以下の内容は、成人を対象としています。
暴力的な描写、性行為、暴力的な言葉が含まれている可能性があります。
視聴者(および読者)の裁量をお勧めします。
本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
全体で、4分割払いしてます。
未読の方は
『TharnType the series』
【Ep11】(2/4)
~TharnとTypeの部屋~
外から戻ってきたTharn。
靴を脱いで、ふと部屋の中を見ると、Typeが腰掛けている。
いや、これは、ただ腰掛けてるとは言えないです。
出入口のド正面を睨みつけながら、待ち構えてたって言うべきでしょう。
(カフェでのTarとの話がどうなったかには触れず・・・こちらの話し合いに至ります。。。)
Type「ずいぶん、遅かったな。また、元カレとやりに行ってたのか?」
帰ってきてくれたのか、と思いきや、まだ全然、鎮火の気配なく、嫌みをぶっぱなすType。
脱力を覚えながらも、冷ややかな視線を自分に向けるTypeのもとに、ゆっくりと近寄ってくるTharn。
Tharn「今日は、バンドの練習だったんだ。もし、信じられないなら、Lhongに聞いてみろ」
静かに、言い聞かせるTharn。
Type「そんな必要はない。俺はお前を信じてるからな。」
とても、信じてるなんて、友好的な雰囲気ではなく、立ち上がるType。
Type「だって、今日、俺、お前の元カレと会ってきたばかりだからな」
え?っと驚くTharn。
Type「驚いたか? 俺、会ってきたんだよ、お前のTarにな」
わざと挑発するType。
Tharn「Tarは俺のじゃない」
Type「でも、おまえは奴のものだよ。お前、気づいてないんだな?」
Tharn「どういう意味だ?」
Type「説明するまでもない。あいつは、俺に、お前があいつのものだと言ったんだ。そして、どんなことをしてでも、俺からお前を引き離すつもりらしい」
Tharn「Type、お前、わかってるだろ・・・」
Tharnの言葉を遮るType。
Type「まだ、俺の話は終わってない。遮るなよ。あのガキはな、お前がまだ、あいつのことを愛してるってさ。それから、あいつもお前をとてもとても、とても愛してるだって。自分が、他人の彼氏を寝取ったことが、周囲にバレてもかまわないくらいにな。それほど、お前を失いたくないからだ。」
厳しい顔でじっと聞いているTharn。
Type「あいつ、こんなことも言ってたよ。お前のことを決して忘れられない。お前が戻ってしまったら、死ぬって。俺にそう言った時、嘘泣きすらしてたよ。可愛そうにな・・・」
Typeの手を握り、「Type・・」と話しかけるTharn。
Tharn「俺は、お前を愛してるんだ」
Type「黙れよ!まだ、話していいとは言ってない。知ってるか?お前の元カレは、くそったれだな。涙を流して、泣きわめいてたよ。お前に戻ってきてほしいだってさ。小説のヒロインにでもなったつもりなのか? ただ、泣いて、戻ってきてほしいと言えば、俺が返してやるとでも思ってるのか?
俺だってな、そう簡単に何でもかんでも失えないんだ。奴の顔に一発お見舞いしたって全然、満足じゃない」
まさか・・・と耳を疑うTharn。
Tharn「お前、Tarを殴ったのか?」
Type「なぜだ? あいつが心配か? そんなにあいつのことが心配なのかよ? お前、盲人か? あのガキだって男だぞ。一発くらいじゃ死にはしないよ」
Tharnの胸倉を掴むType。
Tharn「お願いだから、落ち着いてくれよ。Type。俺は、お前のことが心配なんだ。お前に、トラブルに巻き込まれてほしくないんだ」
Type「お前も、相当なくそったれだな! あいつのことを心配してるって認めろよ。
ああ、そうだよ。これが俺だ。すぐカッとなって、下品で、気まぐれで・・・ただの ガキを虐める虫けらだよ。でもな、こっちの身にもなれよ。俺のことなんか、誰もわかってくれないじゃないか!」
Tharn「俺は・・お前をわかってるよ、Type」
首を横に振るType。
Tharn「だけど、お前は聴く必要がある。俺は、昨日の晩のことについて説明したいんだ」
Typeを抱きしめながら、「愛してる」と告げるTharn。
Type「放せよ・・・」
Tharnから見えない位置での、辛そうに目を伏せる、この一瞬のTypeの顔を・・・どうか、見逃さないで!
