これで、3ブロックめです。
【Ep.11】 (2/5) あっぷ済み。
なお、本サイトは、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指1向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
5分割しています。
前半未読のかたは、こちらからどうぞ
『Lovely Writer』
นับสิบจะจูบ
【Ep.11】 (3/5)
~Geneのコンド リビング~
そっと近づいてきたSibが、ソファからクッションを手に取ると、Geneの隣にポンと投げ置き、自分も、その隣に寝ころびました。
Sib「な~にしてるんですか?」
Gene「うわ、なんだよ、びっくりさせんなよ!」
Sibがリビングにきたのも気づかないくらい、そんなに集中して読んでたの?
Gene「・・Hinの小説を読んでたんだ。すごくいいよ。あいつにこんな才能があったなんて、思ってもみなかったよ」
ちょっと、いや、かなり嬉しそうだね。
Sib「どんな話なんですか?」
Gene「う~ん、編集長と作家の話なんだ。」
Sib「そんなにいいなら、どうして、P’Hinは、P’Buaに見せないんですか?」
Gene「ん・・・P’Buaには見せたらしい。でも・・・もう一度(俺のほうから)P’Buaに見せようかと思ってる」
頷くSib。
なんか、こじんまり。。
Sib「Geneさんの小説はどうなんですか? もう書き終わったんですか?」
Gene「ほとんど終わってる・・でも・・・」
Sib「でも・・なんですか?」
どう言えばいいか・・・少し、思いあぐねたようなGene。
Gene「今・・、俺の小説の主人公は、物語の中で彼の最大の問題に直面してるんだ。それで、俺、そこからどう進めたらいいのか、わからなくてさ・・・」
それが、現実とリンクしているのだ、と、ちゃんと気づいてるSib。
Geneの耳元に顔を寄せるSib。
Sib「だったら・・・僕の助けがまた、必要ですか?」
Gene「・・・・やらしいな!」
いたずらっ子のような笑顔を、Geneに向けるSib。
Sib「ほら、また、そういうこと言う。僕、まだ、何にも言ってないのに!」
Gene「とぼけんな!」
仰向けに寝転がるGene。
そんなGeneを、横向きになって、見下ろしているSib。
このカメラ位置、こんなに床に近くて、テーブルの下の空間越しなんだけど、それでも、なんだか、撮り方が柔らかく感じます。
Sib「でも・・約束してくれますか? もし、僕たちが大きな問題に直面したとしても、一緒に乗り越えるって・・・」
Sibの真剣なモードに対して、その核心に触れる勇気が持てないGeneが、つい誤魔化そうとしてしまいます。
Gene「何言ってんだよ。俺は、小説の話をしてたんだぞ・・」
Sib「でも、僕たち二人の話でもあります」
Sibが、このことを話しはじめたことに、不安そうな表情で、見上げるGene。
本当は、それでなくても、もう、避けては通れないところに来ているとわかっている二人。
Geneの手に自分の手を伸ばすと、ふんわりと握るSib。
その手を自分の口元に持ってきて、まるで、誓いのキスのようにそっと触れるGene。
Gene「ん・・・約束する」
お互いの想い、言いたいこと、寸分の狂いもなく、伝わるってこういうことなのかな。
そっと、Geneの額に唇を寄せるSib。
この手のショット、好きです。
Sibにはね、常に、スパダリであれ、と願ってしまうんだけど、そうも言ってられない場合もあるだろうし、そうするには、それ相応の苦しみも伴うでしょう。
代わってあげたくても、代わってあげられないんだよ~~!
私は、スパダリじゃないからね~~~!(笑) ← そんなオチ?
~出版社 Buaのオフィス~
Buaに呼び出されたGene。
窓際に立ち、外を見つめてるBua。
Buaが、Hinに任せっぱなしにするはずがありません。。
Gene「P’Bua、なにか御用ですか?」
ここ、静かにレースのカーテンが自動で閉まっていくところがなんとも言えない。。
本心にヴェールをかけるように感じるのは、ただの私の願望でしかないのかな?
