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■タイトルを少し変更しました。「社会」を「会社」に変えています。「社会」だとちょっと焦点が絞れなくなってしまうので。
■さて、前回はプロジェクトを開始する前に確認しないといけないことがあるということ、プロジェクト外からプロジェクトに対する影響を考慮しないといけないことの2点を例をあげて説明しました。理論だけでは成り立たない、実に人間的な側面も相手にしないとイケないこともあるわけです。
筆者はこれを、日本の企業文化とモダンPMが目指す考えとのすれ違いだと捉えています。いくらモダンPMの論理的思考が正しくて、すっきりしているとしても、実際にPMが相手にするのは企業で働く日本人なわけですから、論理だけで説明しても説得することは難しいのです。あっ、もちろんちゃんと理解して積極的に協力してくれる立派な人物もいらっしゃいますよ。でも、やはり全体から見ると少数派となるようです。
■ちょっと話しがずれますが、十数年前から様々な企業ではISOという認証制度の取得が盛んに行われるようになりました。主なものに、品質保障と環境保護があります。よく会社のホームページなどにISO9001取得とか、ISO14000取得とか見かけますね。詳しい内容はさておいて、このISOという規格もアメリカ製でして論理的な展開のみで成り立っているものです。入札条件などにこれが指定されるようになったため、急速に日本国内でも普及したのですが、いろいろと楽しいことがたくさん起きたのです。
企業ごとに目的を達成するための規則を作成して審査を受けるんですが、当然そこに論理的な矛盾があればパスしません。ですから、精緻な規則を作くろうと企業は努力します。筆者も品質保障分野で規則の作成に少し関わりました。それで一生懸命作ったのはいいのですが、運用がもの凄く大変になって、本来の業務に影響します。当然ですね、運用を想定した(ケースバイケースを想定した)規則になっていなくて、場合によってはオーバースペックな規則となっていたのです。運用の可否よりも、論理の整合性を求められた結果でした。その結果現場はどう対応したかというと、監査直前に全てのドキュメントや証拠を揃えて、つじつまを合わせることにキュウキュウとしたのです。なんだか、本末転倒ですね。
何を言いたいかというと、普段あまり論理的な感覚で仕事をしてなくても(経験と勘と根性で乗り切る)、紙に書起こすとなると細かいところにまでこだわって仕上げます。でも、実際の運用ではどうごまかすか、どうやって楽するかと一生懸命考えるのです。つまり、論理的になるのは紙の上で、実際行動は決して論理的ではないということですね。本当は、運用を視野にいれない規則なんか糞食らえ、おっと失礼!というのが私の意見ですが。まぁいくら上からこうしろと言われても、そうは簡単に動かないのです。
■PMはそうしたプロジェクトメンバーの様子や、会社文化を見て最低守らなくてはイケないことと、多少の猶予を認めることと、(このプロジェクトでは)必要がないことと、明確に区別して決め事をする必要があるということです。この内容は「プロジェクト計画書」に明記することで、プロジェクトメンバに周知します。でも必要なら、別途プレゼン資料を作成して、プロジェクト内だけでなくプロジェクト外に対して説明をし理解してもらうことは大事です。
決して手抜きと思われないようにすることが肝心です(笑 理屈としては「管理コストの適正化」となるでしょうか。
モダンPMに理解があって、しかもある程度の知識が社内に蓄積されていればかなりスムーズにマネジメントが行えると思います。でもそうでない場合、どうやって理解者を増やすかという取り組みと、現場の実力に合わせたマネジメント手法を導入することが必要です。
■もしあなたが自分の会社のプロジェクトマネジメントをされるのであれば、会社の実情はよく理解していることでしょうから、現状を踏まえつつ新しい手法を導入して結果を認めさせるという強い思いを持つ必要があるでしょう。例え誰かに嫌われてもやることをやらないと、達成すべき目的は遠のく一方です。いやはや、プロジェクトマネージャというのは大変な仕事です。
次回は、タテの管理系統とプロジェクトの管理系統の衝突について、考えていきます。ご期待ください。