小澤征爾×村上春樹「音楽について話をする」2(本を読んでみてはいかがですか?Part133) | 兵庫県健康生きがいづくり協議会 ニュースと行事予定

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今回は、第三回から第六回までのインタビューをご紹介します。

 

 「第三回1960年代に起こったこと」ではバーンスタインのアシスタント指揮者をしていたころの思い出から、指揮者のスコアの読み込みについて聞き出し、テレマンからバルトークまで話が広がり、小澤から「春の祭典」をストラビンスキーが書き換えた裏話を引き出し、いろいろな演奏のこの曲のレコードを一緒に聴いて感想を話し合っています。

そして小澤の指揮するトロント交響楽団のベルリオーズの「幻想交響曲」を掛けたあとサイトウ・キネンの「幻想」のDVDを見ながら話し合っています。

さらに村上は小澤になぜ一人の無名の青年がアメリカに渡って成功したのかと訊ねて、斎藤先生にみっちりと叩き込まれたからだとの答えを引き出しています。

そしてバーン・スタインのところで小澤と一緒にアシスタント指揮者をしていたモーリス・ペレスなどの思い出話を聞き、おまけとしてユージン・オーマンディのタクトを無断で三本引き出しから持ち出してばれた思い出話を小澤が語っています。


 「第四回グスタフ・マーラーの音楽をめぐって」ではサイトウ・キネンのオーケストラの在り方について語り合い、60年代前半までは誰も取り組む人のいなかったマーラーが人気が出たのはバーンスタインが熱心に取り組んだからだと小澤は語り、マーラーを聴いたことのなかった小澤はそのスコアを読んでそれまでの音楽との違いに驚いたことを話しています。

そしてマーラー演奏の歴史的変遷を二人で語り合い、ウィーンを訪れることでマーラーのことが深く理解できるようになったと語ります。

小澤はマーラーの三番と七番はなんだか「あやしい」と語り、サイトウ・キネンで小澤指揮の「巨人」のDVDを見ながら語り合います。

小澤はマーラーの楽譜の指示はなにしろ細かいと語り、村上はマーラーの音楽はユニバーサルだと語り、続けて小澤とボストン交響楽団の「巨人」のDVDを見て、マーラー音楽の結果的な前衛性について語り合い、小澤は今の歳になっても変化し続けていると語ります。

おまけとして小澤のクラシック以外でよく聞く音楽について尋ね、ジャス、ブルースについて語らせた後、ボストン時代には森進一と藤圭子を聴いたことを引き出し、演歌も五線譜で全部説明できると語らせています。


 「第五回オペラは楽しい」では東日本大震災直後のインタビューなのですが、オペラについて二人で語りつくしています。

小澤はオペラをカラヤンから勧められて振るようになったと語り、小澤のオペラに対する熱い思いが溢れるように語られます。

オペラは苦労よりも楽しみの方がずっと大きいとも語っています。


 「スイスの小さな町で」では「小澤征爾スイス国際音楽アカデミー」を村上が十日間密着取材した様子が記されています。


 「第六回決まった教え方があるわけじゃありません。その場その場で考えながらやっているんです」ではアカデミーでの小澤の生徒に向き合う心構えが語られています。

基本は弦楽四重奏であり、先に始めた奥志賀のプログラムも同じであると語ります。


 「厚木からの長い道のり」では引退宣言をしたジャズピアニストの大西順子が「サイトウ・キネン・フェスティバル松本Gig」で「ラプソディー・イン・ブルー」を小澤征爾と共演することになった長くて熱い道のりが語られています。大西順子さんはこの後演奏を続けられるようになっています。

以上