近況とか 想いとか

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なんか、もう記事発掘するのもなんなんで。

出張の範囲がついに、にっくき九州にまで及んだり、
今更この年で昇進してみたり、

恋をしてみたり、破れてみたり、
新しい生活に慣れたような、慣れないような、

それでいて、正月になれば、好きだった人を思いだし、

でも、十代の女の子と遊んでドキドキしたりと、

まあ、普通に底辺な生活をしておりますが、


最近思うのは、

やっぱり、
あるいは、意図的に、
もしくは、穴のあいたポケットから、
奇しくも、自分の血肉を土壌に蒔いて、

(つか、今血肉って変換したら、痴肉って出ましたよ!?なんか俺を物語る変換ですな!?)

人間、どっかで蒔いたりまかなかったりした種が、
萌芽したりしなかったり、その繰り返しなんだけど、

やっぱり意図的に種をまき続けないと、
どんどん先細りの人生になるなあって感じがします。

それも、難しい事に、
打算的に蒔いた種って、芽が出ない事が多くて、
出たら出たで、自分の畑を結果あらすような作物が育ったりですよねえ

中学・高校とひたすらにおたっきーな時間を過ごした事で、
物語とか物とかの価値に自分なりの線を引く事ができましたけど、

まあ、その分勉強もしなかったので、
給料のやすーい会社に就職する事になったり。

半生掛けて女のひと好きだったから、
人を好きになる事がどんな事解った代わりに、
もう過ぎて行った時間はとりかえせなくなりました。

書いてみればごくごく当たり前の事ですね。

でもまあ、ここで出会えた人からの誘いで、
今まで見れなかった世界を見てみたり、

まあ、もう会えなくなった人もいますけど、
出会いもいくつか経験できたりって、

やっぱり行動してたからなんだろうなあって思うと、
40前にしても、歩き続ける事が必要なのかなあって実感したりしてます。

ただまあ、何度も書きましたけど、
恋しないと、文章は彩りをうしないますねーって感じですわ。

頑張って更新…しま…す?(疑問形

徒然なるままに

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気が付けば、更新全くしないまま3ヶ月が経過しましたが、
真冬の透明な空気に映える、
女子高生の絶対領域を糧に、生を繋ぐ日々であります。

や、普通に僕は女嫌いですが、
女の子の身体は愛しております。

女の子の中身に興味はないし、
個性に愛を語ることはないけども、
身体そのもにには愛があると断言できます!

だからなんだ、この屑ヤロウって声が聞こえてきますが、
最近耳栓を購入したので、全然問題ないです。

壇蜜って、全然きれいでもなんでもないし、
あの狙った発言と演出が余りにもベタベタなのに、
何故か全裸写真集を手に取り、
買おうかどうかを1時間(マジ)悩む俺は、
やっぱり、女性の存在を渇望、嘱望しているのかもしれません…。

とか思っていたのですけど、
ラジオで壇蜜がブレイクしたのは、
福山が好きだ!って発言したからだって論理がありまして、
(論理の定義はともかく)
なんだ、そうだ、俺もそういう理由で壇蜜に興味を持った!
俺が好きなのは、壇蜜じゃなくて、福山だ!と素敵に結論が付きまして。

いやね、なんというか、
この前引越しも無事終り、
一人でダブルベッドを占拠しながら満悦して、
倉庫から出てきた同人誌を読んでたら気が付いたんですけど、

結局俺って、せっきすしたかっただけなんじゃないかなあって思うんですよね!

そりゃあ、相手は誰でもいいわけでは決してないけど、
好きな相手と何を望むって言ったら、
実は、心の交流なんじゃなくて、
(まあ、そんなもん見た事も聞いたこともないけどさ)

好きな女の肌を思うままにしたいだけなんだろうなあ…って気が付いたんですね。

13年くらい付き合いがあった女に、
私の身体が目当てだったんでしょって自然消滅したり、

3年くらい友達付き合いしてた人と合体して、
私の危険信号に、身体に目がくらんで気が付かなかったと捨てられたりと、

こう、身体関係が関係終了時に話題に出るあたり、
相手もそれに気が付いていたのかもしれないなあって思うんですけど、

でも、
好きな相手と”だけ”してて、
好きな相手と”する”事が主目的って、
そんなにいけない事なんですかねえ?

…と久々に文章書いていて、
3ヶ月前に書いてた文章とほぼ被ってる事に気が付いたので、
↓にそれを転記してお茶を濁す事にします。



どもども、
忙しい事を触れ回る事は恥ずべき事だとは思うのですが、

どうにもここの所、
自分は洗濯機の中に放り込まれた、
穴の開いた靴下のような生活でしたねえ、実のところ。

誰かが亡くなり、
また誰かが亡くなりそうになり、
得がたい高揚と、同時にそれを無くす喪失感を通り抜け、
嘗て僕の周りにあった、温かいものを思い起こしながら、
心だけではなく、身体は一ヶ月で数千キロを移動したりしながら、

小学生以来久しぶりに、
自分の能力を試す機会に恵まれたり、

人の優しさと、人の限界に触れつつ、

なんだか、
三十台も終りに近づくにつれて、

例えば、昨日一昨日吸い始めた煙草の影響なんて、
今の僕は判らないけど、

10年も20年も煙草を吸っていたら、
自分が本当に馬鹿になったなあなんて意識するのと同じくらい曖昧に、

自分が変わってしまったことを認識する日々であります。

皆さんは、
昨日のふたご座流星群を見れたでしょうか?

