実は、3話は3分割なので、これで終わりです。 

 

 

【おことわり】

こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。

ラストまでの完全ネタバレです。

なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。

誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦

いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。お願い

 

 『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~

 猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin 

 2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022

 45分×全20話 

 脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao

    演出: Xing Jian Jun

 

前記事未読の方は、こちらから

#3-1 #3-2

 

 #EP3−3

 

そうか、九相図ねぇ。

もっと、解剖学的な見地から行くのか、と思ったけど、あくまでも「絵画」という括りで見ていけば、そこに行きつくほうがドラマとしても断然面白いですね。

(もしかして、最近だと、呪術回戦とかで知ってる人もいるのかな。)

 

ん? でも、これって、小野小町の九相図に見えるんですけど?

中国のを参照するんじゃないんだ。

 

もしや、9段階を遡る気?

どうもそうらしいです。


ところどころ、というか、あまりはっきり映さないのは、当然、制作陣のモラルというものかと思われます。

 

~剖検室~

一方、ロンユエも、地中から出た頭蓋骨の土などを丁寧に落としていくなかで、

なにかに気づいたように、目を見張り、

後頭部を指で触れていく。

苦手な人のために、手元アップのキャプチャーは控えますね(笑)

 

~沈翊の部屋~

ノックの音に、「どうぞ」と返事する沈翊。

 

ロンユエでした。

手には、頭蓋骨を持ってます。

 

ロンユエ「進んでる?」

沈翊「頭蓋骨を使って、九相図のように遡ろうとしてるんだ。今、腐乱していく段階に入ってるよ」

さらっと言ってますけど、想像するだけでもしんどい。

 

ロンユエ「ねぇ、これ見てみて」

沈翊「え・・あ、本物を持ってきてくれたんだ」

ペンの手をとめる沈翊。

ロンユエ「ここ、触ってみて。ここよ・・」

指で示すロンユエ。

なんどか、指を滑らせる沈翊。

 

ロンユエ「シリアルナンバーが削り取られてるわ」

沈翊「・・・!」

驚いて、ロンユエを見る沈翊。

 

頷くロンユエ。

何も言わなくても、それだけで、二人には通じることがあるようです。

 

その時、「どうだ?」とロンユエに声をかけながら、入室してきた杜城。

 

ふふふ、最初、杜城ったら沈翊と目を合わせません(笑)

まだ、プチ冷戦(こどものケンカ)状態のつもりでいるんです。

 

ロンユエ「もうほとんど終わるわ」

 

杜城「でも・・そうは見えないけどな」

ほらね。

沈翊のデスク周辺を見て、ちょっと嫌味をかまさずにはいられない杜城。

 

沈翊「いや、もうほとんど終わったようなものだ」

 

頷きながら、ロンユエに、頭蓋骨を返す沈翊。

 

杜城「彼女の言ったことをただ、繰り返しただけじゃないか。描けたのか?

 

沈翊「描く必要がなくなったんだよ。彼女の身元は確認されたようなものだ」

補足説明するロンユエ。

ロンユエ「ここを見て。ここの部分、削り取られてる跡があるの。誰かが、紙やすりを使って、頭蓋骨のシリアルナンバーを消すために表面を削ったの」

杜城「どういう意味だ?」

 

沈翊「美術系の学校などで、学術研究の目的で使用する場合、本物の人間の頭蓋骨が提供されるんだ。寄贈されたそれらには全て、特殊なインクで書かれたシリアルナンバーが付与されてる。完全に削除するためには、かなり強く研磨する必要がある。つまり、これは、学術目的のために寄与された頭蓋骨ということになり、出自の痕跡を辿るのはそう難しくない」

 

杜城「本当か?」

ロンユエに確認する杜城。

 

頷くロンユエ。

ロンユエ「医大で学術目的で使われる頭蓋骨も同じよ」

沈翊「まずは、高校の美術室を調査してみればいい」

 

~高校の美術室~

 

なんとも、おあつらえ向きに、生徒たちが頭蓋骨を描いてるなか、杜城をはじめ、警察が入ってくる。

 

小声で、「警察だ・・」と色めきたつ生徒たち。当然、敷地内から白骨遺体が発見されたことも大ニュースでしょうからね。

 

中央の台に置かれた頭蓋骨を観察するロンユエと沈翊。

 

