公共交通機関は使用できません | 10月の蝉

10月の蝉

取り残されても、どこにも届かなくても、最後まで蝉らしく鳴き続けよう

夏です! 花火です!

そう、夏になると、各地で花火大会が開催されますね。

そしてお決まりのように「お出かけは公共交通機関をご利用ください」とのお触れ。


電車やバスがたくさん走っている都会はいいですよ。むしろ車では身動きが取れないでしょう。しかし、私が住んでいる県は、圧倒的に公共交通機関が発達してない。

県内を東西に貫く東海道線。そこから、栄養失調の野菜の根っこのように、ひらひら、ちびちびと延びる私鉄。

鉄道沿線に住んでいるならまだまし。(沿線というのは、徒歩で15分以内)

それ以外は、どうやって駅に行くかというと車、なわけです。


焼津、という街があります。毎年8月のお盆の時期に大花火大会を開く。海上花火なので、とてもきれいで見ごたえがあるものです。この会場が焼津港です。JR焼津駅から徒歩で30分ほどでしょうか。電車はそこそこ走っているのですが、この駅へ至るバスが、信じられないような時間に終わってしまうわけです。

普段確かに利用者は少ない。なので9時前に終バスが出ても問題ないのかもしれない。でも、花火大会は9時までやってるんです。

行きにバスで来ると、帰りにはもうバスはない。行きはよいよい帰りは怖い。



ものすごくローカルな怒りですが、何が言いたいのかというと、「公共交通機関を使え」というならちゃんと本数を確保してくれよ、ということです。これは、ニワトリが先か卵が先か、みたいな話になってしまうのですが、利用者が少ないのは、利用しづらいから、という理由もあると思うんです。

1時間に1本しかない。ものすごい早い時間に終わってしまう。そういうダイヤで運行していて、車に乗るなはないでしょう、と思います。

そこんとこ、どのくらい本気で言ってるんでしょうねえ。とりあえずそう言っとけ、なんか環境問題に配慮してっぽいから、という感じで言われているのではないことを祈りますよ。


なんかそういうの多くないですか。「詳しくはわかんないんだけど、とりあえずこれ言っとけば問題ないから」とか「時流に乗ってるっぽいから」みたいなこと。


エコエコの大合唱も、悪いことではないために、実態をよく知らないままにいろんなこと言ったりやったりしてますね。割り箸を断る時に「その割り箸はどこで、どんな木を使って作られてますか」と確認する人はあんまりいないんじゃないでしょうか。レジ袋にしたって、原材料を確認してますか。普通の人で確認できる人は少ないんじゃないでしょうか。

もちろん、悪いことではないでしょう。ひとりひとりのできることは限度があるのだから、ちょっとでもできることをやりましょう、というのは間違ったことではないと思います。でも、それが強制とか盲信みたいになるのがちょっと怖いと思います。

今朝の新聞の4コママンガで「強制的エコの店」という話がありました。エコバッグを忘れた主人公が店の人や他の客から怒られて、最後には「次に来る時までに、チラシの裏に反省文を書いてきてね」と店の人に言われてました。

ちらっと笑ったけど、次の瞬間背筋が凍りました。この話、実はシャレにならないと思ったからです。ここまで戯画化されなくても、近い雰囲気って漂ってませんか。


「環境に優しい」とか「健康」とかって、反論しにくいものですよね。それを推し進めてどこが悪いのよ、というような。やりたい人はどんどんおやりになればよろしいと思いますが、100%信じてないといけないよ、というのはちょっと遠慮したいです。


たとえ不健康だろうと、やりたいことをやって早死にするならそれも本望さ。

という希望が通りにくい世の中ではあります。