ライチ | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

$10月の蝉-P1000402.JPG


私はライチが大好きです。
初めてライチを食べたのはいつだったか、はっきり覚えてはいませんが、おそらく焼肉屋のサラダバーあたりだったと思います。茶色の小さなボール状の果物、いったいこれはなんだと。

あの茶色の皮を剥くと中から半透明の白い果肉が現れます。
あの食感をなんと表現すればいいのか。
柔らかいんだけどちゃんと歯ごたえがあって、ジューシーなんだけど水分過多ではない。
爽やかな甘味があって、酸味や苦味はない。この「酸味や苦味がない」というのが私にとっては非常に好印象であります。
「酸っぱい」「辛い」は私にとっては味覚ではないのです。そして過分な甘みは苦味に通じます。
まあ、とらえどころのない味っちゃあそうなんですけど、独特の芳香がありますでしょう。あれがいいんですな。
そういえば、最近飲み会では、ライチグレープフルーツというカクテル(?)を愛飲しています。ライチがリキュールになってるんですかね、心なしかほろ酔い気分になれるんですよ。

しかし、ライチは中国が原産とかで、生での輸入が難しいから冷凍したものしか入ってこないんだと思い込んでました。最近はどうやら事情が変わったらしいですね。

で、冒頭の写真ですが。
いつも行くスーパーで売ってました。メキシコ産なんだそうですよ。
今までに見たことのない微妙なピンク色でかつ、生のライチだったので、珍しがって買ってみました。

手前にあるのは種です。アーモンドチョコではありません。
そうとうでかい種ですよね。実際、果肉部分は非常に少なかったです。
サラダバーに置いてあるライチはもうちょっと種が小さくて、果肉部分が多いと思います。そういうイメージで食べたもんですから、「あれ?食べるとこ少ないな」と思いました。味は一緒だったけど(笑)

こういう外観の果物を、食べようと思うのもすごいなあと思うんですよね。
他のいろんな食べ物についてもそうなんですが、「よくこれを食べようと思ったなあ」と思うようなものを人間は食べてますね。
そういうことを考えだすと、自然にあるものすべてについて、「なぜこれを食べようと思ったんだろう」という疑問に取り憑かれます。
あるいは、食べられるようになるまでにとんでもない手間ひまのかかるもの、とか。
こんにゃくなんて最たるものじゃないでしょうか。あの、ごつごつした芋の部分を、なぜ今のような形にしてまで食べようと思ったのか。それほど追い詰められた食糧事情があったのかなあ。

ま、ライチなんてのは果実ですからね、それでもそのままなんとか食べられるんじゃないかという類推は働きやすいかもしれません。
鯉やゴキブリを悪食と言いますが、いちばん悪食なのは、間違いなく人間でしょう。
「食べる」とはまことに業の深い行いであります。