4分割してます。

『花遊記』第16話(1)は、こちらから。

『花遊記』第16話(2)は、こちらから。

『花遊記』第16話(3)は、こちらから。


第16話(4)

 

周辺の道を散歩する悟空とソンミ。

「私はこの道を幸せに感じたことなどなかったわ。私はいつも一人でいたから。そうでなければ、子供たちから岩を投げられてた」

「今、気分はいいのか?」

「まず第一に、私の運命があなたのせいではなかった。そして、私に何が起こっても、それはあなたのせいではないってわかって、それが嬉しいの」

「じゃ、今は怖くないのか?」

「うん、少しは役に立てた人間だったとわかって、それが私に力を与えてくれるから、怖くはないわ。私が強くなっても、怖がらないでしょ、あなたみたいな人は」

「俺がいつ怖がっていないと言った?俺は、お前が危なっかしいから、いつも死にそうだ」

「私があなたの唯一の弱点だと言ったの?私は、そういうの、好きじゃない。もっと強くなって、あなたのために、これを外したいの。あなたが、これを外したあと、私が全く綺麗でなかったら、逃げちゃうでしょ。でも、少しでも可愛らしければ、私はあなたをしっかりと握って離さないから」

とにかく、一方的に守られるのではなくて、ちゃんと自立して、ちょっとは、悟空やその他の人の役にたてて、(それを後押しする力がちょっぴりあると、なお良くて)、そのうえで、更に、可愛い彼女でいたいっていうことだよね?

でも、こんなかわいいことを言ってるソンミに対して、ここに来てから、ずっと表情が硬い悟空の理由が知りたいよ~。

 

「行こう。」

「でもね、私、ハルモニは、あなたが来ることを知ってたと思うの。私が妖精様について話したとき、いつか彼は戻ってくると言ってた。」

「ハルモニが彼女と親しかったと、あの女医が言ってたよな?」

「うん。」

 

外を見ている白鷺女医。

「孫悟空、あなたにはまだ、気になることがありそうね・・・」

 

~ソンミのオフィス~

ハンジュが残っている。

「ごめんなさい。もう、家に帰ったと思ってました」

「いえ、大丈夫です。私は帰るところでした。あ、見つけたんですね?」

「何を?」

「指輪ですよ」

めざといハンジュ(笑)

「ソン室長が、返してくれたんですね、そうでしょう?」

 

「ほらね、私が彼に午前中、言ったんですよ。どんなに周囲が強硬でも、あなたは愛を持ってそれを押し進めなければなりません!って。行くぞ~~~」

なんか、わがことのように盛り上がってるハンジュが、いとおしいです(笑)

 

《行こう》

あのとき、戻してくれたのね

指輪を眺めるソンミ。

 

~保健センター~

「戻ってきましたね」

「俺が何も聞かなかったので、言いたいことがあるだろうと思って・・・」

「そのとおりです。あなたに伝えたいことがあります。あなたは三蔵の守護者だから。」

「あんたは何者だ?」

「あなたと同じく、私も、先代の三蔵を守るための守護者でした」

 

「天界は、世界の混乱が起こる前に、三蔵が現れると言っていた。

チン・ソンミが最初ではないと思ったが、他にもいたということか?」

「もうすぐ、剣が現れます。その剣で、あなたは三蔵を刺すようになるでしょう。」

「!!」

《ずっと前に、私がやったように》

 

[康大聖(カン・デソン)政治参入計画発表] 

[康大聖(カン・デソン)政治参入計画発表] 

[康大聖(カン・デソン)政治参入計画発表] 

[康大聖(カン・デソン)政治参入計画発表] 

大々的に発表される、デソンの大統領選出馬のニュース。

待ちゆく人たちが、大型ヴィジョンや、携帯などで、そのニュースに注目する。

やっぱり、世界の混乱は、デソンがらみってことのようです。

 

「世界の邪悪によって創造された巨大な悪鬼が現れます。三蔵は、彼女の人生で代償をはらうことになるでしょう。三蔵の召喚はそれで、終わります」

「それから、何が起こるんだ?」

「あなたの守護者としての仕事は、あなたに渡された剣で、悪鬼と共に三蔵を刺し殺し、世界の混乱を終わらせることです。」

 

