って、ドラマの登場人物にそんな言い方するのもおかしいですけど)
でも、私はなあ……、と、つい、自分に引き比べて考えてしまうんですよね。

まあ、いいか。雲上人と自分を比較しても虚しいだけですし(笑)
どうしようもなくこんな私である以上、こんな私で生きていくしかないんだろうなあと。
「ふり」じゃなく、正真正銘の「諦め」の境地に達しないといけません。

どうにもならないんだよなあ。