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■前回まで3回に渡って、「日本の会社文化とモダンPMの対立」をお送りしましたが、このテーマはまたそのうち取り上げようと思っています。なんというか日々この問題と格闘しているわけですが、どこかで突破口(ブレークスルー)が出来ないかといつも考えています。もしかしたら永遠の課題かもしれません。
■さて、今回はもう少し根本的なところまで一旦戻るというか、確認をしてみようと思っています。さんざんモダンPMと言ってきていまさらですがモダンPMとはどういうものなんでしょうか。対比する言葉はクラシックPMとなるのでしょうか(聞いたことはないけど)。私はよく3KPMと表現しています。つまり、(個人的な)経験・根性・気合によるプロジェクトマネジメントです。
ちょっと古い統計ですが、2003年の日経コンピュータの調査によると、日本のプロジェクトの73.3%は”失敗”しているそうです。最近ではモダンPMの普及もあって、もう少し実態は完全されていると思いますが。なんと成功の確率が1/3以下ということですね。以前は米国でも似たようなもんだったらしいです。そこで、危機感をもった人たちが集まって作ったのがPMBOKなわけですね。えっ、聞いたことがない?大丈夫ぜんぜん問題ないですよ。でも、少しだけ説明しときますね。
PMBOK(ピンボックといいます)Project Management Body of Knowledge のことです。プロジェクトマネジメント知識体系ということですね。でっ、この中ではプロジェクトマネジメントとはどのような要素から成り立っていて、それらがどのようにお互いに影響しあうかを論理的にまとめてあるのです。日頃、真面目に取り組んでいるプロジェクトマネージャ経験者が、なんとなく感じていたことをちゃんと論理的な裏付けのある事柄としてまとめ上げたものです。4年に一度改訂版が出され、進化し続けています。ただし、これはモダンPMのガイドラインを示しているのであり、魔法のソリューションを提供しているわけではありません。どう理解してどう使うかは、個々のPMにまかせられています。
このPMBOKがモダンPMの始まりとなります。つまり、多くの人の経験と知見を論理的にまとめ上げたもので、個人的な思い込みや決めつけは排除されていることになります。3KPMが入り込む余地はありません。
■プロジェクトの成功率を少しでも上げたい、上げる必要がある。そのために従来の個人の力量に任せたやり方を改め、誰もが理解できる論理的な体系が必要となった。と、ここまではいいですね。ではなぜ、プロジェクトは成功しなければいけないのか?という根本的な問いかけをしてみます。
えっ今更なにを言ってるの。と思うかもしれませんが、これって当たり前のように思っていて実はちゃんと説明できないことが多いのです。
以前このブログでプロジェクトの定義を行ないました。プロジェクトとは、「定形業務ではなく、これまでにない新しい要素を持った業務を、決められた期間で実施するもの」ということでしたね。 http://ameblo.jp/hyperionsig/day-20101014.html
■従来というか今は懐かしい昭和の時代であれば、多くの会社の業務というのははある決められた作業を反復することで済ませることが可能だったのです。大量消費の時代で画一的なビジネススタイルが効率もよく、市場のニーズに合っていたということだと思います。でも90年代以降、マスマーケットのニーズを見ながら、その中の個別のニーズにも対応していかないと、物が売れないという時代になりました。さらにバブルの崩壊で、求めるもののの価格や品質に対する考え方も変わってきています。ようするに、マーケットが以前と比べ物にないくらい複雑になり、変化しやすくなっているわけですね。
とすると、決まりきった業務を淡々とこなしていても生きて行けないのははっきりしています。常に変化する状況を捉え、対応を変えていくことが企業にとっては重要になります。
そのような企業のニーズを満たすために「◯◯プロジェクト」を立ち上げて、通常と異なる視点、スピード感で新しいことを行っているわけです。この10年程を見ても社内におけるプロジェクトの数はかなり増加しているはずです。
■数が増えているだけではありません。一つ一つのプロジェクト結果が経営にもたらす影響が大きくなっています。以前であれば、失敗したプロジェクトをリカバリする時間的な余裕もあったのですが、最近では直接、利益の減少という結果をもたらすことになります。
もうお解りですね。プロジェクトの結果に対する企業の期待が以前と比べ用もないほど、大きくなっているのです。当然失敗は許されなくなっています。でも、従来の3Kプロジェクトマネジメントでは1/3は失敗するのですから、何か新しいやり方を求めるのは必然ですね。
■いかがですか?企業やビジネス環境がプロジェクトに求めるものがいかに、厳しいいものであるかご理解いただいたでしょうか。次回も引き続きこの件を掘り下げて行きたいと思います。