続きです スター

 

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。視聴しながら生じた疑問の考察やら、内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

シグナル  시그널 英題:Signal

 (tvN Jan 22, 2016 - Mar 12, 2016 1時間15分×全16話)

対象:15歳以上

脚本:Kim Eun Hee

演出:Kim Won Suk

 

※このドラマは、犯罪を扱うという特性上、登場人物がエピソード毎にたくさん出てくること、1話完結ではないこと、現在・過去の描写が頻繁に入れ替わる、など、通常の筋追いでは、わかりにくい部分もあるため、補足も兼ねて、びびの独断で、人名や、人間関係など、ドラマよりも先に、リマインドしたり、説明をする場合があります。

極力、ドラマ上、「なるほど!! この人がこういう立ち位置だったのね」という謎解き部分の醍醐味が損なわれることのないように工夫したいとは思いますが、なにぶん、整合性を取り切れない箇所もでてきそうな気がします。

余計、わかりにくくなったりしたら、ほんと、申し訳ないです。

 

前記事をお読みでない方は、さきに、こちらからお読みください。

#9-1
 

【Episode 9-2】

  

現在

 

〜捜査班前の廊下〜

 

部屋から出てきたスヒョン。

 

廊下で待っていたヘヨンに、「イ・ジェハン先輩ニムがどうかしたの?」と声をかける。

 

アン・チスとイ・ジェハンの関係について、直接、スヒョンからも聞き出そうという作戦らしいです。

 

ヘヨン「だって、その人のおかげで、ハン・セギュを捕まえることができたんですよ。感謝の気持ちから、どういう人なのか知りたいなぁと興味を持っただけですよ。チニャン署で、アン・チス係長と一緒だったそうですね。当時から、二人は親しかったんですか?

 

ヘヨンがチスに話を聞きにいったことは、アン・チスからすでに聞かされていたスヒョン。

なぜ、それほどまでに、ジェハンに固執するのか、ヘヨンの質問自体が、謎でしかない。

壁に寄りかかるスヒョン。

 

スヒョン「今、考えれば、不思議な話よね。キム・ユンジョン事件、京畿南部連続殺人事件 ハン・セギュの事件・・・、あんたが関心を見せる事件はみんな、イ・ジェハン先輩ニムと関係があるのは、どういうことなのかしらね」

 

するどい!

 

ヘヨン「そう・・なんですか? 知りませんでしたけど・・」

なんとか、平静を装うヘヨン。

 

スヒョン「先輩ニムと、アン・チス係長との間については、よく知らない。イ・ジェハン先輩ニムは、ある事件が起きた時にインジュ市に異動になったの。そこで、はじめて会ったと聞いたけど・・」

次第に、掠れた声で囁くように、言葉をつづけるスヒョン。

 

インジュと聞いて、顔色が変わるヘヨン。

 

ヘヨン「インジュ市・・ですか?」

スヒョン「どうしたの? なにか知ってるの?」

ヘヨン「私の・・故郷です」

スヒョン「だったら、その事件についても知ってるはずね。1999年の、女子高生集団レイプ事件よ」

 

スヒョンは、ヘヨンの反応を見ようと、あえて、この事件の名前を出したような感じです。

 

ヘヨン「・・・・・・・」

見るからに、動揺してるヘヨン。

 

ヘヨン「その事件も、あの刑事さんが捜査に関わったんですか?」

スヒョン「そうよ。先輩ニムは、捜査チームのメンバーだった。」

 

固まるヘヨン。

 

スヒョン「どうかしたの?」

ヘヨン「ああ・・・なんでもありません。答えていただき、ありがとうございました」

わざとらしく笑顔をつくるヘヨン。

 

立ち去るヘヨンの顔色は、真っ青です。

 

そんなヘヨンを見送るスヒョン。

実は、この時には既に、ヘヨンのことを調べ始めていたのです。

 

~回想 警察庁 ロビー~

 

同期のつてなのか、警察庁の知り合いに話を聞きに行ったスヒョン。

 

