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 ホテル・デルーナ호텔 델루나

【Episode14】(2)

~三途の川駅 リムジンタクシー乗り場~

使者「君を呪っている怨鬼を見つけたよ」

チャンソン「ソル・ジウォンを見つけたんですか?!あいつが望んだとおり、もっと強大な怨鬼になってましたか?」

喰い気味に尋ねるチャンソン。

使者「君は、不当な恨みを抱く怨鬼が、望み通りに強大になると思うのか?あの者は、排水溝のねずみのように、暗闇に隠れているだけさ」

チャンソン「それなら、よかったです。あいつの憧れは、もっと強靭な悪鬼になることでしたから」

使者「あの者は臆病者のように、闇に隠れてるだけだが、手伝ってくれるか?」

チャンソン「???」

使者「君は、一発で仕留めるのがうまいと聞いたんだ。誰が君を推薦したのかは、明かさないが・・・。」

チャンソン「キム・ソンビ様でしょ!私の同僚は、私の能力を高いと考えているようですね」

使者「多くの人間の支配人がここで、働いてきたが、その中でも君は・・・」

トゥース!

使者「・・・一番だな」

チャンソン「・・・・ありがとうございます」

この一拍のタメが好き(笑)


チャンソン「死神様は、最初から、チャン・マンウォルさんの月の宿屋で働いていたのですか?」

使者「そうだ。私はこの場所から、多くの死者を別の世界に送ってきた」

 

麻姑神(トミ子)≪あなたのお客様によくしてあげてね。特に、最初のお客様にはね・・・≫

 

トミ子の言葉を思い出したチャンソン。

チャンソン「ここでの最初のお客様というのは、誰なんですか?先日、麻姑神が、最初のお客様がとても重要だと言ってたんです」

使者「私は、ここでの最初の客を案内してはいない。ここでは、彼の存在を示すあの微かな光を見た者は、誰もいないのだ」

チャンソン「それで、どうやって、お客様ってことになるんですか?」

使者「私には答えられない。私は、ただ、最後に彼らを案内するだけだからだ。まずは、怨鬼を捕まえることにしよう」

やっぱり、煙に巻くというか、肝心なことは何にもわかってないんだね(笑)

 

ここでは誰も見たことがないという、微かな光を、既に何度も見ているチャンソンが、トンネルをじっと見つめ続けている。

 

~麻姑神シスターズの薬局~

麻姑神(薬師)が薬の調合をしている。

傍らには、瓶の中に入れられたホタル、緑の光を放ちながら、飛び回っている。

 


 ******************

~バー アンダーグラウンド~

マンウォル「月のサインがあるってことは、これは、あいつが、あんたのために作ったに違いない。これを受け取って幸せ?・・・そんなあんたにうんざりなのよ」

そう言い捨てるマンウォルの前に立つのは、1300年近く前の自分。

ただ、ぼ~っと、現在のマンウォルを見つけている。

ここ、ソル・ジウォンのバーです。

マンウォル「あの男(チョンミョン)がきたら、あんたが作った地獄の火の穴に投げ込み、あんたたち二人とも消滅させるつもりだったのに、神々の計画のために、そうすることもできなくなった。私が再び、人を愛するようになったからよ。その愛にすがって、あんたのことを無視しようとしたけど、あんたは再び、私をどん底に引きずり落とした。あんたがいる、今ここで、これをゴミ箱に捨ててやる。あんたは暴れ狂うだろうね。そうしたら、私たち、一緒に消えようか・・・」

ああ、昔のマンウォルが屍のような姿に変わってしまった。。。

簪を握りしめるマンウォル。

 

急に、立ち上がると、カーテンに仕切られたバンケットルームの前に立つ。

マンウォル「ソル・ジウォン、出てきなさい。ここに隠れているのはわかってる。死神が、お前を連れにくる途中だ」

その言葉を聞き、姿を現すソル・ジウォン。

マンウォル「いたわね。お前、独善的な悪魔から敗者になったようだね。お前に渡したいものがある」

ジウォンに、簪を見せるマンウォル。

マンウォル「これを食べな。食べて、悪鬼におなり」

さっと、つかみとるジウォン。

薄笑いを浮かべ、それを見ているマンウォル。

 

同じように、ジウォンのバーにやってきた引導使者とチャンソン。

チャンソン「つまり、彼はよく知っている場所に隠れていると・・・」

使者「暗闇に隠れているが、君の姿を見たら、自ら出てくるだろう」

 

