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■ 第12話(3)

裏口にゴミを捨てにきたウンタク、いつかの男の子が待っている。
「かめはめ波~~~」じゃないけど、ちゃんとやられたふりをしてあげるウンタク。


「おいで」
男の子の頭を撫でていると、背後に、パク・チュンホンが立っているのが見える。



「もう遅いわ。ハルモニが待ってるわ。まっすぐ家に帰りなさい」
巻き込まれないように、まず、男の子を帰すウンタク。

「また、会ったな。そこになおれ、まだ、自己紹介をしていなかったな。私は、パク・チュンホンと申す。その様子だと、どうやら、すでに私がだれなのか知っているようだな」
「知りません」
「キム・シン・・・は、自分がこの私を殺したと、お前に言わなかったか?罰を与えようと、このように彷徨っておった。私の命の価値は、それほど貴重なものだったのだ」
ふりむくウンタク。
「望みはなんですか?」
「そんなものはない。ただ、お前に興味深い話を聞かせたいだけだ。お前が私のことを知っているのなら、ワンヨのことについても、ちゃんと知るべきだろう。キム・シンの胸の剣は、ワンヨによっておかれたものだ。この悲劇的な運命は、ワンヨに始まり、ワンヨによって終わったのだ。この世でワンヨが誰に生まれ変わっているか、知っているか?」
「どうして、私がそんなことを?」
「ワンヨは今、キム・シンのすぐそばにいる」
「なにいってんの」
「お前もよく知ってるくせに。そのとおり、名前のない直符使者。あの者がワンヨだ」
衝撃をうけるウンタク。
「もし、あのふたりがこれを認識したらどうなるだろうな?キム・シンを殺すのは私ではないかもしれぬな。キム・シンの死はお前の手にあるようだから、すべてはそなたにまかせよう。おお、そう考えると、そなたは、死を制御できるのだな」
「申し訳ありませんが、私が知ってる直符使者には名前があります。キム・ウビンです」
店に入っていくウンタク。

不気味に笑うパク・チュンホン。
「私が何を望むかと訊ねたか?彼らの終焉を望んでいるのだ」

店の中にはいるなり、腰がぬけて、座り込んでしまうウンタク。

勉強していても、頭をよぎり、集中できない。
《さっさと出ていけ。俺たちはふたりで一つだ》
《嫌だね。最初に座ってたのは、俺だぞ》
いつしか、疑似家族のように仲良くなったのに。
《ワンヨは今、キム・シンの側にいる》

「ああ、おかしくなりそう」

「その他漏洩者・・・」
そのとき、死神が呼ぶ声が聞こえ、驚くウンタク。

温かい飲み物を渡すウンタク。
「いただくよ。忙しいのにすまないな」
「なにかあったんですか? こんなところにくるなんて。」

「なさけないが、ほかに話せる奴がいないんだ」
「なんのことですか? うちの社長のこと?」
「あれやこれやだ。前世で大罪をおかしたから、直符使者になったと言われた。」
「どんな罪ですか?」
「何もわからない。しかし、キム・シンと妹に関係することのような気がする。俺たちの周囲には、大罪を犯した3人の人間がいた。。敵将の頭を切り落としたキム・シン、キム・シンとその妹の死を命じたワンヨ。キム・シンと妹を墓へと導いたパク・チュンホン。だが、キム・シンはまだ、生きているし、キム・ソンはサニーさんとして転生した。つまり、それは、俺がワンヨ、もしくはパク・チュンホンだということなんじゃないか。そんなことをずっと考え続けていたんだ」
死神が導きだした話と、昨日のパク・チュンホンの話を考え合わせるウンタク。

《名前のない直符使者、あの者がワンヨだ》

「だが、どちらにせよ、俺は、とっけびの敵ってことだよな?どっちにしても、サニーさんと俺は無理だってことだよな?」

死神の問いかけに、返事ができないウンタク。

~オリーブチキン~

サニーが、店を閉めて出てきたところに、女死神が現れる。

「うわ、びっくりした。」

「申し訳ありません。驚かせてしまいましたか?」
「ええ、ちょっと。ごめんなさい、でも、もう閉店なんです」
「そうですよね。それなら、結構です。また、お会いしましょう」
手を差し出されて、ちょっとためらうサニー。


「ええ、また来ます」
サニーと手をつないだ女死神、彼女から前世を読み取る。

自分がパク・チュンホンの息のかかった女官のひとりで、毒の入った薬を王妃ソンに飲ませようとしていたこと、それを王が、王妃を罵倒する振りをして阻止していたことなどを思い出す女死神。