Tharn「愛してる・・・Type」
Type「放せって言ってるだろ!もう聞きたくない。もういい。 俺は、あのガキに、お前はあいつのものじゃないって言ってやったんだ。お前は俺のものだ!もう二度とあいつには会うなよ。約束しろ」
Tharn「もう二度とTarとは会わないって約束する」
目をつぶっているTharnに、「俺の目を見て約束しろ!」と迫るType。
Tharn「約束する。俺には、お前以外誰もいない。俺を信じてくれ、Type。お願いだ」
Type「おぼえておけ!」
Tharnを睨みつけると、そのまま、出入り口に向かうType。
Tharn「どこ行くんだよ?」
Type「お前の顔を見なくて済むところ!!」
言い捨てると、出ていってしまうType。
残されたTharn。
力なく机に手を付き・・・「畜生・・・」と頭を掻きむしる。
なんでこんなことに・・・・。
~バー・アイヌ~
家を出て来たType、飲んでます。。
相手は・・・Lhongです!
Lhong「ほら、Type。もっとゆっくり・・・。そんなに急ピッチで飲んでどうするんだよ」
Type「ほっといてくれ。お前のくそったれの友達のせいで、こんな目にあってるんだからな」
Lhong「もうよせよ。なんでもないって言ってるなら、あいつを信じてやれよ」
Type「お前、俺に嘘をついた奴のことを信じろって?」
Lhong「あいつは、たぶん、キミを怒らせたくなかったんだ。キミもあいつの気遣いをわかってるだろ。キミがその件について知ったら、考え込んでしまうに違いないと思ったんじゃないか」
不機嫌そうな顔をしながらも、一応、黙って聞いているType。
Lhong「その上、あいつはTarに会っただけで、別に寝たわけじゃない」
Type「最初はNoで、今度はお前だ。誰も俺の味方をしてくれないほど、俺って、そんなに悪い奴なのか?」
Lhong「別にそんなこと言ってないよ」
溜息をつくLhong。
Lhong「それで、これから、どうする?キミの言ったことが真実なら、これは、全部、Tarの誤ちってことだよな」
Type「今更、なんだよ」
Lhong「あのさ・・・キミも理解したほうがいいよ。キミの性格は、Tharnとは正反対だ。誰の目から見ても、キミの方が悪い奴にみえるだろう。
つまりはこういうことだろ、キミは11年生を殴った。。教師が周りにいなくて、誰からも撮影されなくて、ラッキーだった。。。さもなくば、キミはメチャクチャなことになってたぞ。いいから、落ち着けって。これ以上、こんなこと続けても、キミはもっと失うことになる。」
Type「これが俺だ。俺はいつだって、悪い奴なんだよ。あいつは、俺のことを受け入れることが出来るって言ったのに、今、あいつは俺に変わってほしがってるんだ」
Lhong「Tharnの親友として言わせてもらえば・・・あいつは、キミをキミのままで受け止めることが出来る奴だよ。そうじゃなければ、あいつの全てを与えたりしないからな。でも、キミは今、少し冷静になったほうがいい。とにかく、Tarはずる賢い。あんな無邪気そうに見えたのに、そんなに邪悪だったなんて思ってもみなかったけど・・」
Type「あいつは、自分のところに、P'Tharnを戻してほしいとさえ、俺に言ったんだ」
Lhong「オレ、いままで、ずっと騙されてきたのかな?Tumも、弟はいい子ぶりっこだって言ってたけどな」
Type「お前とTharn、二人とも騙されてたんだ」
Lhong「どれだけ、Tarが腹黒で、いくら泣き叫んで頼んでも、Tharnさえ、気持ちを戻さなければ、片思いにしか過ぎないさ」
Type「もし、あいつがそんなことしたら、俺は、あいつと別れるよ」
そうね、この言葉が聞きたかったのよね。
Lhong「心配するなって。あいつはそんなことするはずがない。お前のこと、本当に愛してるんだから」