待ち構えているマンウォルを見て、驚くチャンソン。

チャンソン「チャン・マノルさん、あなたもここにいたんですか?」

マンウォル「先に来てたわ」

周囲を見回し、ジウォンを捕まえたのか、訊ねるチャンソン。

マンウォル「私が逃がしたの。あいつに特別な贈り物を渡したから、今すぐにでも、あなたを見つけるでしょう。」

ジウォンを逃がしたとは、一体、どういうことなのか、理解できないチャンソン。

マンウォル「(使者の方を向き、)これで、あんたも、この仕事から解放されるわね。あいつは、新しく見つけた力に夢中になるかもしれないから」

チャンソン「何をしたんですか?」

マンウォル「ク・チャンソン、麻姑神が、あんたがあの男だって言ったの」

衝撃を受けるチャンソン。

マンウォル「私は、あんたを殺さなきゃならないのに、できそうもない。あまりにも愛しすぎてて・・・。だけど、この件では、あんたを守ることはしない。1000年以上もあんたを殺したいと願ってきたんだもの、もし、あんたを守ったりしたら、お笑い種でしょ。」

使者「もし、あの怨鬼が悪鬼になり、強大な力を得たら、お前もまた、消滅することになるだろう」

使者の言葉も、今のチャンソンにとっては、衝撃。

マンウォル「でしょうね」

わかっててやったのか、と、それもまた、二重の意味でもショックを受けるチャンソン。

マンウォル「あんたは、麻姑神に気に入られた人間だから、あの幽霊があんたを捕まえる前に、干渉してくるでしょう」

みすみす殺されるようなことにはならないと言ってます。

チャンソン「そして・・・あなたは、消滅する・・・」

チャンソンにとっては、そっちのほうがより重要案件。

視線を逸らすマンウォル。

マンウォル「だから、あんたを利用するしかない。これ以上、哀れな愛をなんといえばいいの?」

立ち去るマンウォルを追いかけるチャンソン。

「チャン・マノルさん、チャン・マノルさん」

すでに、マンウォルの姿はなく・・・。

 

~デルーナ~

戻ってみれば、フロントはまっくら。。

ヒョンジュンが、キャンドルに火を灯している。

チャンソン「ホテルに何があった?」

ヒョンジュン「よくわかりません。建物内の全ての灯りが消えました」

 

ロビーに上がってみると、ろうそくをともしたソンビたちが、チャンソンに近寄ってくる。

ソンビ「ク支配人、チャン社長に一体、何があったんだ?」

チャンソン「なにか誤解が生じているようです。チャン・マノルさんがどこにいるか、ご存じですか?」

ソフィ「月の木が立っている庭にいらっしゃると思いますが、ドアは塞がれています。誰も中には入れません」

ホテルを飛び出していくチャンソン。

 

~巨木の庭~

白いドレスに着替えているマンウォル。

心を決めて、消滅の時間を待っている?

 

ソフィ「とにかく、我々はまず、お客様の確認をすべきでしょう」

ソンビ「なんで、こんなめにあうのか、理解できんよ」

その時、一瞬で、ろうそくの灯が消える。

ヒョンジュンが指さした先には、麻姑神(4番目)が、庭にむかって、闊歩していく姿が・・・。

麻姑神の、かなり怒ってる様子を見て、「社長様は、一体、何をされたんでしょう?」と訝るソフィ。

 

~麻姑神シスターズの薬局~

麻姑神(薬師)が薬を煎じているところに、チャンソンが駆け込んでくる。

チャンソン「本当なんですか? 私は、本当に、チャン・マノルさんがあれほど嫌悪している男だったんですか?」

麻姑神(薬師)「オンニが、マノリに言った言葉は正確だとは思えないよ、だって、彼はまさに今、ここにいるんだから」

瓶の中のホタルに、視線を向ける麻姑神(薬師)。

生まれ変わり説、消えました!

