先を続けます。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、（英語ができないくせに）果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい！」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ＆上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
『猟罪図鑑 ～見えない肖像画～』
猎罪图鉴（獵罪圖鑑） ／ Under the Skin
2022年（中国）3/6～ 3/16, 2022
45分×全20話
脚本： Jia Dong Yan、 Wu Yao
演出： Xing Jian Jun
前記事未読の方は、こちらから
＃EP2−2
～刑警隊 モニタールーム～
杜城がビデオのCDを入れ替え、沈翊が似顔絵を描く。
初の二人きりの共同作業です（笑）
沈翊が似顔絵を描いている間、特になにもすることのない杜城、半分、不貞腐れたように隣で座っているのみ。
そんな杜城の様子を気にする沈翊。
沈翊「似顔絵が終わったら、あの部屋、使ってもいいか？」
杜城「集中しろ。無駄口を叩くな」
ふふっと微笑む沈翊。
可愛い・・・🍀
もちろん、鉛筆を動かす手は止めません。
杜城「あんた、一体、何を描いているんだ？ ただ、テキトーに鉛筆を動かしてるだけだろ。手抜きしやがって・・」
はっきりと顔すらわからない程度のラフスケッチを見て、小馬鹿にする杜城。
沈翊「そのとおり・・なにせ、82人分もあるんだ。全て、全力をかける必要なんてないのさ。彼らの恐怖感や絶望を描写するだけでいいんだ。」
朦朧とした意識のなかで、必死に手で拒絶していたビデオの中の女性の姿を思い浮かべる沈翊。
沈翊「霊長類の中で、人間の白目が一番大きいって知ってるか？」
杜城「それがどうした？」
沈翊「人間は、まず白目を通じて、感情を表すんだ。どれだけ恐怖、怒り、悲しみを感じていたのか、その白目の大小を見ればわかる。俺は、ただ、似たような顔を捉えようとしてるのではなく、彼らの異なる感情を読み取ろうとしているんだ」
これを聞いた時の杜城の表情は映されませんでしたが、おそらく、刑事の自分にはない視点というものを改めて意識したんじゃないのかな。
それに、素人目にはわからなくても、何事においても、プロならではの“絞るべきポイント”があることは、杜城自身もわかってるはずだから。
実際、杜城も、沈翊の非凡さには気づいてるんだと思う。← それほど引っ張らずに、早め早めに展開していくのもいいものだよね。
～沈翊の部屋（仮） 元406～
ビデオを見ながら描いたラフスケッチをもとに、誰がみても顔が認識できるように、ディティール線を付け足していく沈翊。
部屋中に散らばったスケッチ、スケッチ、スケッチ・・・
そして、夜が明け・・・皆が出勤してくる頃には、廊下一面に、ビデオの女性たちの整形前（元の顔）の似顔絵が、貼り巡らされている。
それを見て、息を飲むフォンとハン。
フォン「個展でも開く気かよ？」
時々、表現が独特なんだよねぇ。わるい奴じゃないんだけどねぇ。
ハン「沈先生って、すごすぎる・・・」
またしても、え・・と、ハンを見るフォン。
ハン「一晩で、こんなにたくさん描きあげたのね・・」
その時、後ろを通りかかった杜城。
杜城「合ってるかどうか、わからんぞ」
またしても、嫌味を一発ぶちかまします。
その時、部屋から、けだるそうに出てきた沈翊。
沈翊「医療カルテと、これらを見比べてみれば、一目瞭然だろ・・」
自信がなかったら言えませんよ、こんなこと。
フォン「たしかに・・・」
沈翊「そういう仕事は君たちにまかせるよ、城隊長」
杜城の嫌味など、どこ吹く風で、余裕のよっちゃんな沈翊（笑）