~サニーの自宅~
死神から電話がかかってくる。
にっこり笑うサニー。
「もしもし」
「会いませんか。今、家の前にいます」
「ちょっと、そこで待っててよ。・・・どうしちゃったのかな?」
慌てて、化粧に気合を入れるサニー(笑)

電柱によりかかって、待っている死神。
「こんなふうに会いに来るなんて、どういうつもり?家にいたから、すっぴんよ」
メイクばっちりで言われてもね(笑)

「指輪を返してもらいたかったから出てきたのよ。私たちには、まだ、そういう言い訳が残ってたでしょ」
じっと見つめたままの死神。
「どうして、そんなふうに見るの?私に会いたくて来たんじゃないの?」
「そうです。でも・・・」
「でも?」
「でも、ある人間になってしまいそうで、怖いんです。もう引き下がります」
「どうしちゃったの?」
「全部、私が間違っていたようです。この選択が正しいと信じてます」
「こんなことしないで」
「名前もなく、生きてもいない人間に、あなたは名前を聞いてくれた。ありがとうございました」
「やめてったら!」
「直符使者とのキスは、あなたの前世の記憶を思い出させます。私は、(自分が)あなたの前世にいるようで怖くてしかたがないんです。でも、いい思い出だけでも残してあげたい。あなたの兄の記憶の一部でも残っていればいいと思うんです。そして、それがキム・シンであってほしいんです」

サニーにキスする死神。

~回想~

「すでに、喪服をきているようだな。王妃の宝石箱をこれに」
宝石箱を床にぶちまけるワンヨ。
「なぜ、何も身に着けていないのだ。箱に入れておくために送ったのではないぞ。私には、何も言わないのだな。私の真の敵が、女真族なのか、そなたの兄なのかわからぬ。」
「パク・チュンホンこそが、陛下の敵です」

その答えに怒り、床に落ちた宝石の中から、翡翠の指輪を取り出すワンヨ。
「そなたの兄、女真族でさえ、殺せなかった男を、今日、私が殺すのだ」
「陛下・・・」
「そなたの兄の罪は、反逆罪だ」
むりやり、ソンの指に指輪をはめようとするワンヨ。
「この指輪をはめ、私の王妃として、奴に挨拶するがいい」

二人の姿が、現在のサニーと死神の姿になっている。

非難の目を向けるソン。
「そなたはどちらにつく気だ?一度でも、私の味方になったことがあったか?一度たりとも、私を気にかけたことはあったのか?一秒たりとも、そなたは・・・私を愛したことがあったのか」
ひどいわ~~~。

バチ~~ン!
涙を流しながら、ワンヨを平手打ちするソン。

「あいつのもとには行くな。それが お前が生きながらえる唯一のみちだ。選択しろ。私の女として生きるのか、謀反人の妹として死ぬのか・・・」

「陛下を愛する女性とは、、謀反人の妹なのです」

****

サニーから唇を離す死神。

「今のは何なの?私が見たのは何? あれはなに?」
「あれが、あなたの前世です」

「もしかして、あなたの前世に、キム・シンはいましたか?」
頷くサニー。
「もしかして、あなたの前世の一部に、私はいましたか?」
頷くサニー。

「私の目をみることができますか?輝いて、美しい思い出だけを残し、哀しく辛い思い出を忘れなさい。過去に起こったいかなることも、私に関することもすべて忘れるんです。こうして、ハッピーエンディングを迎えてほしいんです」

死神が去ってから、胸をおさえ、そのまま、泣き崩れるサニー。

****

店をあけようとして、ガラス戸にうつったシンの姿に気づく。

「また、来たんですか? なぜ、また、私の店を見てるんですか?今日は、なんですか?アクセサリー? お菓子? 靴下?」
シンがプレゼント攻撃してるっていう状況は、覚えてるみたいね。
「そのために来たわけじゃない。焼き芋代を返しに来た」
「あれは、私のおごりだって言ったでしょ。」
店の中に追いかけてくるシン。
「それで、お兄様、王は本当に私を不細工だと言ったの?」

!!
サニーは、記憶を失ってないの?

