一人住まいで、平日日中は会社勤めということもあり、ほとんどゴミは出ません。
わずかな綿ぼこりくらい。
クイックル・ワイパー的なもので、スイスイ拭いてやれば、きれいになります。
楽なもんです。
たまたま、入ったアパートには掃除機がなかった(というか、ガレージに使えそうもない掃除機が放り投げてある)のですが、特に、問題はありません。
汚れるのは、やはり水回りのバスルームと、調理をするキッチン。
こちらは、拭き掃除やパイプ―クリーニングなど、ちょっと余計に気を使う必要があります。
で、床掃除をしておりました。
ガスコンロと電気オーブンが組み込まれたカウンターの下をワイパーで掃除していたら、何かに引っかかりました。
何だろうと思ってみてみると、電源コードをつないだテーブルタップでした。
壁の電源から機器に電力を分配しているようです。結構適当な配線だなあという感想。
ん? 後からふと疑問が。
実は、この部屋のガスコンロ、着火装置が働きません。入居するときに不動産屋から、「チャッカマンで火をつけてください」と言われていました。
「直せないの?」と聞いてみましたが、面倒くさいらしく、なしのつぶて。
ナポリでは、いつものことです。
探し回ったのですが、日本のガスコンロによくある「電池ボックス」が見つかりません。
どうやら240Vの交流電源を使って、着火装置のスパークを飛ばしているらしい。
「電池切れ」という安直な答えは、当てはまらなかった訳です。
ここに、「ん?」が戻ってきました。
電池を使わず、交流電源を使っているんだよね? もしかして、これがその電源?
引っ張り出して、プラグの刺さり具合を確認してみると、2つのうち1つの刺さりが甘い。
「もしかして?」と思い、ぐっと挿し込んでやりました。
元に戻して、ガスコンロに向かい合います。
心を静めて、ガスのつまみを開いてみましたが、--何も起こりません。
「関係ないか?」
諦めかけましたが、よく考えると、このコンロ、着火装置は独立したボタンになっています。
さっきはこれを押していませんでした。
ボタンを押したらどうなるの?
ぎゅーっと押し下げるとーー、
「パチ、パチ、パチ」と、間欠的に、聞き覚えのあるスパーク音がするじゃあありませんか。
やった! ガスのつまみを開いてみると、今度は無事に炎がついた!
(ガスコンロなんだから、火がついて当たり前ですが)
しかし、我勝てり! 前の住人が解けなかった謎を、解くことに成功したのであります。