愕然とするチャンソン。

麻姑神(薬師)「お前も、すでに以前、会ってるだろう?」

 

明洞のホテルがもぬけの殻になったときに見かけた、飛び回っていたホタルと、青白い人影。

 

チャンソン「これが、その人なんですか?」

麻姑神(薬師)「この者が、チャン・マノルの月の宿屋での最初の客だ」

なんか、いろいろなパーツが嵌りまくっているのに、全然、全容が見えてこないチャンソン。

チャンソン「チャン・マノルさんのところに連れていきます」

麻姑神(薬師)「まずは、彼女の消滅を食い止めるほうが先なのでは?チャン・マノルが悪鬼に渡したものを見つけよ。もし、悪鬼が行動を起こすと、もはや、もう二度と変えられないよ。」

 

~工事現場~

わずかな手間賃で残業を命じられ、不満が鬱積した作業員たち。

妻にひどい目にあわせ、死なせてしまった同僚に対して、口々に批判している。

 

妻を死なせたと言われた男が、一人、現場の片隅で、腰を降ろす。

彼の背後の暗闇から、「Hello」と声をかけるジウォン。

男の目が変わる。

 

ジウォンに操られた男が、灯油を入れたタンクを持って、倉庫に入ってくる。

積まれた段ボール箱に、ぶちまけようとするその時、その手を掴み、一発、殴りつけるチャンソン。

この、ノーネクタイのブラックスーツ姿も好き!


急に我にかえった男。

男「あんた、一体、何者なんだ?」

チャンソン「ここから、すぐに出たほうがいいですよ」

 そそくさと、出ていく男性。


ジウォン「やぁ、友よ。」

姿を見せるジウォン。

ジウォン「ちょっと楽しんだあとに、お前のところに行こうと思ってたんだよ。だが、お前のほうが急いでるみたいだな。どうやって、俺の居場所がわかった?」

チャンソン「お前が最近受け取った、うちのオーナーの物のおかげで、探し出せたよ」

ジウォン「ああ、これか?」

かんざしを見せるジウォン。

チャンソン「返してもらいに来たんだ。それを俺に寄越せ」

ジウォン「それで、どうするつもりだ? お前は、俺からこいつを奪う前に、死ぬっていうのに・・」

真っ向勝負になっちゃった。。。

 

~巨木の庭~

麻姑神(4番目)が、月の木の前で、マンウォルに向き合っている。

さすが、麻姑神には、バリケードは効かないね。

相当、怒ってます。。。

麻姑神「こんなふうにして、お前は、私を呼びつけたのか!」

 

~工事現場~

あ~、生身のチャンソン、いいように、ふっとばされまくり。。。

それでも、何度でも立ち上がる。

ジウォン「いやぁ~、まだ、諦めないつもりか。どれくらい、続くか見ものだな。」

チャンソン「俺は、ただ、時間を稼いでいただけさ。ちょうど時間だ。月が出て来た」

空を仰ぐと、確かに、雲に隠れていた月が、その姿を現し始めた。

チャンソン「あの女性(マンウォル)が、なぜ、お前にそれを渡したのか、わかるか? 俺はお前に、彼女が俺の守護神だと言ったよな。(それについてる)月の印が見えるだろ?月が全部、姿を見せたら、お前は消滅する運命にあるんだ」

ジウォン「バカなこと、言うな」

チャンソン「死が終わりじゃないとお前に言っただろ?俺はお前を止めようとしたが、お前は死を選んだんだ。さぁ、燃え盛る地獄の火の穴に落ちる時間だ。元気でな、ソル・ジウォン」

ジウォンが忌々し気に、簪を投げ捨てると、すぐさま、それを拾い上げるチャンソン。

チャンソンの首元を掴み、吊るしあげるジウォン。

ジウォン「だましたのか? 死ね!」

苦しみながら、「お前に嘘はついてない。お前は、本当に消滅するんだ」と答えるチャンソン。

背後を振り返ると・・・、あれ、いつもの3人組?

直符使者みたいな、黒づくめだけど???

それを見て、一息つき、安心するチャンソン。

ソフィ「私もかつては、邪悪に満ちた怨鬼だった」

ソンビ「われらが死んだ年を合わせると、770年にもなる。たった今、死んだばかりのお前のような若輩ではないのだ。よくもこんな真似ができるものだな」

睨みつけるヒョンジュン。

同時に、チャンソンに向けて、「探し物を手に入れたのなら、すぐにホテルにお戻りなさい」と指示するソフィ。

 

チャンソンがいなくなったあと、ジウォンを追い詰める3人。

逃げようとしたジウォンが振り返ると、今度は、引導使者が、ジウォンをつるし上げる。

使者「捕まえたぞ」

うん、ここまで、お膳立てされればね(笑)

