ドラマ「明月祭君心」第18集 | 江湖笑 II

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ドラマ「明月祭君心」

 

第18集

 

 

 

 

 

 

 

<18>

 

 

 蕭奇風は皇帝と怡妃の子だった。命の恩人である怡妃の遺児を、蕭夫人は蕭家の息子として育てたのだった。

 怒りに任せて蕭寒哉が去り、蕭夫人も立ち去る。様子を窺っていた青花蝉も黙って帰った。

 蕭奇風の隣に立つ素晴は涙をこらえている。彼女は蕭奇風が皇帝の子であることを知っていたのだ。

 素晴が背を向け、立ち去ろうとする。その背中に蕭奇風は話しかけた。

「…青衣骸骨はきみの仕業だろう?

「うん」

 素晴は背中を向けたまま、答える。

「なぜ話してくれなかったんだ?

「だって、あなたを失いたくなくて… おじいさまも皇上も、皇后も、皇子として認めたくないだろうから、あなたの身に万一のことがあったら、と怖くて…」

 そんな素晴が思いついた蕭奇風を守る方法が、”青衣骸骨案”だった。

 蕭奇風は素晴を抱き寄せた。

「私が大事に思っているのはきみだけだ。これからは私がきみを守る」

 蕭奇風は、やっと笑みを浮かべた素晴の額に口づける。

「さあ、真相を暴露する時がきた」

 

 

 天命司を出た青花蝉は、蕭奇風が怡妃の遺児であったことを皇后に報告した。

「蕭寒哉は我々を騙していました。ヤツは怡妃の子を殺してはいなかったのです」

「富と栄華を与えたというのに、蕭寒哉め!

「どういたしましょうか」

「蕭寒哉も蕭奇風も、消しておしまい!

 その時、音を立てて扉が開いた。皇帝と李公公、蕭奇風、素晴、墨夜行が揃って入ってくる。

 皇后と青花蝉は急いでひざまずいた。

「皇后よ、そなたが怡妃を陥れ、殺害したのだな!

 皇帝は怒りのあまり、皇后を床に引き倒す。

「おまえが青花蝉か」

 墨夜行が青花蝉を見下ろし、確認した。

「私は寧国公主よ」

 つかつかと素晴が青花蝉に歩み寄ると、いきなり頬を張った。

 青花蝉がきっと素晴を睨む。

「やり返そうっていうの!? あなたは寧国公主なんかじゃないでしょ!

 

 

 朝乾殿に関係者が集められた。蕭奇風たち三人のほか、蕭夫妻と素仁亭、邵元、慈恩が証人として呼ばれ、皇后と青花蝉は皇帝の前に端座している。

 皇帝に促され、蕭奇風は20数年前の出来事から語り始めた。

 少女だった月怡は、楽教坊の前で飢えた幼い少女を救った。少女は月雲と名付けられ、月怡と共に楽教坊で生活を始める。

 ところが、いくらもたたないうちに月怡が皇城に引き抜かれた。宮中の舞姫となるためだ。

 月怡はのちに皇帝の目に留まり、寵姫となって怡妃の名を賜った。そして皇帝は、彼女に高価な青幽舞衣を下賜した。

 もちろん、素晴が事件で使用した青幽舞衣は模造品である。蕭奇風はその模造品を宮女に持って来させた。

「この青幽舞衣が 怡妃に不幸をもたらしたのです。そうですね、皇后」

 蕭奇風に問われた皇后は、返事もせずに宙を睨んでいる。

 

 

 当時の皇后は怡妃に異様なまでの嫉妬心を抱いていた。そして秦御医に命じて、怡妃の体調の変化まで監視させた。

 ほどなくして怡妃が懐妊した。皇后から命じられた秦御医は懐妊とは告げず、胃が弱っているだけだと怡妃に言う。

 このままでは皇后の地位を奪われる。危機感を抱いた皇后は、ある人物を味方につけた。

 文武両道、宮中への出入りを自由にできる大内統領、蕭寒哉である。

 

 

 

 

 

 

<19集に続く>