また前回と同じく、なるべく手軽に求めるサウンドに手を伸ばしていきますよ
今回取り上げるのはSteve Vaiの音作り
独特なあのサウンドを作り上げる要点だけ掻い摘んでなんとか真似してみたい
●ピックアップ
ヴァイ先生本人の機材はこちらやVAI.comを参考にされたし
今回も前と同じく、ダンカンピックアップでサウンドの近いものを挙げていきます
・SH-5 CUSTOM…聴感上、最もヴァイっぽい音だと感じたピックアップがこれ
高域のレンジ感や、低音の弾むような感覚がそれっぽい
・SH-14 CUSTOM5…上記SH-5のマグネットをアルニコ5に変えたモデル
SH-5に比べて全帯域で音が太めになっている
・SH-16 59/CUSTOM HYBRID…上記SH-5と、同社SH-1 '59Modelとの合いの子
SH-5の高域にガリッというバイト感を加えたサウンド
・SH-4 JB…ダンカンの定番モデル
上記の3つと比べると中域が強く低域が弱いが、その分リードサウンドでは気持ちよく粘る
ヴァイフリークスとして知られるK-A-Zも使用
●エフェクター
ここが、ヴァイサウンド最大のキモと言える
まずはこちら↓の23分頃からを
動画内では簡易ペダルボードを使用して
スティーヴ・ヴァイサウンドの作り方を自らレクチャーしてくれています
ペダルボード内のエフェクト類とその接続順は
(ギター)→クライベイビー(ワウ)→ジェミナイ(歪み)→アンプ
(アンプセンド)→アリゲーター(ボリュームペダル)→CH-1(コーラス)→DL-7(ディレイ)×2→アンプリターン×2
ポイントは2点
・ごく薄くかけたモジュレーション
・タイムの違う2つのディレイ
解説すると、まずステレオ感を出すためにモジュレーション(ここではボス/CH-1)に接続
ここで更にステレオにスプリットして2台のディレイへつなぐ
ディレイは片方を8分、もう一方を付点8分のように設定して
それを2台のアンプで鳴らすことで非常に広がりのある、独特なサウンドを構成している
また、ディレイについてもアナログではなく、デジタルディレイを使っており
歪ませてもクリーンなステレオ感を創出しようとしているよう
この「2台のディレイを、異なるタイムで」というのは、アマチュアではなかなか難しい
複雑なシステムを組んで2台のアンプを使えればいいのだが、セッティングの時間が限られた中では現実的ではない
で、1台で似たようなことができるものがないかと探していたら…
ジョン・ペトルーシが同じようなことをしてて、しかもTonePrintで公開していました
また、これ以外にもテープエコーのマルチヘッドをシミュレートした機材でも可能ではあります
(が、ヴァイサウンドを求めるならデジタルディレイのサウンドを使うべきでしょう)
歪みやワウについてもレクチャーしてくれてますが要点は
ワウを歪みエフェクターの後に繋ぐとコンプレッションの強い、かかりの濃いサウンドになること
ジェミナイのレッドチャンネル(DS-1)はクリーンアンプを歪ませる用、グリーンチャンネル(TS-9)は歪んだアンプのブースター用で、基本的にグリーンを使用していること
の2点です
このことからもわかりますが、歪みのサウンドは意外とオーソドックス
TS-9を使用していることもあって、ややコンプ感があり、不要な低域が削られたサウンドです
マーシャルで再現する場合には、ハイを耳に痛くない程度にカットするようにしたら十分でしょう
以上が、「俺なりのヴァイサウンド」考察です
やはり空間系を使いこなすことがポイントになるでしょう
しかし、ヴァイサウンドを手軽に構築するポイントがジョン・ペトルーシに見出されようとは…
読んだ人は損したね