知人<パク・ヘヨン警衛の兄、パク・ソヌは元受刑者だった>

スヒョン「どんな犯罪を犯したんですか?」

知人「インジュの女子高校生事件について聞いたことはあるか?女子高生が集団レイプされた事件だ」

ああ、それなら聞いたことがある、と頷くスヒョン。

知人「パク・ソヌも、加害者の一人だった。数か月、少年院に収容され、その後、出所したんだ。警察大学の面接を受けた際、パク・ヘヨンの家族歴が問題になった経緯もあったんだが、委員会では、彼の難しい状況にも関わらず、チャンスを与えることを決定した。結局、パク・ヘヨンは合格した。

スヒョン「それで・・彼の兄は・・まだ、インジュにいるんですか?」

 

知人「いや、少年院を出たすぐあとに、自殺したんだ」

スヒョン「!」

 

 

~未解決捜査班~

スヒョンから、ジェハンが兄の事件に関わっていたと聞いて、ショックを受けるヘヨン。

スヒョン<1999年の、女子高生集団レイプ事件よ>

ヘヨン<その事件も、あの刑事さんが捜査に関わったんですか?>

スヒョン<そうよ。先輩ニムは、捜査チームのメンバーだった。>

 

実際、ヘヨンのショックの受け方を見ると、その可能性について、今まで、全く考えたことはなかったようにも見えます。

あ、そうでした!

ジェハンの個人調査書の経歴部分には、インジュ署勤務の記載がなくて、1994年~2000年までの間はずっと、ソウル庁 広域機動隊っていう所属になってたんだよね。

※ フライングネタバレ→ これね、たしか、応援っていう名目で、インジュに出向くボムジュに志願(!)してついていったことになっているので、正式に、インジュ署に異動したってわけじゃないところがミソだったの。← 詳しくは、もう少しあとに出てきます。。

 

その時、スヒョンのデスクの上の電話が鳴り響く。

気付けば、誰もいません。

 

ヘヨン「こちら、未解決捜査班ですが・・・」

受話器を取るなり・・・

焦ったような、少し甲高めの女性の声が飛び込んできました。

「あの~、チャ・スヒョンは、そこにおりませんか? 電話しても全然出ないんです」

この声は、スヒョンオンマです。(笑)

 

ヘヨン「いいえ、チャ・スヒョン刑事は、今、外出中ですけど」

オンマ「今、自宅からなんです。どうも、泥棒に入られたみたいで・・」

ヘヨン「!!・・え?」

絶句するヘヨン。

 

 

~スヒョン自宅~

 

たしかに、家の中はめちゃめちゃです。

ピンポンが鳴ったと同時に、駆けつけてきたヘヨンを招き入れるオンマ。

 

ヘヨン「大丈夫ですか?」

オンマ「ええ・・・その・・・」

 

すぐさま、家の中に上がり、惨状を目の当たりにするヘヨン。

ヘヨン「911に電話しましたか?」

オンマ「それが・・その・・・」

とっても、言いづらそう(笑)

 

そこへ・・・背後から、いつものごとく、わんぱく小僧(兄&弟)たちが、「バババババ~~~~」と機関銃攻撃で、ヘヨンに突進。

※ 本日も大活躍なスヒョンの甥っこたち(笑)

 

オンマ「静かに!! 静かにしなさいって言ってるでしょ!!」

お孫ちゃんたちを𠮟りつける声に、びびるヘヨン。

 

しばらくして・・・

 

確かに、空き巣に入られたと言えば、100人中100人が信じるような光景を目の前にして、呆然と、ソファに座るオンマとヘヨン。

 

オンマ・・・テディベアを両手に持ち、ちらりとヘヨンを気にします。

ヘヨン「・・・・・・」

 

オンマ「いえ・・そのね、てっきり泥棒に入られたと思って、それで、スヒョンに電話しようとして、大騒ぎしちゃったんですけど、どうやら、あの子たちが、こんな風にめちゃめちゃにしたみたいで・・・

恐縮然り。

ヘヨン「何事もなくてよかったですよ。泥棒じゃなくて・・・」

オンマ「ああ。本当に申し訳ありませんでした」

ヘヨン「大丈夫です」

オンマ「ああ・・・あなたって本当に・・・」

ヘヨン「?」

オンマ「改めて、こうしてみると、とってもかっこいいわねぇ~~」

惚れ惚れ~~って感じで、思ったまんまを口にしちゃう(笑)

 

ヘヨン「え・・ええ、あ、ありがとうございます。じゃ・・僕はこれで失礼します。また、お目にかかりましょう」

立ち上がろうと、腰を上げるヘヨンを、オンマが逃がすはずないです(笑)