(ソンが)辛いと思わない記憶であれば、覚えてるってこと?
兄の記憶も、そして、愛するワンヨの記憶も・・・。

「たとえ、戦場にいたとしても、妹に返事をくれない兄がどこにいるのよ!」
驚くシン。
「お前・・・、本当に・・・」
「お兄様を思い出すのに、こんなに時間がかかってごめんなさい。必ず幸せになるって約束したのに、守れなかったわ。ごめんなさい」
涙を浮かべて、シンに抱き着くサニー。
「柿も、靴も絹も・・・どうもありがとう。」

900年の時を越えて、ようやく、再会を果たせた兄妹。

「これからは、もっと頻繁に私に会いにきてくださいね」
嫁入りの時の台詞もしっかり再現するサニー。

~死神の部屋~
ウンタクの死のカードを見つめる死神。
「もし、忙しくなければ、ちょっと付き合わない?」
トクファが、死神に声をかけに来ました。

碁を打ちながら、胸をおさえる死神。
「具合、悪いの?」
「いや、ただ、何かが俺を悩ましているようだ」
「また、おじさんとケンカでもしたの?」
「いや。ずっと前からだ。あの日からずっと、続いていたんだ」
「いつから?」

~回想~
涙ぐみながら、ワンヨの名前を書いているシン。

たしかに、いままでも、ときおり、胸を抑えていた死神。

「あの日って? ・・・ああ、その日なら、おじさんのせいじゃないんじゃないの?ぼくたち、そのとき、寺院にいた」

「寺院?」
「うん。おじさんは風灯をあげてた。1年に一度、そうするんだ。彼にゆかりのある人との思い出のためにやってるんだって。二文字の名前だったよ。キム・ソンと、ワンなんとか。漢字で書いてあったよ。」
考え込む死神。

「これって、もしここに置いたら、どうなるの?」
碁盤を指さすトクファ。
「困馬(コンマ)・・・」
※攻撃を仕掛けられると、簡単に取られてしまう状況

おお、韓国の碁。そもそも、碁のルールの詳細、わかりませんので、ちゃんと説明できなくてすみません。
「未生~ミセン」で、碁の用語が出てきてましたね。

 

*****

大学内を歩くウンタクのもとにやってくる幽霊オンニ。

「見えてるくせに、無視しちゃって」

無視されるのはいつものこととは言え、大声で叫んでも、教科書を落としても、反応しないウンタク。

「ふりじゃない。本当に私が見えないんだ・・・」

 こうして、気づかぬうちに、ウンタクにも変化が起きているようです。


迎えに来たシンの車に乗っても、考え事をしているウンタク。

「俺もだ」

「え?」

「お前を学校に迎えに来れて嬉しいってこと」

「・・・ああ。私も、キム・シン氏が大学に迎えに来てくれて、すっごくうれしい」

まさに、取ってつけたように取り繕うウンタクに、

「もういいよ」

「ちょっと考え事してたの。ところで、なにかいいことあったの?なんだかうれしそうだよ」

「聞くのに、時間かかりすぎじゃないか。妹が、うちのソンが俺のこと、思い出したんだ」

「ほんと? 本当に?うわ~、よかったじゃない!でも、どうやって?」

「ああ、それを聞かなかったな。そうだよな。どうやって、前世を思い出したんだろう?」

ウンタクの視線に気づくシン。

「どうかしたのか?」

「あのね・・・、一旦、車、停めてもらっていい?」

 

「怒らないで聞いてほしいんだけど・・・。これでも随分、考えたの」

パク・チュンホンに会った話をきかせるウンタク。

「なにを?」

「私、アジョシのこと、私が考えている以上に偉大な人だって信じてるんだけど。」

「なんだよ、急に」

「私、ある幽霊に会ったんだけど、どう考えても、それって、パク・チュンホンって人だと思う」

「なんで、パク・チュンホンのことを知ってるんだ?」

「悪いと思ったんだけど、死神アジョシと話しているのを立ち聞きしちゃったの。はじめはね、悪鬼だと思ったの。でも、彼が何をしたとか、そういうことまではわからないんだけど、私の周囲で起こる変なことは、彼に関連してるように思えるの。社長がアジョシのことを思い出したのも、彼のせいなんじゃないかな」

「話してくれてよかったよ。ありがとう。家まで送るから、今日は家から出るなよ。トッケビの家が一番安全だ」

「はい」

真剣な表情で頷くウンタク。

 

高層ビルの屋上から、街の周囲を見下ろすシン。

様々な音や人々の話声が聞こえてくる。

 

