小澤征爾×村上春樹「音楽について話をする」1(本を読んでみてはいかがですか?Part132) | 兵庫県健康生きがいづくり協議会 ニュースと行事予定

兵庫県健康生きがいづくり協議会 ニュースと行事予定

兵庫県健康生きがいづくり協議会は中高年の健康づくりと生きがいづくりを支援するための活動をしている団体です。
会員がニュースや行事予定を発信します。よろしくお願いいたします。

 先ごろ逝去された小澤征爾さんと村上春樹が2010年11月から翌年の7月にかけて様々な場所と機会をとらえて音楽について語り合ったことをまとめた本を2回にわたってご紹介します。

 

 最初の「初めに」で村上は比較的最近に娘の征良さんと知り合いになったことからその父の征爾さんと会話するようになったと述べていいます。

また、2009年に小澤征爾が食道癌で大きな手術を受けたことから、音楽活動が大幅に制限され、顔を合わせて音楽の話をする機会が多くなり、2010年の11月から一連のインタビューを行ったと記されています。


 「第一回ベートーヴェンのピアノ協奏曲第三番をめぐって」ではグレン・グールドとレナード・バーンスタインのブラームスの一番の協奏曲の演奏の話から始まり、小澤はその演奏会でレニーのアシスタント指揮者としてその場に居合わせたということが語られます。

そして、グールドのピアノの遅さとリズム感について話し合い、次にカラヤンとグールドが共演しているベートーヴェンのピアノ協奏曲第三番とバーンスタインとグールドの三番との聞き比べを行い、ゼルキンとバーンスタインの三番を聞いたのちに、小澤とバーンスタイン、カラヤン先生との関係を聞いたあと、ドイツ音楽への思い入れとマーラーに夢中になったことを聞き出し、そのあと小澤征爾とゼルキンによる三番を聴き、ゼルキンの思い出話を聞き出しています。

最後に内田光子とザンデルリンクの三番を聴いて指揮者の棒振りについて聞きだしています。おまけとしてレコード・マニアに関する二人の見解が語られています。


 「第二回カーネギー・ホールのブラームス」では直前に行われたニューヨーク、カーネギー・ホールでのサイトウ・キネン・オーケストラとの一連の公演で体力的疲労が残る小澤へのインタビューとなっており、このときの実況録音についての二十五年前の小澤とボストン交響楽団との東京での公演のときより素晴らしかったという村上の感想から始まります。

サイトウ・キネン・オーケストラとブラームスを演奏することについて斎藤先生の味が出るのはブラームスだと小澤から聞き出し、ブラームスの交響曲一番・四楽章のホルンの息継ぎに関する真相を聞き出しています。

おまけとして文章と音楽との関係について二人で語り合っています。

 

次回は第三回から第六回までのインタビューをご紹介します。

以上