▼やはり台風は
大きな被害をもたらしましたね。皆さんの地域はいかがだったでしょうか。被災された方には心より御見舞申し上げます。
キットPMは台風の真っ只中出張していましたが、幸いにもそれほど大変な目に遭わずに済みました。高速道路の通行止で、帰りに少し時間がよけいにかかったぐらいでした。
▼前回はプロジェクトの目的を別にする
2つの会社が良好な協力関係を持つのがなぜ難しいかを分析してみました。今回は、それをどうやって解決するかを考えてみます。
▼ズバリどうしたらいいのか?
キットPMが考える方向性は2つあります。それぞれは真逆のベクトルを持つ方法論で、しかもどちらも実行は大変です。
一つは完全に利害関係を一致させることです。つまり、発注側の目的達成が受注側の目的達成に直接結びつく関係を作るということです。
そのためには、プロジェクトが所属するプログラムの目的やその源となる企業戦略について深い理解が必要となります。その理解の上、当該プロジェクトの目的を把握しそれぞれの役割を明確に認識します。
さらに、プロジェクト計画作成作業を共同で行うことが必要になります。これによりプロジェクトを1本化しその中でのお互いの役割を確実に認識することができます。また、その過程でブラックボックスになる部分と情報共有すべき部分も明確にできるようになります。
また、モチベーションを維持するために成果報酬の考えを持ち込むなど、これまでと異なる考え方も必要になります。
ただし「言うは易く行うは難し」というのはお解り頂けるかと思います。これを実行するためには、強いネゴシエーション能力とリーダーシップがPMに必要となります。かなりハードルは高いです。
※プログラム:一つの戦略に基づき実施する複数のプロジェクトの集まりのこと
▼もう一つの方法論は、
受注側が果たすべき責任を事細かに契約で規定することです。アメリカ流ですね。この場合、作業結果の判定を厳密にし、支払い(タイミングやレベル)と連動するようにします。
また、契約は正しく果たされないという前提でその内容を考え、ペナルティなどの規定を明確にすることも必要です。
逆に、契約内容を達成するために必要な発注側の作業に問題があった場合、その保証についても規定することが必要になります。逆ペナルティですね。
要するに、お互いがプロフェッショナルとしての責任と義務を果たして、正当な報酬を得るという関係をつくり上げるということになります。
▼キットPM的には
可能ならば後者の方が対応方法が明確であるという点で理想的だと思います。でもそれには幾つかの条件が必要となります。
まず、不確実性をできるだけ排除する必要があることです。当初考えた条件が変わるたびに契約内容を見直すなどということができるとは思えません。
不確実性の排除とは、リスクを見切ることです。これは過去に同等の経験を数多くやっていないとできないことです。一つでも新規の要素があると、不確実性は増していきます。
昨今、そんなプロジェクトは少なくなって不確実性は間違いなく増大しています。この対策の一つとして契約範囲を極力小さくして、契約毎の作業を段階的に積み上げることで不確実性を排除する方法があります。
この方法は結構有効で、大型プロジェクトでは多くががこのような契約になっています。デメリットは、全体の終結時点でのコストが開始時点で保証されないことです。企業の予算策定のあり方を変える必要が出てきます。
次に契約内容の法的な整合性を担保しなければなりません。また、契約内容が案件毎に違って来ますから、その都度法務部などのチェックが必要になります。つまり相応の能力(法務部門などの)とコストが掛かるということです。
つまり、テンプレートの契約書を右から左に回す日本企業の文化では、かなり難しいハンドリングが求められることになります。
▼結局
両者の良い所をうまく組み合わせて行くというのが現実的な解となります。どの部分をどれだけ多くするかというの、そのプロジェクトの性質によって異なってくると思いますが、ある程度役割と責任を明確にし、そうれぞれの役割を越える不測の事態が起きた時の、協力体制を考えておくことが重要になります。また、費用的なバッファをPMが確保することも必要です。
な~んだ。と思われた方。でも、今現在こんなことを考えて協力会社との関係を構築しているPMはそれほど多くないということも知っておいてください。
基本的に性善説に立って(というか頼って)面倒臭い事を後回にして、なぁなぁで協力関係を構築していることは多いのです。問題が発覚してから、大きな衝突を起こすより最初の段階での心の持ちようが重要です。
▼協力会社との関係として
プロジェクト立上げプロセス時に起こる問題について考えました。いかがだったでしょうか、なかなか難しい問題でした。
次回は、プロジェクト実施プロセスと監視プロセスで発生する問題管理について考えて行こうと思います。