パク・チュンホンを見つけると、つるしあげるトッケビ。

「900年も逃げおおせていたのに。つかまるなんて、運がないな。虚しいことよ」

「気にすることはない。すぐにかたずけてやるから。だが、その前に、なぜ、900年も隠れてきたというのに、突然、俺の前に姿を現したのか、聞かせてもらおうか。」

「どれだけ年月がたっても、やはり、卑しい武臣のお前は、まったく見る目がない。側に敵をおいてやったのに。哀れに思って、教えにきてやったのだ」

「さすがに、お前の舌も、900年もたつとすっかり老人だな。まず、その舌から引き抜いてやろう。その次は、体をバラバラに引き裂いてやろう。さ、いくぞ」

妖気をおびるトッケビの剣で、袈裟懸けに切られるパク・チュンホン。

しかし、かすり傷ひとつ負わない。

「お前と同様、私も900年過ごしてきたのだ。お前の剣ごときで、傷つくはずがなかろう」

ふん、自分でも「あれ?」って思ったくせに・・・。(怒)

嘲笑を浮かべて、一瞬、消えるパク・チュンホン。

「トッケビとして、小さな神のように振舞ってきたせいで、本物の神になったと思いあがったようだな」

「どうあっても、お前を殺してやるから、心配するな」

酔っ払って座り込んでいた人間に憑依してみせ、下手に手出しするな、と牽制するパク・チュンホン。

「そんなことだから、死ぬような目にあうんだ。お前が朽ち果てながら横たわっていた20年の間に、ワンヨはすっかり成長したんだぞ」

「その名を、もう一度でも口にしたら・・・」

「お前の側にいる直符使者の出自を知っているのか?彼こそが、その剣をお前に与え、お前の心臓を突き刺した者だ。あの男こそが、ワンヨだ」

「何言ってる・・・」

「そなたのバカな妹は、再び、この世でもあの者を慕っているようだな。気の毒なことだ。お前は決して復讐などできないぞ」

 

言葉を失うシン。

巻物のソンの絵を見て、涙を流した死神。

一瞬、死神に重なった王の顔。

最後を迎えたソンの指にハマっていた翡翠の指輪について訊ねる死神。

 

パク・チュンホンが消えていった方向を睨みつけたままのシン。

 

死神を探し回るシン。

 

その頃、死神は、トクファに聞いた寺院にやってきて、位牌を見つめていました。。。

ソンと並んで、ワンヨの位牌も。。。

 

店じまいをして帰ろうとしたサニーのもとにやってきたシン。

「お前の前世に、直符使者はいたのか?直符使者を見たのか?」

唐突すぎ!

「悪いけど、お兄様。私の店でどうするつもり?いくら、前世を思い出したからって、私が、本当の金善になったと思ってるの?」

「あいつが、ワンヨだっていうのは、本当か?」

「私、帰らないと・・・」

「あいつがワンヨなのかと聞いてるだろう」

シンの剣幕に、黙ってしまうサニー。

「やはりお前は、この世でも、あのバカを守るのだな」

サニーを掴んでいた手を下ろすと、店を出ていくシン。

 

寺院の階段の上に立つ死神。

心の中で呟く。

俺なのか? 俺が本当にワンヨなのか?記憶をなくしてもなお、残った感情は、私がワンヨだったことを忘れないようにという、自分への罰だったのか?

 

宮殿を一歩一歩、王に向かって歩いた上将軍キム・シンのように、寺院の階段を下から、ゆっくりと昇りつづけるシン。

 

やはり、私の存在は、お前にも、キム・シンにとっても、悪い記憶だったようだ。

 

そのとき、テレパシーで飛び込んでくるシンの声。

 

俺の声、聞こえてるよな?お前の声も聞こえてるよ。すごくはっきりとな。

 

シンの一歩一歩をじっと待っていた死神のクビをぐっと掴むシン。

「上将軍キム・シン、陛下に拝謁仕ります」

 

★第13話に続く★

もたもたしている間に、地上波(テレビ東京系列)での放送に越されました(笑)

余裕だと思ってたのに~~~。

 

今回は、“勝手にトクファ祭り”です♪


全能神に憑依されてるトクファもいいし、おじいちゃんの死を悼む優しいトクファもいいし、自然体のトクファも全部いいです。

おじいちゃんのかわりに、銀食器磨くとか・・・もう、泣ける。

お約束でも泣ける!

こうやって、ちゃんと、家臣の末裔になっていくのね。

っていうか、ここの家系は、祖父→父は短命→孫が祖父になるまで を繰り返すのかしら。。。

 

うわ~~~、とうとう、こんなことに。。。

悲しい再会なのに、無駄に、ビジュアルが冴えるラストシーンの2人。

 

さて、次はようやく、『トッケビ』史上、最高傑作回、まさに、神回だと思っている13話です。

放映直後の大反響、忘れません!


★13話に続く★