なにしろ、今日は、オンマの暴走を止めるスヒョンもいません ← ここ重要!爆笑

 

 

オンマ「いえ・・・せっかく来てくださったのに、なにか、飲み物でもご用意しないわけにはいきません。」

 

慌てて、立ち上がったオンマが、「あ・・・」という声と共に、腰を押さえだす。

 

ヘヨン「だ、大丈夫ですか?」

オンマ「ええ。ええ・・・大丈夫です。私のことはお気になさらずに・・」

と言いつつ、二、三歩歩いては、腰に手を当てながら「ああ!!」と大声をあげる。(笑)

 

当然の如く、すぐさま、オンマを支えるヘヨン。(笑)

ヘヨン「腰を痛められたんですか? どうぞ、こちらに座ってください」

オンマ「そんな、“座れ”だなんて・・・。とにかく、このありさまを片付けなければなりませんわ。あああああ!!! オモ、どうしちゃったのかしら・・・」

 

別に、オンマが嘘をついてるとは思いませんが、これこそ、ドラマの神様の思し召し(笑)

 

そこからはもう、全て、想像どおりの展開になってまいりました。

腰をかばいながら、ソファに横になり、あれこれ、指示しはじめるオンマ。(笑)

 

オンマ「あ・・その椅子。それをまっすぐに直してくださらない?」

 

倒れた椅子を戻すヘヨン。

 

オンマ「そしたら、そこのお人形たちをこちらに・・・あ、全部並べてもらえます? ただ、一緒にしてかためておいてもらえればいいんです。あとで、私がちゃんときちんとしますから・・」

人形やら、ぬいぐるみを両脇に抱え、言われたとおりに動かすと、「いえいえ、その子は私のお気に入りなんで、こっちの棚に置いてもらいたいんです」と言われてしまい、結局、オンマのいいなり(笑)

 

オンマ「そこの本もね」

 

甲斐甲斐しく片付けていくヘヨンを見て、うっとりしちゃうオンマ(笑)

 

オンマ「ところで・・・実際のところ、おいくつなのかしら?」

몇 살이에요?(ミョッサリエヨ?)

なぜか、私、この韓国語好きなんですよね。← どの年代の人が話していても、この部分だけは聴き取りやすくて、こちらからもまた言いやすい(笑)

 

ヘヨン「はい・・今年、27になります」

オンマ「ああ・・・いいわぁ(좋다)。ホント、いい(좋아)!・・・」

 

ヘヨンには、「いい!(チョッタ~、チョア~)」の意味するところが、イマイチわかってないと思われ・・・。(笑)

 

オンマ「あ、ちょっと、せっかく、ここまで手伝っていただいたので、もうちょっとだけお願いしてもいいかしら?」

 

ヘヨン「ああ・・・・ええ」

にっこり笑うしかないヘヨン。

 

そのあとは、男手が必要な重いもの関係ですね(笑)

 

コメ袋から、米櫃に移し替えてます(笑)

韓国は、20kgでしたっけ。。

 

オンマ「ご承知のように、うちには、男手がないでしょう。次女の旦那は、地方で働いていて、まったく役にたたないの」

ああ・・と、ちょっとだけ頷くヘヨン。

だからって別に同意してるわけじゃないのよ。爆笑

 

その後も、大きな鉢植えを動かしたり・・・。

もう、オンマったら、その腕の盛り上がった筋だけで、「オモオモオモ・・・」って大興奮(笑)

ついでに私も大興奮!

 

オンマ「うちのスヒョンって、年齢の割に、若く見えるって思いません?」

ヘヨン「・・・・はぁ」

そんなん言われても、はい、とも、いいえ、とも言いにくいがな(笑)

 

オンマ「私に似たんですよね~~」

コロコロと、可愛らしい声で、ちゃっかりご自分アピール(笑)

 

ヘヨン「・・他になにかやることは?」

 

オンマ「こっち!!」

 

蛍光灯の入れ替え・・・これもあるあるだ(笑)

しかも、スヒョンの部屋でした(笑)

 

