吉本隆明によるマルクス | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

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□カール・マルクス (光文社文庫) 吉本 隆明 感想

- 読書メーター

http://book.akahoshitakuya.com/b/4334740421


『カール・マルクス』読了。


今日読んだなかで、おもしろかったところを引用する。

あんまりマルクス関係ないけど。


p79

なによりも面憎いのは正義を旗幟にした虚偽とあいまいさと不徹底な思想だ。なぜなら、それは眼にみえないかたちで、いやおうなしにひとびとの頭脳をかすめるからである。眼にみえる虚偽は、認識としてはずっと易しいし、ふっきれている。ごまかされるのはよほどの馬鹿だけである。



やっぱり考え抜かないといけないんだな、と思った。


ぼくをしてはじめに「考えよ!」と駆り立てたのは大谷亮介さん演じる

「小林秀雄先生」だったが(しかしそれだけでも新宿まで足を運んだ

甲斐があったよな、とおもう)、本書を読んでいて眠くて仕方なかった

のはわれながらまだまだだと実感した。


アントリーニ先生の部屋がサイアクにとっちらかっていて、それで

なんだかあたたかくて、おそろしく眠たくてしかたなかったように、

何か自分の力を超越したものを部屋の隅に感じつつ、

ぼくは駅ビルのファーストフード店でまどろんでいた。


ところで、まだねむい。

やや投げつつ、つづけたい。


考え抜いて、市井の、ただの人として、現実に生き現実に死ぬ、

それだけがなにがしかのことであるとおもう。


上に引用した文もそうだけど、マルクス主義者やフェミニストや

あるいは他の権威的政治屋であり社会変革運動なるものの

ことごとくが根源的に、信用に値しないと考えるぼくには、

吉本さんが野暮な「党派的なもの」をばっさばっさと斬っていく

のを見るのはとても楽しかった。


で、今後マルクスについて勉強するにあたって、

ぼくなりの読書案内を書いておこう。


□ノート・マルクスについて

http://ameblo.jp/hyorokun/entry-10608562473.html


デモクリトスはまずおいておこう。

よくわかりません。


エピクロスは、岩波文庫の「エピクロス、教説と手紙」を

読む。これはいつでも気が向いたときに。


フォイエルバッハは「キリスト教の本質」が必読だとおもうが、

その前にまずヘーゲルの思想に一通り取り組んでおきたい。

こないだは当たり前すぎて書き忘れたが、マルクスを勉強する

にはもちろん大ヘーゲルを避けて通ることはできない。


まず、ありったけ初学者むけの参考書をよもう。

準備運動みたいなもので、いきなりヘーゲルの著作に飛び込んだら

けがするぞ。


目安?そうねえ。三十冊。

ヘーゲルならそれくらい読んどいて損はないって。


ちなみにぼくは

「大人のなりかた/西研」

「生きてゆく力としての弁証法/栗原隆」

の二冊しか読んでないです。


…30は言い過ぎた。10にしよう。


やっぱりヘーゲルだね。まずはね。