「それが、定められた運命で、死鈴が鳴った理由ってことか・・・・。あなたが、これを言うために、私を呼んだ理由は何だ?」

「頼みがあります。あなたに剣が与えられたら、私が死ぬように私を助けてください。そうでなければ、この長い人生を、一人で耐え続けるのはあまりにも辛すぎます

さすがの悟空も、衝撃的な告白に、言葉を失う。

 

 

指輪を見続けているソンミ。

鉄扇公主の肖像画を見つめている魔王。

スリョン洞の庭で、考え込んでいる悟空。

 

 

~カン・デソン自宅~

「君のおかげで、私の気がかりだった障害は消えた。」

「私には、できることはもっとたくさんあります。」

「君にできることの中には、もしかして、王を戴冠させるために龍を呼ぶことを含まれるのか?」

「そう・・・あなたは王になりたい。それでは、まず、会う人がいます。」

「誰?」

「あなたの希望を満たすために必要な強さをもつ女性・・・彼女をあなたのものにすることです。」

アサニョが持ってる情報って、悟空や魔王以上なのね。

「それでは、私は、すぐに会う必要がありそうだ」

「あなたは、すぐに彼女に会うことになるでしょう。」

立ち上がるアサニョ。

「チョン・セラの母親を世話していると言ってましたよね」

「彼女は重病で特別な看護が必要なので、私が助けている。私は間違いを犯したため、彼女の世話をする必要があります。」

「自分が殺した女性の母親を助ける・・・あなたは確かに、邪悪な王になるでしょう。」

 

セラの母親の病室を訪れ、母親をじっと見つめるアサニョ。

「この娘の母親・・・」

 

 

テレビ局に、八戒を訪ねてきたアサニョ。

「あなたはもう私を見て幸せではありませんか?」

「オレは、お前を見て、ひどい考えを持ちたくはないんだ。お前とはもう会いたくない。」

「猪八戒様、私は彼女のお母さんのところに行って、会ってきた」

「こいつの話なんか聞くな。行こう、豚。」

オンニョンが八戒の手を取り、離れようとする。

「あなたのおかげで、私はこの少女の絶望的な願いを果たせました。ありがとうございました。」

神妙なアサニョ。

「また、俺を利用する気か?」

「はい。頼みがあります。三蔵に会わせてください」

 

 

テレビ局に現れたソンミ。

すこし 離れたところでその様子を見ている、猪八戒、オンニョン、そして、アサニョ。

「お前、本当に彼女とちょっとだけ会って話をするだけだよな?もし、危険なことだったりしたら、斉天大聖に殺されるぞ」

「よくわかってる。彼女に会うのは私ではない。」

意外なことを言い出すアサニョのほうを見る八戒とオンニョン。

「じゃ、お前は誰に彼女を会わせるつもりだ?」

冷笑するアサニョ。

 

ソンミを待ち、ベンチに座っているカン・デソン。

立ち上がり、ソンミをじっと見つめる。

視線を感じるものの、そこまで、面識のないソンミ、すれ違った瞬間、あの「世界崩壊」の映像が目の前に広がる。

 

悟空も、魔王も、みるみるうちに、雷雲が立ち込め、薄暗くなったことで、天界の様子がおかしいことに気づく。

このシーンのスンウォン氏の動き、スタイルには感服。カメラ位置がベスポジ。何度も見ちゃいました。

 

ソンミが、デソンのほうを振り返ると、客たちと一緒に立ち去る姿が目に入る。

追いかけようとしたところで、悟空に手を取られるソンミ。

 

「大丈夫か?なにかあったのか?」

「いえ、私なら大丈夫。でも、ちょっと変なの」

 

~雑貨屋~

「あ、ハルモニ、帰ってきたんだね」

「ああ、随分、長く留守をしたようだね」

「それは何?これを探して、こんなにかかったの?」

「重要な日のためのものだ」

天を見上げ、不思議そうにする孫くん。

 

