ドラマ「青雀成凰」 第10集 | 江湖笑 II

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ドラマ「青雀成凰」

 

第10集

 

 

 

 

 

 

 

<10> 確有旧情

 

 

 軍師の捜査の結果、水筒の水を抜いたのは青雀だと判明した。

 彼女が自作自演してまで得たかったものは何か。これまでの行動を思い起こした雲煥は、彼女が欲している物にたどりつく。

 淮王の玉佩だ。

 青雀を嵌めるため、雲煥と軍師は芝居を打った。

 まず、軍師がわざと目立つようにして雲煥の上着と玉佩を書斎に運ぶ。それを目撃して書斎に雲煥はいないと知った青雀は、きっと彼からもらった令牌を利用して書斎に入り込むだろう。

 

 

 謀った通り、青雀は海棠の鉢植えを運ぶように命じて番兵を書斎から遠ざけ、玉佩を盗み取った。そして慕王府を抜け出し、郊外にある厳詢蒼の屋敷へ向かう。

 屋敷に着いた頃には、あたりは夕闇に包まれていた。

「あなたが無事でよかった。本当に心配しました」

「あれ以外に雲煥を阻止できる方法はあったかしら?

 厳詢蒼は小さな陶器の瓶を取り出した。この小瓶の中には”同心蠱”なるものが入っていると言う。

 ”同心蠱”は、互いに好意を持っている状態で効果が発揮される。女性が”同心蠱”を口に含み、相手の男性と唇を合わせた際に男性側が発症する仕組みだ。男性は相手に対して狂おしいほどの愛情を感じ、彼女に尽くすのだ。

 その効果は媚薬の比ではない。超人的な自制が効く雲煥でさえも抗えないと、厳詢蒼は効果を保証した。

 そこまで話が進んだ時、家屋の外で男の声がした。雲煥が来たのだ。

 青雀は慌ててとなりの部屋に身を隠した。

 

 

 雲煥と軍師が屋内に踏み込んだ時には、厳詢蒼の姿しかなかった。

「こんな晩に、どうされたのです?

「慕王府から軍の機密が消えた」

「数回出入りしただけの私をお疑いですか?

 雲煥は空席に置かれた茶器を手に取る。先刻まで青雀が使っていた茶器だ。まだ茶が残っていた。

「鵲夫人とは昔馴染みなのかな?

「彼女が大病を患った際にお助けしました」

「どうりで鵲夫人が信頼を置くわけだ。しかし、こんなところで逢引きとは」

 青雀が隠れていることは分かっている。雲煥は強引な手段に出た。衛兵ふたりに命じて、厳詢蒼の自由を奪う。

「まずはおまえの腕を切り落とそうか」

 雲煥は剣の切っ先をちらちらと厳詢蒼に見せつけた。

 たまらず、青雀がとなりの部屋から飛び出した。

「鵲夫人はいい趣味をお持ちだ」

「夫人は体の調子が悪くて私を訪ねて来られたのです!

「黙れ!

 青雀のほうを向いた雲煥は、玉佩を彼に渡したのかと迫った。玉佩を捜すために青雀や厳詢蒼の体を探り、屋内を捜索する。

 青雀は無礼を働く雲煥を突き飛ばした。

「私は慕王夫人よ、侮辱だわ!

「盗みを働き、夜に男と逢引きする慕王夫人か!

「鵲児に触れるな!!

 厳詢蒼が無体を強要する雲煥に叫んだ。

「鵲児だと? やけに親しげだな」

 我に返った厳詢蒼は、疑われるような仲ではないと強調する。

 雲煥は語気を強め、もう一度青雀に訊ねた。

「こいつに渡すために玉佩を盗ったのか!?

「私は持っていない。無実の者を責めるのはやめてほしいわ」

 青雀は毅然とした態度で答える。らちが明かないと悟った雲煥は、厳詢蒼に剣の切っ先を向けた。

 慌てた青雀が雲煥の腕を掴む。

「やめて! 全部話すから…!

 青雀は、厳詢蒼と恋仲だったことがあると話した。

 

 

 

 

 

 

<11集に続く>