オンマ「来年からは、スヒョンも年金を受け取れるはずなんです」← 英訳だと、ただの“年金を受け取れる”なんだけど、さすがのスヒョンもまだ、本格的な年金受給者になる年齢じゃありません。(笑) おそらくオンマが言ってるのは、警察官には、生涯年金がもらえる制度があるので、その支給対象になる条件(在職期間諸々)とか一時金受取などの規定を、来年からはクリアできる的なことを言ってると思われます。違ってたらごめんね。とにかく、スヒョンの有利さをアピールしたい旨の発言ってことかな。( ̄▽ ̄)

 

ヘヨン「電気、つけてみてください」

スイッチを入れるオンマ。

オンマ「わぁ・・・」

拍手しちゃうオンマ(笑)

 

ふ~っと、一安心し、額の汗をぬぐうヘヨンを見て、「あら・・・汗が・・飲み物を用意しますね。あああ、きっと、お腹だって空いてるわよねぇ~~~」と慌てて、部屋を出ていくオンマ。

 

ヘヨン「あ・・・け、結構です。」

なんて、言葉を聞きいれるようなオンマじゃないことは、すでにわかってます。

 

仕方なく、スヒョンの部屋も、片づけようとして、ふと手を止めるヘヨン。

 

表紙に、チニャン署 イ・ジェハンと書かれた、例のメモ帳が目に入ったからです。

見返しに、2000年と警察のマークが印刷されてます。

つまり、失踪した年の手帳だということです。

 

パラパラと開いていくヘヨン。

裏表紙のビニールカバーに、一枚のメモ用紙が挟まっているのに気づき、開いてみると、そこには、手書きで事件の名前が羅列されていました。

 

1989年 "京畿南部連続殺人事件"

1995年 "大盗事件"

1997年 ホンウォン洞事件

1999年 インジュ高校生事件

この、なんの変哲もない手書きのメモ、これ以降も何回か出てきますが、意外に重要アイテムなんです。

 

そこへ、「お待ちどうさま~~~」と飲み物とサンドイッチをもって、入ってきたオンマ。

 

さっと、そのメモだけ、抜き取り、自分のポケットに入れるヘヨン。

 

ヘヨン「ああ、そんな結構でしたのに・・・」

 

オンマ「そんなこと言わずに、食べて、食べて」

サンドイッチを掴み、ヘヨンの口に強引に、イン(突っ込む)!(笑)

 

ヘヨン「・・・!」

思ったより、美味しかったのか、とにかく食べ続けるものの・・・どうしても、メモのことが気になってしまうヘヨン

 

~ヘヨンの自宅~

 

家に帰ってきてから、じっと、メモを見ているヘヨン。

この感じ、今までもよく目にしてました。

考えながら、口許を触る人は、不安を感じ、安心したいという心理の表れだとか、なんとか・・・。

 

"京畿南部連続殺人事件"から、順番に、ジェハンとのやりとりを思い起こしていくヘヨン。

 

ヘヨン「これは、イ・ジェハン刑事と俺が取り組んだ事件だ・・・」

 

"京畿南部連続殺人事件"と"大盗事件"からして、そういう流れになります。

 

ヘヨン「1997年、“ホンウォン洞連続殺人事件”・・・」

 

すぐさま、ネットで調べるヘヨン。

 

過去 

<1997年10月17日>

  

コンビニのイートインで、一人、おにぎりを食べている女性客。

コンビニの店員の存在が気になるのか、ちらりと視線をむけると、目が合ってしまう。

すぐさま、視線を戻し、おにぎりを食べることに集中する。

他人の視線を気にしながら、急いで食べたことでむせてしまい、てんぱって、水のペットボトルも落としてしまう。

咳込んでいると、横からすっと、キャップをあけた水のペットボトルを差し出す店員。

店員「ゆっくり召し上がってください」

オドオドしている女性に対して、それだけ言うと、微笑んで、また、仕事に戻っていく店員。

 

少し、はにかんだようにして立つ女性客。

 

帰り道、音楽でも聴こうと、CDプレーヤーを取り出したところで、

横の小道から出てきた人間とぶつかってしまう。

さきほどのコンビニの店員でした。

アップ、きました。

※言わずとしれた特別話数ゲストのイ・サンヨプssiです。個人的には、ジヨン(KARA)とゴニル(当時は超新星)の『恋するメゾン』を見ていたので馴染がありましたし(笑)、大体、その辺りの時期、『チャン・オクチョン』とかで、名前と顔が一致したって感じでしょうか。

