さてここで言う「電気羊」はもちろんロボットの羊のことではなく、経営戦略のことです。もっと言えば社長の頭の中に何があるかを”夢”見るか?ということです。
前回お話していたのは、この疑問が10年以上前からキットPMの課題になっていたということです。当時はBAの存在は知っていたものの考え方までは勉強していなかったのは前回述べたとおりです。
当時は実際にプロジェクトの現場で、PMBOKの5つのプロセスの一番最初である「立上げプロセス」を実施するにあたって、どうもうまくいかないという悩みが常にありました。
なぜなら、プロジェクトに託されるプロジェクトの目的が、どうも曖昧で明確でないことが多かったためです。よくあったのは、プロジェクトの目的を「いついつまでに、新しい販売管理システムを導入する」などと規定している場合でした。
このブログの読者であればこのプロジェクトの目的が、目的として成立しないのはよくお分かりだと思います。何かのシステムを導入するという行為は、それによって企業なり組織が抱える問題を解消したり、新しい事業を起こしたりするための手段でしかないわけです。
であれば、プロジェクトの目的は「新販売管理システムを導入することで、新規に企画してる新しいビジネスモデルによるビジネス展開を可能にする」などになるはずで、単純にシステムを導入することが目的になることはありません。
ただし例外として「ハードウェアの更新に伴い今あるシステムをそのまま新しいハードに移植する」というプロジェクトを経験したことがあります。この場合プロジェクトの目的は「○○システムを新ハードウェアの上で動かす」ということになります。ただ、普通はこのようなプロジェクトの場合、システム機能の変更や追加の要求があるので、本当に例外的に発生するものとなります。
今では多くのプロジェクトは、前掲のようなプロジェクトの目的を設定することはないかと思いますが、昔は普通に見られる現象でした。
その中で外部から入ったPMとしてプロジェクト計画を作成しようとしても、まず企業の理念と経営戦略の確認、中長期の経営戦略の把握、内外のビジネス環境の確認などプロジェクト計画のためのインプット情報を集める作業から開始せざるを得ませんでした。
そのため、痛切に感じたのはプロジェクト開始前の情報整理の必要性でした。それがPMBOKの5つのプロセスに「プレプロジェクトプロセス」をプラスした6つのプロセス理論です。
つまりBA(ビジネスアナリシス)をやりましょうということだったわけです。しかしながらそれに気が付くのは、もう少し後のことになります。この話、次回も続けていきます。