~ルシファー会長室~

「今日は、天界の様子が随分、おかしいです」

「いいことじゃなさそうだな、なにかあるんだろう。」

「たとえ、天があなたをだましたとしても、早まったことをしてはだめです。魔王様は、最近、力を失ってしまわれています」

「わかっている。私は本当に弱くなってきている。私は失ったすべてのエネルギーを取り戻す必要はない。しかし、非常に簡単に、以前よりも強くなる方法がある」

「それはなに・・・」

「三蔵だ・・・。もし私が彼女を食べたら、そうなるだろう」

「でも、斉天大聖が・・・」

「きんこじをはずしてしまえばいい。私が見つけたきんこじを取り除けば、彼女を引き離すことが出来る。三蔵の側からな。」

魔王らしからぬ発言に、繭を顰めるマ秘書。

「もし彼らが、千年の間、私をだましていたら、私にできないこととは何だ?」

 

~バーで話すソンミと悟空~

「以前、私、不運な予知を見せるヒビが入った水がめが壊れた時に見たのと同じものを見たの。正直言うと、私、最近、未来のことが見えるの。」

「本当に(力が)強くなってきているようだな」

「なにかが起こりそうな気がしてならないの」

「お前に話していないことがあった。俺たちがあったあの女医・・・彼女は別の三蔵の守護者だった。俺とお前のように」

「本当に?それで、今、どうなってるの?」

「二人は・・・任務がとてもうまくいって、大きな報酬を得て神になり、いつまでも幸せに暮らしているそうだ」

悟空、なんてことを・・・!

そんな、無駄に希望を持たせるようなこと、あえて言わなくても・・・。それとも、その希望が、この先、2人を支えると思うから言うのかな。

 

「ワ~。素敵。それじゃ、私も神仙になるってこと?」

食いつくところが、やはり、ちょっと変わってるソンミ。

「神仙なることなんて、たいしたことじゃない。チャンスが来たら、お前が望んでいることはかなえてやる。彼らは、私に公式の立場を与えてくれると言ったが、桃の畑で私を閉じ込めた。あいつら、すごく幼稚なんだ」

「桃畑?ああ、あなたの人気が妖精たちの間で爆発した場所?みんなで取り合ったっていう?」

「もうそれ、忘れろ。とにかく、私たちがどのようになるかだ」

「そうね、(その2人のように)そのようになりましょう。でも、もし・・・一人が消えて、一人がずっと一人だったら、後に残っている人が悲しいと思う。すごく辛いでしょうね。残された年数が長くなればなるほど・・・。」

 

~回想~

診療所から帰ろうとしたとき、自分たちを見送っていた女医の姿を思い出すソンミ。

この人のたたずまいが、今、幸せに暮らしている、もと三蔵と守護者に見えるかな。

 

「お前は、俺と永遠に幸せに生きたいとは思わないか?」

「さぁ、どうかしら、仕事もなく、何もしてないってどうなるのかしら?」

「じゃ、沙悟浄にいって、お前のために、職を用意するように言わないとだめか?」

「いいえ、私、これでもたくさんのお金を持ってるの。あなたはただ楽しんでいればいいわ。」

「よし。楽しむだけにしよう。だけど、今のところ、我々にはやるべきことがある。勝利の精神が必要だ」

ソンミの手を取り、額に押し当て、

「俺が、怖くて、辛くて、危険になったときは、チン・ソンミの名を呼ぶだろう」

祈る悟空。

ソンミに言わず、なにか、やろうとしているのね。

「もう行くよ」

頷くソンミ。

 

ス・ボリ師のもとに、剣を運んでくる雑貨屋の女主人。

「これが、その日に使用される剣です。」

「ご苦労だった。」

「私は自分の義務を果たしたまでです。」

戻っていくハルモニ。

 

「ついに、三蔵の剣が到着しました!」

ス・ボリ師のほかにも、何人かの神仙が集まっている。

「三蔵の剣がここにあるのですか?」

「間もなく、世界の不調和が現れます。」

 

「それか?」

背後に聞こえた声に、驚いて振り返るス・ボリ師。

立っている悟空。

 

「これは・・・」

ス・ボリから、剣を取り上げる悟空。

「斉天大聖!まだ、これは、お前が持つべきものではない」

 

