私、キットPMはこの度の地震と津波に被災された方々に心からのお見舞いを申し上げます。また、亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りいたします。
少しでも被災された皆様のお役に立ちたい、それにはどうしたらよいかキットPMなりに考えましたが、やはり本職のノウハウのご提供が一番だと思い立ちました。被災された中小企業の皆様のために、緊急のプロジェクトの立上げやプロジェクトのリカバリを行う場合の計画立案のために、キットPMの方ハウを無償でご提供いたします。
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■昨日といい本日といい、爽やかな天気が続きます。やはり気圧が高いと気分も良いように思えます。この爽やかな日々を利用してたまってる仕事をちゃっちゃと片付けたいものです。
■さて、前回はプロジェクトとPMの権限について考えました。プロジェクトは企業にとって重要な成果を期待されている割には、その活動を支えるための環境が整っていないことが多いと思います。テンポラリな組織なので、ある意味しかたがない面もあります。
それを補完するために、PMOという常設の組織が必要になります。ある程度強い力の背景を持って、プロジェクトを支えるための様々な調整作業を行えるようにするわけですね。
プロジェクトやPM自身が、プロジェクト外に対して強い権限を持ってしまうと、逆に調整作業がうまく行かなくなるように思えますから、PMOの機能をうまく設計することはやっぱり重要です。
ということは、企業内にモダンPMを導入するならば、最初からPMOを意識した上で実行しないとまずいということになります。
■本日は予告通りにプロジェクトと協力会社の関係について考えてみたいと思います。
一般的に、ITプロジェクトマネジメントをリードしている人たちは、エンドユーザーから業務委託されたSIerの立場でプロジェクトを捉えることが多いようです。つまり、顧客から依頼された自社の案件をプロジェクト活動として成し遂げるという立場で動くわけです。また、顧客側もSIerにプロジェクトマネジメントを一任することが多々あります。
それは、SIerが業態的にプロジェクト形式での業務が当たり前でその知識や経験を多く積んでいるからだと思います。ということはプロジェクトマネジメントのリテラシーは顧客より遥かに上となるわけです。
また、それだからこそ必然的に顧客の動きをどうコントロールするか、どうリードするかという観点でプロジェクトを捉えてしまいがちになります。
これは、取りも直さず顧客とプロジェクト、もしくは顧客と(仕事を請け負っている)自社という対立の構造を意識せずに作り出しているということだと、キットPMは考えています。
なんだかへんだと思いませんか? えっ、思わない。なるほど、それは当たり前かもしれませんね。
■キットPMは「同じ目的と目標を持つプロジェクトは1つしかない」と考えています。つまり、顧客のプロジェクトとその一部を委託されたSIerのプロジェクトが別々に存在することは間違っているということです。
とは言うものの、SIerは自社の利益の最大化を考え顧客はプロジェクトコストの最小化を考えるわけですから、スタート時点でプロジェクト内で利害が対立することになります。普通、請負契約で揉めるのはこのためですね。
ではどう考えたらいいのか? それは顧客の目的を達成することがSierの利益に繋がるということを明確にすることです。んー、なんだか当たり前のように聞こえます。でも、これがなかなかできないないので、トラブルが絶えないわけですが...
■実はこの問題はなかなか上手い解決策がない厄介なものです。それは、顧客側、Sier側双方に問題があるから、というよりは問題意識がないからです。
最も大きな問題は、ゴールの設定がすれ違っていることです。例えば、SIerが顧客に言われた機能を間違いなく実装したとしても、それを顧客が利用して利益を上げられなければ、顧客の目的は達成できていないということになります。
ではこの場合SIerは自己の義務を果たしたことになるのでしょうか? 答えはある見方では果たしたことになるし、別の見方では果たしていないことになります。SIerはお金はもらえるかもしれませんが、信用は無くします。
SIerがプロジェクトマネジメントのプロであるならば、顧客の最終目的を達成することがプロの仕事であることを理解すべきですね。
■キットPMは、あくまでプロジェクトは顧客(最終利用者や最終利益享受者)のものだと考えています。もちろん、プロジェクトの構成メンバーにはそれぞれの役割と責任範囲がありますから、すべてのメンバーが同じように考え、行動しなければならいということはありません。でも、その個々の役割と責任を果たすのは、最終利用者や最終利益享受者のためであるという意識を常に持つ必要があると思っています。
要するにSIerの成果物が正しく顧客に確認され、実際に利用されることが可能という判断がされるまでは責任を果たしたことにはならないということですね。
ではどうすれば目的を共有できるのでしょうか。それは、プロジェクト憲章と計画書を共有するということです。(予算の部分を共有できるかは異論があるかもしれませんが)目的を理解し、プロジェクト体制の中での役割を明確にする。顧客とSIerが最終目的を果たすためにそれぞれの役割を果たす環境を作るということです。
うーん、理想的過ぎるでしょうか。でも志があるPMであればそういう関係を目指すべきですし、あながち不可能だというわけではないと思います。
■どちらにしろ、役割分担と契約(ペナルティを含めた)でがんじがらめにするか、健全な協力関係を結んでプロジェクトを運営するかの選択となります。
契約では全てのパターンに対応できませんし、対立構造を前提にしたプロジェクト運営には疑問を感じます。ただ、SIerにも協力する動機付けが必要ですから、成功報酬の導入など考える必要があるかもしれません。
また、これからのビジネス環境において受託作業を行うものが、何によってそのサービス品質を問われるかを考えると、SIerがより健全な協力関係を築くよう努力するのは必然だと思います。
■本日はこれまでです。次回は、プロジェクトと上位組織の関係について考えたいと思います。