ソンビ「全部、俺たちがやったんじゃないか。あんたは、ただの横取りだ」

ま、そうはいっても、ここから先は、使者のお仕事だからね。

 

~巨木の庭~

庭と称してきましたが、実は、月の木は、こういう建物に、覆われているんです。。。

てっぺんの天窓から、月の木を見下ろす構図がよく撮られてました。。。


麻姑神「お前は、怨鬼にお前自身を与え、悪鬼に変えようとしたな。それだけでも、お前を許すことはできぬ」

マンウォル「自分の心の奥底にあると思えた最も邪悪な考えを取り出し、それを怨鬼に与えた」

麻姑神「なぜ、そのようなことをした? お前は、(自分のことを)時が経つにつれて花が咲き、しおれた、悲嘆に暮れた月だとでも言うのか?」

どこか、ぼ~っとして、焦点の合わないマンウォル。

マンウォル「ただ、私を消滅させてくれればいい」

怒りをもって、マンウォルを見つめる麻姑神(4番目)。

その時、「ダメです!!」と、チャンソンが飛び込んでくる。

麻姑神に、月の簪を差し出す。

チャンソン「取り返してきました!これで、彼女が消滅しなければならない理由はなくなったはずです。お帰りください」

既に、決心しているマンウォル。

マンウォル「いいから、ただ、私を消滅して!!」

チャンソン「いいでしょう。あなたの好きにすればいい。ここまで、自分で自分を苦しめるというなら、あなたが私だと考え続けてる男になりますよ。」

月の簪をマンウォルの手に握らせる。

チャンソン「俺を殺してください!」

月の簪が、マンウォルの妄想の時と同じように、剣の形に変形する。

成り行きを見守っている麻姑神(4番目)。

チャンソン「あなたの邪魔をすることで死ななければならなくなったとしても、側にいると約束したんです。」

毅然とした口調のまま、ぶれないチャンソンに、張りつめていたマンウォルから、ふっと力が抜け、簪が地に落ちる。



チャンソン「あなたが待っていた男は、確かにここにいます。ここまで来たんです。月が血で覆われたあの日、一体、何があったのか、確かめるべきです。そうすれば、あなたの恨みを空にできるはずですから」

チャンソンの言葉に、どこか戸惑ったままのマンウォル。

 

~デルーナ~

あれ、廊下を歩いてるけど、ジウォンも、デルーナの宿泊客になったの?

ジウォン「ここが、来世なのか?」

ソフィ「あなたが出会う死後の世界は、それほど壮大なものではありません。ですが、あなたが去る前に、あなたに会いたい人たちがいます。」

ジウォン「俺に?」

ソフィ「私たちのホテルのお客様があなたを待っています。これは、お客様のための、うちの特別なサービスなんです」

ある部屋の前で、立ち止まるソフィ。

ジウォン「ずいぶん、象徴的なルームナンバーだな」

【666】 と 記された部屋。

ジウォン「ここはなんだ?地獄の入口か?」

ソフィ「中に入ってみれば、わかるでしょう」

部屋に入っていくジウォン。

ジウォンが殺害した7名の客たちが待ち構えている。

その視線の強さに圧倒されたジウォン、部屋を出ようとして、ドアを開こうとしても、既にロックされて開かない。

「あなた、私たちを殺す直前に、なんて言ったか、覚えてる?・・・・Hello、ソル・ジウォン」

ゆっくりと、ジウォンに向かって進み出る7名。

部屋の外にいるソフィに、ジウォンの叫び声が聞こえてくる。

この感じは、正直『ボイス』っぽいね。

ソフィ「ホテルの壁を防音にするべきかしら・・・」

あとは、我関せず、と言った様子で、部屋の前から立ち去るソフィ。

 

~マンウォルの執務室~

招待状を書いているマンウォルの様子を、じっと、傍らで見つめているチャンソン。

マンウォルの緊張を和らげようと、その手をそっと握りしめる。


 

★『ホテルデルーナ』14話(2)雑感★

ネガティブ思考が染み付いてるマンウォルが、物事をどんどんややこしくしてるんじゃないだろうか。

 頭を使うばかりか、身体まで張るチャンソンが、毎回毎回、うまく納めてくれるので、なんとかなってます(笑)

さすが、神に選ばれし男です。

さて、14話ラストは、大きな謎回収で、いろいろ動きます。

 

★『ホテルデルーナ』14話(3)に続く★