沈翊「前頭骨は丸みを帯びていて、眉骨はなだらかだ。典型的な女性の頭蓋骨の特徴だ」

ロンユエ「まだ親知らずはないようだから、おそらく、ティーンエイジャーの少女でしょう」

頷く沈翊。

 

メジャーでサイズを計っていくロンユエ。

 

その時、部屋に掛けられた、学生が描いたと思われる画を順番に見ていく沈翊。

 

ロンユエ「頭蓋骨の長さと周囲を基に推測すると、おそらく身長は169センチから172センチくらいの間ね。表面はなめらかだし、体型はやせ型。この頭蓋骨には、シリアルナンバーがないわ。これは、正規の教材じゃないわね

ほぼ、工事中に発見された白骨遺体と特徴が一致します。

 

生徒1「あの・・なにしてるんですか?」

生徒2「そうだよ。なんで、今使ってる教材を取り上げるんですか?」

 

杜城「これは、実際の人間の頭蓋骨だぞ」

 

生徒3「それは知ってます。よく、それを使って描いてますから」

生徒4「すみませんが、どいてくれませんか? これを描き上げないといけないんです」

事態をわかってない生徒たちが文句を言い始めた時、ようやく、教師登場。

教師「いいわ、授業はおしまいよ」

 

静かに、教室を出ていく生徒たち。

 

教師「私が、第七高校(高級中学)の美術教師です。」

なかなかの別嬪さんです。

名前は、チュー・ランシン(瞿藍心)

 

藍心「教務から聞いています。みなさんの捜査のお手伝いをさせていただきます」

 

杜城「この頭蓋骨について、なにかご存じですか?」

藍心「この頭蓋骨は、医大から特別に寄贈されたものです。10年ほど前から、学生たちは写生の練習用にずっと使い続けてますね」

 

沈翊「でも、あなたは、この骸骨には、シリアルナンバーがないことには注意を払われなかったんですか?」

藍心「私自身は4年ほど前に、こちらの学校に赴任してきたので、詳しいことはわかりませんが、骸骨の身体にシリアルナンバーがあったので、てっきり、この頭蓋骨もその一部だと思っていました・・・」

表情を硬くしながら、説明する藍心。

 

ロンユエ「頭蓋骨の持ち主の身分を特定するために、これは押収します」

 

美術室を出てきた一行。

藍心「本当に、頭蓋骨を使って、生前の様子を描くことが出来るのですか?」

沈翊「肖像画は、古代では、今でいう写真として認知されてました。彼女が何者であったのかを世間に知らせてあげないと・・・」

 

藍心「絵が出来たら、彼女がどんな人なのか、私も見てみたいです」

 

小さく頷く沈翊。

 

 

~北江分局 モニタールーム~

 

ハン「あの頭蓋骨と(地中から発見された)骸骨が同一人物のものだと確認されました。次は、この頭蓋骨の幅や長さ、高さなどをシステムに入力していきます。 そうすると、AIが、自動的に生前の人物像をシミュレーションしてくれるんです」

杜城相手に、システムの説明をしてます。

 

全てのデータを入れ終えたあと、ポン、と最後にエンターを押すハンちゃん。

 

結構、読み込みにしばらく時間がかかってます。

 

見ながら、うんうん、と感心したように頷いてる杜城。

もしかして、杜城ったら、このハイテク技術を使えば、沈翊なんかの出る幕ないもんね、とか思っちゃってる?(笑)


杜城「沈翊より、早くできるんじゃないか」

 

じ~っと、頬杖を突きながら、杜城を見るハン。

ハン:今にわかりますよ・・・

 

~沈翊の部屋~

 

ええ、きちんと向き合ってるんで、時間かかってますが、なにか?

 

じっくりと回転させながら、少女の頭蓋骨を眺めている沈翊。

 

沈翊「君は誰なんだ?」

この沈翊の慈愛に満ちた、それでいて、絶対に見つけ出してあげたい、という確固たる意志を持った眼差しフィルターが、コンピューターによって数値化される日がくるんだろうか。

 

~モニタールーム~

一方、待ちくたびれて、うたた寝状態の杜城。

 

チチチチ・・・と鳴っていた音が止みました。

ハン「城隊、終わりました!」

 

眠い目をこすりながら、画面を見ると・・・

 

杜城「こ、これは・・なんだ?」

 

とっても、言いにくそうなハンちゃん。

ハン「AI(Artificial intelligence)によって復元された似顔絵です・・・これでも修復度としては、かなり精度高いんですよ

 

これがか?と指さす杜城。

 

のっぺりとした、人の顔とは言い難い、(だいぶこなれてきた頃の3D画像のような)白い物体がそこにいました。

 

杜城「もういい・・なんか不気味に見えてくる」

※これもある種の不気味の谷?