フォンやハンを見て、「いい知らせを待ってるよ、ちょっと朝飯食べてくる」と言い終えると、刑警隊のフロアから消える沈翊。
ハン「か～～っこいい！！」
フォン「（ハンに小声で）こら、やめろ・・」
なんでですか、と文句を言いたげなハン、フォンの腕をペチっと叩いてる（笑）
あれ、この二人って同期なの？
てっきり、フォンが先輩なのかと思ってたんだけど。
一応、苦虫をかみつぶして沈翊の後ろ姿を睨んでる杜城が前にいるから、下僕（しもべ）の本能で注意したまでにすぎないんですけどね。
これはね、苦虫を噛み潰してるんじゃなくて
どうせ、９割以上は合っているんだろうと、内心ではわかってる人の顔よ。
認めざるを得ないから、押し黙るしかないのよ。
～沈翊の部屋（仮）～
頭蓋骨の模型を並べなおしている沈翊。
女性が案内されて、聴取室にむかっていくのに気づき、
そっとあとについていく。
沈翊が描いた似顔絵との照合により浮かび上がった、ビデオ映像が無かった５名の参考人たちが呼ばれてきたようです。
女性「私はずっと忙しいのよ、あんな男に会いにいく時間なんてあると思う？」
いかにも、やり手の女実業家で、お金持ちのマダムって感じです。
隣のモニタールームで、女性と予審官とのやりとりを見ている杜城。
女性１「あの日は・・そう、土地を確認するために朝から郊外に出掛けていたわ。それから、新エネルギーのバッテリーの入札会に出席するために、午後には、飛行機で街に向かったのよ。私のスケジュールなら、全部、秘書が把握してるから、確認してみればいいわ」
扉の小窓から見える女性の似顔絵を描き始めてる沈翊。
そうか、ビデオになかったから、彼女の顔を描くのははじめてなのね。
次の女性。
女性２「25日の日は病院にいたけど・・・医者に聞いてみればいいわ。・・・もしかして、私のこと、疑ってるの？」
身を乗り出す女性。
さも、ありえない、とばかりに、あはは、と大声で笑い出す女性。
ちょっと予想外に気が強そうな女性が続くなぁ。
女性３「私、毎日、10時間以上、ファンと交流するためにライブ配信してるの。一体、どうやって、外出なんて出来ると思います？ もし、私の言うことが信じられないのなら、ライブ配信を確認してみればいいわ。どうぞ、お気軽に私のチャンネルの登録してみてね」
あまりの屈託のなさに、話を聞きながら、頭を抱える杜城。
女性４「あの晩は、家でデザインに取り掛かってました。寝たのは夜更けです。一人暮らしなんですけど、どうやってそれを証明したらいいでしょうか？ 監視カメラの映像とかはいかがですか？」
呼ばれた女性たちは、本当に千差万別。
問題の、盗撮されていたビデオの件に関しても、それぞれ反応が違います。
女性２「もし、私が彼を殺せるとしたら、どうして、自分の手で、こんなことする必要ありますか？」
手首の傷を見せる女性２。
自殺を図ったと訴えてます。
女性１「あの私が映ってるビデオ、買い取るわ。値段はいくらでも構わないわよ」
女性３「私たち、もういい大人でしょ。お互い、そのつもりだったのに（なにが問題なの？）」
女性４「すみません、もうその話はしないでいただけませんか？」
彼女たちの話をじっと聞いている杜城。
ドアの隙間から、彼女たちの様子を見て、黙々と鉛筆を走らせる沈翊。
～杜城の部屋～
疲れた様子で、部屋に入ってくる杜城とフォンと・・ハン。
フォン「なんとか彼女たちを特定できましたけど、みんなアリバイがあります」
杜城「最後の一人が来るのはいつだ？」
そう、ひとり足りなかった。
ハン「最後の一人は、范若瑄（ハン・ロウシャン）さんで、日中に来ることを拒否してます」
杜城「・・・・・？」
カルテを見る杜城。
その理由は、夜、暗くなってきて、署に訪れた彼女の様子で、はっきりします。
黒い帽子を目深にかぶり、黒いマスクで、顔のほとんどが覆われている。
取り調べは、イェン予審官のお仕事です。
予審官「やぁ」
軽く挨拶する予審官。
ちゃんと、取り調べの前には、お茶飲んでますね。