Type「そうだといいけどな」
乾杯するLhongとType。
~TharnとTypeの部屋~
夜更けにノックの音がして、Tharnが出てみると・・・
Lhong「お前の男を連れてきてやったぞ」
酔っぱらって、正体を失くしたTypeを肩で支えているLhong。
Tharn「なんで、お前が一緒に?」
Lhong「お前ら二人がケンカしたから、オレが彼と飲む羽目になったんじゃないか・・・」
Typeを受け取り、支えるTharn。
Tharn「Type・・・」
声をかけ、肩に担ぎ変わると、Tharnの肩に、ぴったりと顔を預けるType。
Tharn「なんで、こんなに飲ませたんだよ。おい、Type・・・」
Lhongには小言を言い、Typeには、優しく声をかけるTharn。
Lhong「だから、さっきも言っただろ・・・。お前らがケンカしてたせいだよ。もうちょっと言い方があるだろ・・・」
Typeに声をかけるのに夢中なTharnは、Lhongの声なんて聞いちゃいません。
そりゃ、こんな顔にもなりますよね。
Tharn「ああ、ここまで連れてきてくれて、感謝するよ・・・。Type?」
Tharnの気持ちは、ピッタリと自分に身を預けてるTypeにしか向いてません。。
Lhong「どういたしまして・・・、イケメンLhong様は、お役に立ててうれしいです。お互い仲良くやれよ、わかったか? じゃあな」
帰ろうとしたところを呼び止めるTharn。
Tharn「Lhong、あのさ・・・Type、お前になにか言ってたか?」
Lhongが、どう話そうか・・・と一呼吸おいていると、急に、酔っぱらったTypeが、ちょっとだけ身体を起こし、Tharnの頬に手を当てはじめる。
Tharn「Type、なにしてんだよ」
Type「俺のだから・・・お前は俺のだからな、Tharn」
そういうと、また、Tharnの胸にコテンともたれてしまうType。
目をそらすLhong。
Lhong「いいから、面倒みてやれよ・・・」
もう、誰の言葉も耳に入らないくらい、笑顔駄々洩れのTharn。
Lhong「Typeって酔っぱらうとこんなに可愛くなるなんて、知らなかったな・・・」
Tharn「俺はお前のだよ、Type」
我慢できずに、ほっぺに、鼻吸いちう(ホームケーム)です。。。
個人的には、肩に回したTypeの左右の手がちょっと重なってる、この感じがすごく好みです。
上半身お姫様だっこって言えばいいのかな?
完全に、Lhongの存在が消えてるかの如く、目も合わせず、「連れて帰ってくれてありがとうな」とだけ言うと、「さ、中に入ろうな」とさっさと部屋の中に入ってしまいました。。。
Typeさん、がっつり、抱き着いてます。。
Lhong「気にするな・・・」
そういうLhongの表情は、とても暗くて・・・。
Tharnの背中に「バイ」とだけ声をかけるLhong。
無情にも、目の前で、閉ざされるドア。。
★【Ep 11】(2/4) 雑感★
最後のシーン、自分と、Typeの間に、どれだけ果てしない距離があるのか・・・Lhongは痛感したことでしょうね。
でもね、全世界何億人もの片思い経験者は、一度や二度、こんな想いをしたことあるの。。。
もちろん、今までの歴代のTharnの彼氏にも感じたかもしれないけれど、たぶん、Typeはダントツで、Tharnの様子が違うんじゃないかな。
ああ、やっと、TharnTypeの間に、何人(なんびと)たりとも入り込めないんだっていう実感が湧いたような気がする
前半のTypeの暴言タイムも、Typeは、当然、Tharnに対してノーヒントですし、なんなら、嫌われようとさえしてる勢いです。
Tarと会うな、と執拗に約束させるのも、それがTarとTharnを守ことになるからですね。
どんなときも、Tharnのことを一番に考えていたからだって・・・伝わりますように。