振り返ると、「どうぞ、座って・・」と声をかけるBua。
ゆっくりと腰を下ろすGene。
Bua「Geneは、もう、みんなわかっているんでしょう?」
頷くGene。
(こんな緊迫した場面でなければ、壁に掛かってる、謎のBuaフォトグラフについて、ツッコミたいところではありますが、今はそれどころじゃないんです。)
Bua「現在、(小説の)売上高は急落していて、そして、うちの社は多くの問題に直面しているの。あなた、その理由についても、わかってるわよね?」
Gene「でも・・・僕は、ただの作家で、別にスターってわけじゃありません。僕の私生活とは関係ないじゃないですか」
Bua「でもね、今ではもう、世間的には有名人なのよ。良きにつけ、悪しきにつけ、あなたの身に起きたことは、うちの会社の売り上げに直結するの。」
Gene「すみませんでした。僕も、こんな状況を起こしたかったわけじゃないんです」
一応、謝罪するGene。
Bua「あなたたちが、恋愛は自分たち二人だけの間の問題だと考えるのも理解できるわ。でもね、その問題の結果が、うちの会社に与えた影響は想像以上なの。もし、うまく解決できなければ、さらに悪い方向に行くわよ。Gene。それに今、ドラマの制作会社からも、所属してる作家の面倒をちゃんと見ろって言われて、圧力をかけられてるの。」
じっと、Buaの話を聞いているGene。
Bua「この関係をちゃんとしてくれるわよね? ね? お願いするわ」
切ない眼差しで、Buaを見上げ、反論するGene。
Gene「なんで、また、僕に全部押し付けるんですか? 会社が、僕にBL小説を書くように強要した時・・・僕はそれを受けましたよね。会社はそれによって、どのくらいの利益を上げたんですか?
それなのに、また、僕に圧力をかけるんですか? 僕が全責任を負う必要があるんですか? P’、これは、あまりにも公平とは言えない」
うん、初回からずっと重ねてきた、BuaとGeneのやり取り描写は、今、この時のためにあったんです。
Bua「Gene、公平なんてものがないことは、あなたもよく知ってるでしょ。あなたの周囲をよくごらんなさい。彼らだって、何もしてなくても、影響受けてるのよ。それって、あなたのわがままだって思わない? Gene・・・」
Gene「でも・・・」
そして、そのGeneの優しさは、十分、利用されてしまうのです。
Bua「いいから、まず、私のいう事を聞いて。もし、あなたのために、私が解決できることなら、とっくに私がしてるわ。でも、私にはできないことなの。この問題を解決できるのは、あなただけなのよ」
とても納得がいかず、首を横にふるGene。
Bua「そりゃ、申し訳ないと思うわよ、でもね、わかってほしいし、それに、会社のことも理解してほしいのよ。」
Gene「もういいです。とにかく、選択の余地はないってことですよね」
Geneの肩に手を置くBua。
Bua「ねぇ、Gene。私を信じてちょうだい。なにが一番重要なのか、戻って考えてみて。・・・すべては、あなた次第よ」
もう何をいっても無駄だ、と、立ち上がるGene。
バッグの中から、「ああ、Hinの小説を持ってきました」と、原稿を取り出すGene。
Gene「読んでみたほうがいいと思いますよ、P’Bua」
ここに、一筋の光明が見いだせないのかな。
Geneは、こういうことで、義理を果たそうとかする人じゃなくて、本当に、いいと思ったものでなければ、渡さないと思うんだよね。
Geneがそう言って、立ち去ったあと、ようやく、腰を下ろしたBua。
固く固く手を組んだまま、じっと考え続け、天を仰ぎ、それから、うなだれると顔を手で覆ってしまう。。。
ここは、Buaと一緒に、溜息をつくしかありませんでした。
たしかに、Buaのしていることは、酷い。
わかっていて、していることだから、なおさら罪深い。
会社の意向を最優先させているだけのように聞こえるかもしれないし、自分の保身と捉えられてしまうかもしれない。
でも正直、いつからか、それが職務の大半を占めるようになってしまっているんだよね。
***********
さて、実態のない「民意」は、更にヒートアップ中です。
《本当に彼氏がいるの? Nubsibには彼氏がいるですって?#BadEngineerTheSeries》
《なんでAoeyじゃないの? こんなの耐えられない。恐ろしすぎる。 #BadEngineerTheSeries》
《どうして、Nubsibは彼氏なんて作ったの? どういうこと? Aoeyはどうなるの?#SibAoey》
《なんで、ファンのことを考えてくれなかったんですか? とてもがっかりです。もう二度と応援しません。 #SibAoey》
《私は、他のシップに干渉したくないけど、これは無理!#SibAoey 》
《すごく気持ち悪い、ビーチの写真、ねぇ もうドラマも見たくない。こんなの、もう嫌!#SibAoey》
《SibGeneのファン、ドラマや小説のハッシュタグ、使わないで!#BadEngineerTheSeries #SibAoey》