予審官「悪いけど、マスクを取ってくれるかな？」
范若瑄「どうしても取らないとだめですか？」
首を振り、拒否する予審官。
意を決して、マスクを取った彼女の顔は・・鼻や顎が損傷し、大きく歪んでいました。
驚いて、沈翊が描いた似顔絵を確認するフォン。
フォン「彼女の顔・・・マスクをつけていたにも関わらず、このスケッチのとおりだ。沈翊・・すごいんだな」
さすがに、感嘆の声をあげるフォン。
フォンの手から、似顔絵の紙をひったくる杜城。
～回想 ７年前～
杜城：あんた、絵が上手いんだろ。その女の顔くらい描いてくれよ
沈翊：描けないんだ
真剣な眼差しで訴えていた沈翊の顔を思い出し、考え込む杜城。
ほとんど、マスクで隠れてなにも見えてなかった防犯カメラの映像からですら、これだけ的確に、見えていなかった顔の歪みまで再現できるのに、なぜ、あの時の沈翊は、直接会った女の顔が描けないと訴えたのか・・
相当、混乱しまくってるよね。
范若瑄の事情聴取が始まりました。
予審官「数日前、君は、梁毅に会いに行ったね？」
范若瑄「・・・・・」
無言のままの若瑄、言い変える予審官。
予審官「君も知っておくべきだね、我々が理由もなく、ここへ君を呼ぶことがないとを・・・」
確かに、この言葉は効果的で、素直に「梁毅院長のところに行きました」と話し始める若瑄。
～若瑄の回想～
5階の自宅スペースに訊ねてきた若瑄。
個人的に、エレベーターのアクセスカードを渡されている人だったってこと？
ワインを飲みながら、本を読んでいる梁毅。
ちなみに、隠し部屋は、梁毅の向こう側の壁の裏側あたりになります。
若瑄「人民病院の周医師が言うには、あなたが使用したインプラント材は臨床試験されていないそうですね。私の顔は、あなたにとって、ただの実権台だったの？」
梁毅「それで？」
読み物を伏せる梁毅。
全く動じる気配なし。
若瑄「周先生は、再建手術を行うことができると言ってくれたの、でも、あなたには、その費用を負担してもらいます。」
その言葉を聞いて、豹変する梁毅。
自分に歯向かわれると、カッとなるスイッチが入るのね。
若瑄の叫び声が響く中、大きな姿見の前に、若瑄をひきずってくる梁毅。
「そんな金が、なんになる？」と言いながら、若瑄のマスクを乱暴に取り去る。
梁毅「ほら見ろ！お前の顔はこれ以上、どうにもならないんだよ。誰にも救うことなんてできないのさ」
完全に開き直ってる梁毅。
若瑄「訴えてやる・・訴えてやるんだから！」
またしても、力ずくで、例の隠し部屋に連れてこられた若瑄。
大画面に、意識なく、目をつぶっている若瑄のビデオ映像が映し出される。
それを見て、絶叫し、泣き崩れる若瑄。
辛さをこらえて、そこまでを話し終えた若瑄。
予審官「つまり、君は、ビデオを撮られていたことを知らなかったってことなのか？」
今の話からすると、そういうことになります。
なんと言えばいいのか、少し躊躇してみせる若瑄。
予審官「彼は一体、いつ・・・その・・ビデオを撮影したのかね？」
～若瑄の回想～
若瑄＜最初の鼻の手術を受ける前でした。カウンセリング後、梁毅は病院のビルの最上階にある自宅に、私を連れていきました。＞
若瑄＜断れなくて、つい、梁毅と一緒にワインを飲んだんです＞
急激に睡魔に襲われた若瑄。
わざとらしく、「大丈夫かい？」なんて、声をかけたりしてるけど、薬を盛られたんだね。
若瑄「終わったあと、彼は謝罪してきました。私のことが好きすぎるせいでやってしまった、と言ってました。 償いのためだから、どんな手術であっても、何度でも、・・と言って、無料での手術をすすめてきたんです」
～モニタールーム～
フォン「梁毅から脅迫され、そのあげく、彼を殺した・・ってことなんでしょうか？ 城隊長？」
無言で、口を押える杜城。
集中して考えてるのね。
～聴取室～
予審官「それによって、君は、整形手術にハマり、梁毅のもとに通い続けた」
若瑄「違います！」