「どっちにしろ、俺に与えるつもりなんだろう」

「お前、知ってたのか?」

「スリョン洞に、白サギが来た」

 

「その剣は決して破壊することはできない。お前の義務のために、三蔵は犠牲になり、死ぬことになる。

斉天大聖、お前は、その剣で、それを実行するのだ!しかし、心配することはない。お前がその義務を果たす瞬間、きんこじは消えて、

お前はどんな痛みもなく三蔵を刺すことができる。その後、お前に与えられた痛ましい刑罰はすべて終わる」

なんか、口調が儀式調。

授与の儀式の代わりってことかな?

「くだらねぇ」

消え去る悟空。

 

「さて、剣が守護者に引き渡されました!」

拍手する神仙たち。

なんとなく、誤魔化した感ありあり。

呟くス・ボリ師。

「あいつは、あれを取っていって、何するつもりだ?」

 

スリョン洞で、剣を引き抜いてみる悟空。

そこに現れる女医。

「見つけたんですね。私にその剣を貸してください。約束どおりに死ぬことができます。」

長い苦しみから解放されたように、微笑みを浮かべる白鷺女医。

「あなたはきんこじをはめています。それなら・・・あなたがこの世界に、私のようにひとりだけ残ったとしても、この苦しみから逃れることができます。」

「これを身に着けているが、もし、これが消えた後、どんな痛みがあるのか、それがどれほど大きくなるか、それを推測することはできない。俺はそれをもっと恐れている。」

「私のように・・・終わらないでください。」

「俺は、絶対そんなふうにはならない」

 

剣を受けとる白鷺女医が。

「さぁ、私はこれですべて終わらせたい。」

 

剣をもち、それを高々と投げると、空中で光る剣、落ちてきた剣に貫かれる白鷺女医。

笑顔で消えていくと、剣だけがそこに残される。

やっと、愛する人のもとに行ける・・・この人にこういう顔をさせる先代の三蔵はどんな人だったのかな。

神は、ソンミに伝えさせるために、この人を残したままにしたのかな。

 

少し経ってから、剣を取りにくる悟空。

 

ス・ボリ師と話す雑貨屋の主人。

「この剣がなくなったら、三蔵は安全でしょうか?」

「おそらく。しかし、それは決して消えないだろう。」

「もし、孫悟空様があの剣を使わなければ、どうなります?」

「彼がその剣なしで、三蔵を守るならば、斉天大聖は、彼の命をかけなければならない」

 

 

スリョン洞の庭で、剣を見ている悟空、そのまま、岩の間に突き刺し、吸い込まれていく剣。

周囲の草たちが、それを隠してしまう。

 

「俺が三蔵を殺すために使用しなければならない剣、これがこの世界に戻ってくることはない」

 

★第17話に続く★

だんだん、終焉に向けてのエピソードに入ってきましたね。

 

能天気に、「サラハニカ(愛しているから)」を連発していた悟空がどっか行っちゃって、私としては寂しい限り。

♪「愛してるって言わなくなったのは、本当に愛し始めたから」って歌詞を思い出しました?(笑)

 

そうそう、今までは、悟空を五行山から解き放ってしまったために三蔵になったとされてたソンミが、なんで(悟空と会う前から)悪鬼が見えていたのか、っていう疑問がようやく解消。

アサニョの置き土産の能力が、開花し始めたというか、予知や、怒りのテレキネシスとか、本人がちょっぴり喜んでるのがなんだかなぁ(苦笑)

 

ここで、赤ちゃんの可愛らしさを全面に出してきました。

他人の子に、これだけの子煩悩ぶりを見せる魔王、周囲がどんなに忠告しても、どんどんアサニョの計略に乗って、悪魔の囁きに抗えない理由付けなんでしょうね。

 

八戒の健気さが、どんどん切なくて・・・、プジャが怪物になっていくのを、自分では止められない。それに、どこかアサニョに対しても、憎さだけじゃない複雑な感情があって・・・。

 

全体的に、今後のしんどさを予感させる回でした。17、18話も放映され、うそー、あと2話?