 

頭をかかえる杜城。

 

~杜城の部屋~

コンコンとノックの音とともに、入室してきたフォンとハン。

 

フォン「これが、ここ10年ほど、この街で失踪した人たちの顔写真です。25歳以下の女性をピックアップしました。」

 

どんどん、見ていく杜城。

結構、いますね。

 

フォン「沈翊が描けるとは思いませんけどね、容疑者が自首してくるほうが先かもしれませんね」

まだ、そんなこと言ってる!

杜城「・・・・・」

 

ハン「そんなことないですよ」

ハンは、沈翊の味方おねがい

 

杜城「彼女たちの個人情報だけでなく、これらの顔写真も覚えろ。俺たちは、俺たちの手で事件を解決しなきゃならないんだ」

フォン「了解です」

 

杜城「あ・・これのコピーを、沈翊にも渡しておけ」

フォン「なんで、そんなことを?」

杜城「公平を期すためだ。さもないと、俺がイジメてるみたいにとるかもしれん」

そっぽ向きながら、そんなふうに言ってますけど(笑)、実際、警察がお金かけて開発したシステムですら、あのレベルしか再現できないってことを知ってしまった今、沈翊に課した仕事がどれだけハイレベルな要求なのかを思えば、そりゃ、手心を加えてやりたくなるのが人情です。

 

杜城、ひけらかしませんが、基本、優しいんです。

 

ハン「わかりました♥ 城隊!」

 

現金な調子で足取り軽く出ていくハンを見て、余計に、面白くないフォン。

フォン「あいつ、俺らサイドじゃないんですか・・・」

 

そんなことまで、俺は知らん・・・な杜城。

 

~沈翊の部屋~

 

頭蓋骨を触りながら、イメトレ?

 

まるで、本当の人間の皮膚に触れているかのように、皮膚や肉がついた状態を想像しながら、顔の感じを指で見ていってるようです。

 

それから、別に用意した頭蓋骨の模型(?)に、細かな点を打っていく沈翊。

 

ノックの音は、ハンね。

 

沈翊「どうぞ」

 

ハン「どんな感じですか?沈先生?」

 

沈翊「ちょうど、骨点を打っているところだよ」

骨点については、ハンも先日学んだので、理解が早いと思いきや、「はぁ・・・」とスルー(笑)

 

ハン「あ、これ、杜城隊長のチームが、ここ10年くらいの間の25歳以下の失踪女性の顔写真をまとめたんです」

沈翊「ありがとう。でもまだ、それを見ることはできないんだ」

ハン「どうして? 実際の写真を見た方が簡単なんじゃないんですか?」

沈翊「もちろん、この(本人の)頭蓋骨がなければ、自分ひとりの想像だけでは思い描けなかったよ。でも今は、それが手元にあるからね、軟組織の厚さを計測したり、筋肉の動きを判断できるんだ。それを写真によって、影響されてしまうのが怖いんだよ。もう、彼女の顔付きがどんなだったのか、想像は出来てるんだ」

 

ハン「沈先生、すごすぎます」

素直に受け止めるハンちゃんもいい子だなぁ照れ

 

ハン「じゃ、もう行きますね。がんばってくださいね!」

沈翊「ありがとう」

 

いそいそと、顔写真を持ち帰るハン。

 

その後、骨点とは別に、熱を加えて柔らかくした粘土で、肉付けをしていく沈翊。

 

出来上がった頭部を見ながら、

 

今度はそれを似顔絵に起こしていく。

 

 

複顔して終わりじゃないのよ、わかる? AI?