終始、気弱そうにオドオドとした態度だった若瑄が、はっきりと否定してみせる。
若瑄「あの人が、毎回、私に手術するよう、説得してきたんです」
～若瑄の回想～
若瑄＜ちょっとした手術だけで、もっと可愛く、もっと完璧になれるって言われました＞
最初の、鼻周辺の美容整形手術が行われる。
若瑄＜最初は、確かに、可愛くなりたい
気持ちもあって（手術を）受けることにしたんです。でも、梁毅は、私の顔を完全に台無しにしたんです＞
ガーゼを外して、鏡に映った自分を見て、ショックを受ける若瑄。
若瑄＜それからはずっと、もとに戻すための再建手術を受け続けていただけなんです。それも、これ以上、もう治すことができなくなるところまで・・＞
絶望に目を伏せる若瑄。
その時のことを思い出し、涙を流す若瑄。
ちらりと、隣にいる女性警察官を見るイェン予審官。
女性警察官がそっと、ティッシュを渡してあげる。
若瑄「ありがとうございます。・・・梁毅は、あのビデオを撮影した時から、これを企んでいたんだと思います。私の人生をメチャクチャにしたかったんです。」
感情的になりはじめた若瑄の言葉を遮る予審官。
予審官「それで、君は、完全に彼を殺そうと決心したんだね」
その声に・・ハッと反応し、身構えたものの、そのまま、話を続ける若瑄。
～回想～
部屋の中にあった、鉄のオブジェを手に持つ若瑄。
若瑄がいても、特に気にすることなく、テーブルに座り、背を向けている梁毅。
そっと、梁毅の背後に近づき、オブジェを振り上げたところで、さすがに、気配に気づかれてしまう。
振り返り、若瑄が手にしたオブジェを見て、ニヤリと笑う梁毅。
梁毅「どうした？ 俺を殺したいのか？」
立ち上がり、若瑄にむかって、迫ってくる梁毅。
気も弱く、非力な若瑄のことを完全に舐め切ってるよね。
梁毅「お前にできるわけないだろう。もうとっとと帰れ」
自分が情けなくて情けなくて、自分の惨めな姿を映し出した姿見に向かって、
持っていたオブジェを投げつける若瑄。
沈翊が気にしていた大きな鏡を割ったのは、若瑄だったのね。
若瑄「確かに、一度はその考えがよぎりましたけど、私には、その勇気がありませんでした」
静かに、モニタールームに入ってきた沈翊。
ここで切ります。
★『猟罪図鑑』Ep.02-2 雑感★
言い方は酷かもしれませんが、若瑄のような、気が弱そうなタイプは、日ごろ、鬱屈している梁毅の嗜虐性をより刺激した、というか・・あの舐め切った態度を見ると、そう思えてなりません。
梁毅が実験台に狙いを定めた、という若瑄自身の言葉は、おそらく正解だったような気がします。
美容整形の世界だって、技術は日進月歩。
たとえ、今は難しい、無理だと思われていたとしても、いつかは、若瑄や艾文を含め、手術の失敗等で、下を向きがちな人生を送っている人たちにも、明るい光がさしてくれるといいなぁと思います。
まぁ、それを言ったら、美容整形に関わらず・・・病気全般ですね。
最近、Youtube見てると『ドクターX〜外科医・大門未知子』のショート動画がバンバン流れてくるんですけど、「私、失敗しないので」が、ただの決め台詞じゃなくて、彼女のたゆまぬ努力の結晶だと思うと、ぎゅんぎゅん来ちゃって、かなり影響受けてます（苦笑）
しかも、白目が感情を表す、なんて言われた日には・・・
（画像お借りまくってます）
あ・・・肝心なことを書いてませんでしたね。
事件の流れとしては、沈翊の似顔絵に導かれるように、うまく流れていってるような気がします。
それもこれも、沈翊がたった一晩で、80枚以上、ビデオから似顔絵を描き起こし、不明者を選別できたことや、そもそも、マスクの下の隠された顔を描いてしまえるほどの、実力の持ち主だとか、全部つながってますよね。
なにより、一方的に拒絶することで精神を保っていたような杜城に、「なぜ、これだけの力があるに関わらず、あの時の沈翊には描けなかったのか？」という疑問に転じるきっかけとなったこと、これも大きいと思います。