《#SibGeneが本物かどうかはどうでもいいけど、Aoeyのほうが全然いいじゃん。Nubsibのセンスってどうなの?Aoeyのライブを見る限り、まだ、なにかあるでしょ!! Geneが本当にNubsibを奈落の底に突き落としたかったのかどうか、知りたい。もしくは、スターを彼氏にしたくて、BL小説を書いたの? とにかく、#SibGeneが好きな人、私のフォロー、解除してね #BadEngineerTheSeries #SibAoey 》
《Aoeyが可愛そう。Gene、大っ嫌い。なんで、AoeyからNubsibを奪ったりしたの?理解できない。#SibAoeyは、ドラマの視聴をやめましょう #SibAoey》
一人、この膨大なコメントに目を通し、テーブルに携帯を放るSib。
思い悩みます。
(内心はどうであれ)Sib自身は、どうにか持ちこたえられるにしろ、Geneのことを思うと、気が滅入るでしょう。
さすがのSibも、個人が抗える限界があることもわかっているし、決して、軽く考えているわけではない・・・って、この顔を見ると、わかるよね。
~寝室~
横になっていても、眠れないGene。
ふと、隣のSibの背に手を置くと・・
すぐさま、振り返るSib。
Gene「あ・・ごめん。寝てるのかと思ってた」
Sib「まだです。眠れなくて・・・」
うう、不覚にも、この表情に、ズキンと本能が刺激されてしまう。。。
こんな目で見つめられたら、もう、黙ってハグしてあげたくなるじゃん。
Geneのほうに、向きなおるSib。
Sib「Geneさんはどうですか? 眠れませんか?」
Gene「俺も眠れないんだ・・」
それを聞くのが、なによりも辛いSib。
Geneを抱き寄せ、額を合わせて、抱き合うように身を寄せる二人。
そう、あの日と同じように・・・
いつまでもいつまでも、Sibの背に回した手を動かし続けるGene。
[翌朝]
眠っているGene。
うっすらと目を開けると、もうすでに、Sibはベッドにいません。
携帯を手に取ると、Tumからの電話に出るGene。
Gene「ん? どうかしたのか?」
Tum「悪いな。 今、なにしてた?」
Gene「寝てた。なにかあったのか?」
Tum「ちょっとした問題があってさ。今、制作会社のビルにいるんだけど、出てこれるか?」
Gene「なぜだ?」
Tum「姉さんが・・・お前と話をしたがってる」
Gene「は? 俺と?」
Tum「ああ、Nubsibとの件だ。P’Tarmはもう、Nubsibを呼び出してる。でも、お前が俺の友達だってのも知ってる。それで、お前とも話をしたがってるんだ。」
Gene「で、Nubsibはお前と一緒にいるのか?」
Tum「今、部屋で姉さんと話してるよ。俺はお前に電話するために、出て来たところだ」
Gene「わかった、すぐ行く」
すぐさま、ベッドから起き上がろうとした時、Aoeyからメッセージが入ってくる。
Aoey:Geneさん、大丈夫ですか?
Aoey:僕も制作会社から呼ばれました。
それを読むと、すぐに立ち上がるGene。
~制作会社ビル 会議室~
Geneにメッセージを送ったAoey。
落ち込んだ様子のAoeyに声をかけるTiffy。
Tiffy「全部、うまくいくわよ、Aoey、私を信じて・・」
頷くAoey。
不機嫌丸出しの、Fahプロデューサー、お久しぶりです。。
~制作会社ビル 廊下~
Gene「Tum・・・」
足早に、Tumのもとに駆け寄るGene。
Tum「Gene・・・」
Gene「他の人たちはどこだ?」
Tum「みんな、中にいるよ」
Gene「Nubsibの様子は?」
Tum「しばらく、姉さんと話してたよ」
早速、会議室に向かうTumと、あとに続くGene。
★【Ep 11】 3/5の雑感 ★
人気商売という奴は、本当に厄介なものです。
人の気持ちは、お金では買えないのに、気持ちを換算するバロメーターに、お金が介在する。
ファンと名乗る人たちの中には、最初は、純粋な応援が、そのうちに、かけた金額の分、元を取りたいと思うようになる人もいる。
否定しても、そういう心理が、言動の端々に表れる。
わかっていても、夢がみたい。
そういう欲望の塊から、「推し」と呼ばれることで、いろんなものを犠牲にしてる若者。
それも、いわゆるパフォーマンスのひとつ。
他人事のように言ってますが、ここで描かれるネガティブな側面に蓋をしながらも、今の私が生息している場所。
しっかりと底に立っているつもりなのに、更にズブズブと足元が下がっていく感覚。
見上げると、ゆっくりと空が遠くになっていく感覚。
流れの止まった、時折、ゴボゴボという、くぐもった音だけが聞こえる水中に委ねている、どこか心地よい感覚。
「沼」
BLに、きゅんきゅんのみを期待されてる方には申し訳ない!
でも、私も、きゅんきゅんも、うるうるも、じわりも、鼻血も、大好きです!
さて、夢のない話はこの辺にして(笑)、少し先に進めないとですね。
ただ、この、ラス前回はある程度、仕方がないのです。
じわじわと、SibとGeneへの包囲網が、目に見える形になってきました。
次はようやく、「風雲急を告げる、会議室」編です。