ドラマ「青雀成凰」
第17集
<第17集> 你我之間可有愛意
気を失っていたらしい、目覚めると厳詢蒼は慕王府に戻っていた。彼を連れ帰った青澄は、秘密部屋に匿ったのだ。
「きみのおかげで助けられた」
「それじゃあ、お返しに父王を救って」
「…なぜ何も訊かないんだ?」
青澄は、別に厳詢蒼と青雀の関係や弩を放った賊について興味は無かった。
厳詢蒼は彼女に薬の入った小瓶を渡した。
青雀を寝台に押し倒した雲煥は、強引に彼女の唇を奪った。
青雀はただただ涙を流す。
頭に血が上っていた雲煥は、はたと我に返った。
「…厳詢蒼は無事だ。青澄が秘密部屋に匿っている」
雲煥は青雀に禁足を命じた。
居室から廊下に出た雲煥は、青澄に頬を張られた。
「私は何年も待ったのよ」
婿に入ってすぐ、雲煥は辺境を守るために出征した。その三年間、青澄は怨み言も言わず、道徳を守って彼の帰りを待った。
その挙句が離縁である。
「あの女を殺してやる!」
「鵲児に手を出してみろ、慕王府とともに葬ってやる!」
雲煥の心には青澄を思いやる気持ちなど欠片も無かった。
欲しい物は奪ってでも手に入れろ。すべてにおいて勝てなければ意味がない。
青澄は父からそう教育された。
「でもね、あの婚礼の時に、すでに私は負けていたの」
意識の無い慕王の口に厳詢蒼からもらった薬を含ませた青澄は、枕元で語りかける。
「今や雲煥は王府の主権を握っているわ。どうしたらいいのかしら…」
その時、慕王の指がわずかに動いた。
「父王!?」
慕王の目がかっと見開いた。
禁足を命じられた青雀は、出来ることは無いかとうろうろしながら考えていた。
そこへ青澄がやってくる。
「自業自得ね」
「私もあなたと同じで、雲煥を憎んでいるのよ」
「一緒にしないでよね!」
青雀は厳詢蒼への密書を青澄に託した。
「これが済んだら、きっとあなたの前から消えるから」
「いいわ、手伝ってあげる。その前に、質問に答えて」
雲煥と厳詢蒼のどちらを選ぶかと青澄は訊ねた。
「厳詢蒼」
青雀が即答する。
青雀は厳詢蒼に命を救われた。対して、大英雄と称賛される雲煥には屈従を強いられたのだ。
青雀と青澄の会話は、廊下に立つ雲煥にも聞こえた。
彼に従う軍師が気遣う。
「将軍、まだ鵲夫人のために動かれるのですか?」
<第18集に続く>