 

勤務上がりって感じです。

 

ぺこり、とだけ頭をさげると、そそくさと立ち去ろうとする女性を、「あの・・・」と呼び止める店員。

女性「え?」

店員「もし、よかったら手伝ってくれませんか?」

 

店員について、路地を歩いていく女性。

女性「どんな色なんですか? そんなにケガしてるんですか?」

店員「白です。」

女性「ああ、早く見つけてあげないと・・・」

その時、少し離れたところから、子犬の鳴き声が聞こえてくる。

 

焦りながら、足早に近づいていく女性に反し、後ろから、ゆっくりとついていく店員の顔は・・・それほど緊迫した様子でもない。

 

女性「ああ、あそこにいる子ですよね?」

指さした先の白い子犬は、針金のようなもので、その場につながれている。

 

抱きかかえ、「大丈夫?」と声をかける女性。

全身をチェックしていた女性が、子犬の前足のケガを見つける。

女性「あら、どうしたの?」

その時、背後にいた店員が、「僕がやったんですよ」と答える。

 ((((;゚Д゚)))) ??

 

え・・・と振り返ろうとしたところで、顔に黒いレジ袋をかぶせられる。

 

~洗面所~

タイルの床に、手足を縛られた先ほどの女性が転がされている。

頭にはレジ袋が被せられたまま、中で口をふさがれているのか、くぐもった声をあげながら、動いている女性を、じっとしゃがんで見下ろしているのは、さきほどの店員です。

 

店員「生きてるのって辛くないですか?」

その言葉を聞き、絶望的に泣き声をあげる女性。

静かに・・・と頭に触れる店員。

店員「生きててもいいことないでしょう。僕が手伝ってあげますよ」

おもむろに、女性の首を締めあげる店員。

 

~表通り~

ホームレスの男が、路地に毛布が捨てられてるのを見て、いさんで近寄ってみると、めくった場所から、白い手がのぞいている。

驚き、腰をぬかすホームレスの男。

  

現在

 

~ヘヨンの部屋~

 

ヘヨンのPCの画面には、検索結果がない、と表示されている。

 

どういうことだ?と不思議に思っていると、カバンの中から、アン・チスから取り返した無線機が、ジジジ・・・となっているのが聞こえてくる。

 

 

過去

 

年末パトロールは続いているっぽい。

 

ジェハン「おお、あっちだ」

7~8人でチームを組んで見回っているジェハンたち。

 

その時、ポケットに入れて持ち歩いている、例のヘヨンとの交信用の無線機が鳴りだしたのに気づいたジェハン。

 

スヒョンたちに、「ちょっとトイレに行ってくる。先に言っててくれ」と言い残し、ひとけのない路地にむかう。

 

ヘヨン<イ・ジェハン刑事さん? 私です。パク・ヘヨン警衛です>

ジェハン「ええ、私ですよ。イ・ジェハンです。どうして、全然、連絡してくれなかったんですか? 本気で、あなたが無線機を捨ててしまったのかと思ってましたよ」

なんか、この雰囲気、デジャビュですね(笑)

1989年から6年ぶりに、交信が繋がった時も、ジェハン、こんな感じでした(笑)

 

それに関しては、申し開きの言葉もありませんが、今は、取り急ぎ、話を続けるヘヨン。

 

ヘヨン「その間に、無線機がなったことはありましたか? 私以外の誰かと話をしたことはありましたか?」

 

アン・チスのことを念頭に入れての質問ですね。

 

ジェハン「ええ、何回か、鳴ったことはありましたが、誰も返事をくれませんでした。

どうしてですか? なにかあったんですか?」

 

おそらくジェハンの手書きであろうメモを手にしながら、「そこは、今、何年ですか? まだ、1995年ですか?」と訊ねるヘヨン。

 

ジェハン「いえいえ、1997年ですよ。2年経ってますよ」

こちとら、2年も待ってたんですよ、のニュアンスです(笑)

前回は、6年も間が空いたんだから、まだ、短くなったほうです(笑)

 

ヘヨン:もし、1997年なら、インジュ事件まで、まだ2年ある。つまり、イ・ジェハン刑事は、まだ、アン・チス係長のことは知らないんだ。

手書きのメモや、スヒョンから得た情報を元に、時系列を考えるヘヨン。

 