 

精も根も尽き果てかけた時に、

 

杜城が、ぶっきらぼうに入ってきました。

杜城「描けたのか?」

くくく、結局、沈翊ならきっと描きあげるって信じてて、今か今かと待ってんじゃん(笑)

 

なにも答えず、席から立ち上がる沈翊。

 

すぐさま、沈翊のデスクにきて、その似顔絵を確認する杜城。

 

杜城の脳内には、昼間、見た失踪者の写真や個人情報が、既にインプットされてました。← フォンにも命じたとおり、刑事は刑事で、犯人なり関係者の情報を脳内データベース化する能力、鍛えられてるもんね。

 

杜城「任暁玄(レンシャオシュエン)だ・・」

 

逆に、沈翊のほうが、え?とびっくりしてる。

 

ここは本来、『プロフェッショナル~仕事の流儀~』の曲であるべきなのかもしれませんが(笑)、今、私の脳内に流れてるのは、『新プロジェクトX』の主題歌でもある「新 地上の星」(かぜのなかのすばる〜♪)です(笑)

 

~北江分局 刑警隊~

捜査会議ふたたび。

 

フォン「任暁玄、1996年7月9日北江市生まれ。失踪当時、15歳。2010年9月、北江第七高校に転校してきたが、2011年6月に彼女は再び転校。彼女の母親梁俊秋によって、失踪の届け出が出されたのが2011年6月24日の夜、鑑識の結論からみても、彼女が2011年6月時点で殺害された可能性が高いそうです」

 

杜城「つまり、彼女は失踪した時点で死亡したかもしれないということか」

フォン「そうです。さらに、当時の警察は、彼女が6歳の時に両親が離婚していること、それ以来、母親と暮らしていたことを把握しています。内向的な性格で、友達も少なく、彼女の級友も教師も、彼女のことを繊細すぎて付き合いづらい生徒として記憶していたようです」

 

イェン予審官「これは複雑な事件だな。思春期の子というものは、本来、みなどこか繊細になるもので、ましてや、ひとり親家庭となればなおさらだろう。孤独な性格になりやすい傾向にあり、社会的な輪に属していなければ、有効な手掛かりを得るのはさらにむつかしい。さらに、すでに、何年も経っている。彼女を知る人の中には、もうここを離れている者もいるかもしれないし、外国にいってしまっているかもしれない。この捜査は、範囲が広すぎるよ」

 

いきなり立ち上がる沈翊。

 

杜城「おい、どこに行くつもりだ?」

 

沈翊「学校に行って、心当たりのありそうな人を探してみるよ」

じっとしてられないって感じです。

 

杜城「・・・・」

 

かまわず、ずんずん、行ってしまう沈翊。

 

フォン「組織化も規律もあったもんじゃない」

なんだよ、あれじゃ、ただの自分勝手だ、と指さしてます。

 

イェン予審官「し~~! 沈くんは芸術専攻なんだよ。彼のような芸術家には、個性的な人間が多いんだ」

 

杜城「事件は、個性だけじゃ解決できませんよ。彼が専門家だというなら、俺たちに、使える情報とやらを提供してくれないと・・・」

まったく、余計な嫌味は相変わらずだけど、既に、

沈翊が、画だけでなく、通常の捜査では得られない突破口を見つけ出すセンスがあることも認め始めちゃってるのが丸わかり(笑)

 

 

~第七高校~

 

外を見渡せる廊下から、学校の敷地を見渡してる沈翊。

思ったより、自然豊かなところでした。

 

先日会った美術教師の藍心を待っていたようです。

美術書を持ち歩かせてる設定なのか、「真珠の首飾りの少女」が目立ってますね。

これもまた「錯覚」であると?

 

藍心「こんなに早く絵を仕上げられるなんて、思ってもみませんでした」

 

微笑みながら、暁玄の似顔絵を渡す沈翊。

 

藍心「任暁玄・・・?」

絵を見るなり、すぐに、名を呟く藍心。

 

沈翊「知ってるの?」

 

藍心「ええ」

 

沈翊「でも、君は最近この学校に赴任してきたと言ってたよね」

藍心「私も、この第七高校の卒業生なんです。当時は、二人とも、同じ美術クラスにいました。3年生の時、彼女がここに転校してきたんです」

 

廊下を歩きながら、話をすすめていく沈翊と藍心。

沈翊「先日、来た時にも、この机の天板、見ましたよ。すごく興味深かった」

藍心「これは、自分たちが使ってる机の天板なんです。美術コースの生徒は、こうやって、机に絵を描いたり、掘ったりするのが好きなんです。何年分もありますよ。私がここで働くようになってから、これらの文字や絵を見て興味深く思えました。処分するのは残念で、それで集め始め、ここに文化の壁として作ったんです。この廊下には、約10数年分のうちの学校の歴史を表してるんですよ。」