ヘヨン:インジュで何が起きるのかも、まだ、彼は知らないってことになる。

 

ジェハン「そちらは、何年なんですか?」

ヘヨン「まだ、2015年です。」

ジェハン「え? まだ、同じなんですか?」

そっちばっかりずる~い・・とは思わないでしょうけど(笑)、意外そうに声をあげるジェハン。

 

さて、本題です。

ヘヨン「もし、そちらが1997年なら、ホンウォン洞事件を捜査されていますか?」

ジェハン「ホンウォン洞ですか? ホンウォン洞でなにかあったんですか? どんな事件ですか?」

ヘヨン「まだ、私にもわかりません。インターネットで検索しても、一つとして記事が出てきません」

 

ジェハンにしてみたら、インターネットがまずわかりませんが、そこは一旦おいておきます。

 

ヘヨン「私は、プロファイリングの勉強のために、(過去の)たくさんの事件を調べたんですが、そのような事件は聞いたことがなかったんです」

 

トイレだと言って抜けてきている手前、少し、話しが長くなっていることも気になるジェハン。

ジェハン「ああ・・不安にさせないでくださいよ。あなたの無線を受けるたびに、毎回、怖くなりますよ。それも、未解決事件になるかも・・ってことじゃないですよね?」

ヘヨン「確かなことは何もわかりませんが、ホンウォン洞でなにか事件が起きることは確信できます。刑事さんが、あなたの手帳にそう書き残しているんです

 

驚くジェハン。

ジェハン「私の手帳? なにをおっしゃってるんですか?」

ヘヨン「刑事さんの手帳の背表紙に、メモが挟まれていたんです。そこには、1989年の"京畿南部連続殺人事件"、1995年の"大盗事件" 1997年のホンウォン洞事件、そして・・・1999年のインジュ女子高生事件と書かれていました」

 

ジェハン「それを私が書いたんですか? 確かですか? それに、どうやって、私の手帳を手に入れたんですか?」

 

質問だらけのまま、無線機は落ちました。。。

 

ジェハン「どうやって・・・」

 

腑に落ちないことだらけのジェハン。

無線をしまうと、今度は、ポケットから手帳を取り出し、以前に書いたメモの文字(そこには、"大盗事件"までしか書かれていない)を見つめるのみ。

 

このメモが、時を経て、2015年のヘヨンの手にある・・ということになるわけですが、実際には、インジュ事件まで書き加えられているので、その間のことがここから、描かれるということになります。

 

 

一旦、切ります。

 

 

★『シグナル』EP.9-2 雑感★

 

とうとう、“ホンウォン洞連続殺人事件”に到達です。

 

これもまた、実際の事件(新亭洞連続誘拐殺人事件、別名、猟奇うさぎ<엽기토끼>事件)をモチーフとしています。

未解決事件です。

ドラマ的に、アレンジは加えられていますが、人は皆、日常に潜む狂気と紙一重ななかで生きてるんだな、と思わせられるというか、なんか、じわじわとくる事件なんです。

 

・・・という事件に入る前に、ちょっとだけ脇道に入るというか、余談的な感じで、ヘヨンとスヒョンオンマの微笑ましいふれあいが描かれるんですよね(笑)

 

誰かの家族を大切にするということは、その誰か自身を大切にすることに通じます。

 

もし、自分が、なんらかの理由で、全うしたいと思っていた役目を担えないと自覚したとき、人は、それを担ってくれる人に託したいと、強く強く願うかもしれません。

 

ヘヨン:一体、どうして、俺だったんだろうか?

どうして?

前記事#9-1で、かなり悩んでいたヘヨン。

 

おそらく、彼の疑問に対するその答えは・・・たった一つではないと思います。

ただ、ジェハンが事件に携わった当時、10歳だったヘヨンは、いろいろな人の、いろいろな想いを託された“未来へつなぐ存在=こども”だったんだろうなぁ、という見方も出来るような気がします。

ああ、これは、今ではなく、最終回に近づくにつれて、色濃く思うのかもしれないですが、「余談」に見えても実は「余談」ではない・・ということを、この段階でちょっぴり触れておきたかっただけなんです(笑)

 

★『シグナル』EP.9-3に続く★