 

少し、近寄ってみる沈翊。

沈翊「それなら、あなたの机もあるんですか? どれだろう?」

藍心「私、これでも優等生だったんです。私の机はキレイだったので、ここにはありませんよ」

 

沈翊「そうですか。・・・任暁玄については、どんなふうに思いますか?」

藍心「う~ん、彼女は痩せていて、もの静かでした」

 

~任暁玄の自宅~

 

フォン「任暁玄はここに住んでたようです。彼女の母は、5年ほど前に再婚して、子供が一人います」

フォンの説明を聞きながら、裏路地の階段をのぼってきた杜城。

 

ノックをすると、小さな子がドアを開ける。

この子が再婚してから生まれた子ね。

 

母親「どなた?」

いきなり、二人連れの男性を見て、「あなた方は・・・」と戸惑う母親。

 

杜城「我々は、北江分局の刑警隊から来ました」

同時に、フォンが、警察の身分証を見せる。

杜城「任暁玄のお母さんですよね?」

 

家の中に通された杜城とフォン。

 

刑事としては、こんなふうに、遺された家族に辛い報告をするのがやりきれないんでしょうね。

 

母親「あの子は・・どこにいたんですか?」

緊張し、声が震えている母親。

 

杜城「北江第七高校です。埋められていました」

 

それを聞いても、どこか心虚ろな様子の母親。

母親「10年経ちました。そんなに近くにいたんですね・・・」

 

フォン「任暁玄は、その時、学校を頻繁に変わってますね。なにか、問題でもあったんですか?」

 

母親「あの子は、すこし過敏な子供でした。彼女と仲良くやっていくのは簡単じゃありません。それが、あの子が(ひとつの)学校に長くいられなかった理由です」

 

杜城「失踪する前に、なにか変わったことはありませんでしたか?」

 

母親「よく覚えてません。あの子は、いつだって、自分の中に閉じこもってしまって・・・あの子がなにを考えているのか、よくわからないんです。あの子の父親と離婚して以来、私とはめったに話をしなくなりました。」

 

まるで、任暁玄が存在しないかのような、今の夫と子供の三人で映っている写真が壁に掛けられている。

でも、どこか、家の中は雑然としていて、なにもなかったように暮らしているふうでもない。

 

母親「あの子が私を嫌っていたのは知ってました」

 

杜城「当時、彼女が使っていた学校用具など、保管していますか?」

 

部屋の一画に、段ボールに詰められて、積み上げられているのを発見。

美術コース専攻だけあって、絵もたくさん出てきました。

 

杜城「北江分局に持ち帰るぞ」

フォン「はい」

 

2人がそんな会話をしていると、ようやくリビングの方から、母親が泣き崩れる声が聞こえてくる。

本当に実感がわくのは、少し経ってから・・・というのは、理解できる気がします。

 

ここで 3話終了です。

 

★『猟罪図鑑』Ep.03-3 雑感★ 

 

九相図から書き起こす・・・なんていうことにならずに、本当にほっとしました。

 

しかし、時代は、2025年。

基本、頭蓋骨の実物が手元にあるのなら、昔ながらの復元法もあれば、流行りのデジタル復元とかいろいろあるので、沈翊にさせるのはちょっと無理があるかな、と思っていましたけど、さすが沈翊。

さらなる上をいってましたね。

 

おそらく、AIが作った不気味な顔については、例えるなら、メイクアップのようにパーツを際立たせるひと手間くらいから試してみるといいんじゃないかな、と思いますが、技術面でも課題は多く、先は長そうです。

なにしろ、人間に近いけれど人間ではないものを見た時、人間の眼は、脳内で好感とは真逆の、違和感・恐怖感・嫌悪感・薄気味悪さ (uncanny) といった負の要素に強く反応してしまうらしいので。。

 

人間が描く画っていうのは、おそらく、その負の要素をできるだけ排除しながら表現できてるってことなのかな。

 

あ・・・わりと最初から、藍心の怪しさを前面に出している感じですが、一応、さらにひとひねりあること、そして、青春の苦さ、など諸々、4話に託されました。


★『猟罪図鑑』Ep.04-1に続く★