僕は自分に問いかけました、
僕は果たして、人生の中で流れ星を見たことがあったか?

きっと、見たことがあれば、僕はこの光景をずっと覚えてると、
多分誓ったはずですが、
今の僕といえば、そもそも流星を見たことがあったかどうかも覚えておらず、

キャッチャー・イン・ザ・ライを、
38歳で読んだ僕は、
その物語に一ミリも共感できず、

その事実を友人に話せば、
もう歳を取ってしまったんだねと笑われるのですが、

ある一瞬の真実が、
決して永遠ではない事を、
今の僕は罪悪感なく受け止められるようになりました。

これって成長ですよね?(笑


人間関係というものに、
各人が期待と絶望をそれぞれ持っているだろうし、
期待と絶望の定義も人それぞれ違うのでしょうが、

きっと僕は、
誰かに何かを求めているとしたら、
それはセックスだけなんじゃないのかなと最近思うのです。

相手は誰でも良いわけではないというのは、
まあ、間違いないことだとは思うのですけど、

結局のところ、
良いことも悪い事も等しくあった僕の人生の中で、

それでも、価値のあるものとして残っているのは、
好きなった女性との性交だけなのかもしれないという想いが、

哀しさと、諦めと、実感と、悦びとして残っています。

それはきっと、
ワタアメを舐めた時、
自分の唾液でどんどん溶けていくアメの姿の様に、

灰皿の上で、別れた彼女との写真に火をつけた時、
じわじわと広がっていく、黒い染みと、
無くなっていく写真そのものの様に、

確実に終りに向けて始まっていく行為なのかもしれないですが、

きっと人生に措いて、
有限ではないものが殆どないのだとすれば、

それは、とても素敵な損失なんじゃないかなと思うのです。


例え、数ヵ月後に、その女性と憎み合う関係になったにせよ、
或いは、ホテルを出た瞬間に、それまでの事が嘘になったにせよ、

ある瞬間、
他人であるはずの身体の中に、自分を挿しこむという行為は、
僕にとって救いであるのです。

平たく言えば、
そのあえぎ声が嘘であれ、本当であれ、
自分の愛撫が、歓喜の声となって返ってくる事実は、

誰かとのコミュニケーションに対して、
不安と、猜疑を排除しきれない自分にとって、

ある瞬間の真実であるなと感じるのです。

きっとそれは、僕にとっての真実なだけで、

誰かにとって、僕がかけがえのないものと感じる、
最後のコミュニケーション手段は、
別に性交をしなくても、
日常的に得られる”普通の”事なのかもしれません。


とある漫画の主人公が、
子供らしくない子供時代を過ごし、
子役として、演劇の中でのみ、子供を演じる事で、
子供らしさを追体験できたという話がありますが、

僕にとって、
社会というか、誰かとコミュニケーションを取ると言う事は、
性交を通してしか、
実感として受け止められないという事なのかもしれません。

もしくは、
例えば、自分の快楽より、相手の快楽を優先させ、
かつ、その相手が、同じように自分より相手の快楽を優先させるという、
稀有な偶然に見舞われたとき、

その快楽が、青天井に上っていく事。

純粋に自分の内側から湧き上がる、
こうしたいという情動を、
相手がわが身で受け入れていく事が、
日常生活の中では得られないシンパシーを生む事。

この2点に措いて、
僕は、性交というものが、
至上のコミュニケーションだと感じるのかもしれません。

まあ、もっとも
僕はただ単に、女性の胸が、
不規則に揺れるその様が何より好きなだけかもしれないし、

実は寂しがりなのを自己欺瞞で、
ごまかしているだけなのかもしれないですけどね。
(ま、それはないとは思うんですけど)

ついでに言えば、
好きで好きでたまらなかった女性に初めて挿入した夜、
「生まれて初めて、いけた」
と言った言葉を、それから何年も掛けて真偽を考え、
考えたところで、人の言葉が嘘か本当かに証なんて立てられるはずもなく、
ベッドの上で、その事は考えず、
ベッドから出たら考え続ける僕の、まさに本質を突いた出来事だなあって、
そう思えるのです。

忙しさを通り抜け、
その間に色々な事を考えましたけど、
何故か自分の中に残った感想が、こんな話だったので、
胸を張って書いてみました。

実に小学生みたいな終り方が、
僕らしいわとか想いつつ。

流石に物語は、忙しさの中からは生まれないなあとか(笑。

ゴミ箱

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人というゴミ袋があったとして、

じゃあ、そのゴミ袋を解体して、
その内容物を並べていったら、
果たしてそのゴミ袋を表現する事ができるのかな?

って想像する。

多分、昔の僕は、
表現できるだろうと思っていて、

毎日、そのゴミ袋を漁っては、
その成果物を並べて悩んでいた気がする。

ある日、ゴミ袋に語りかけられる。

「ねえ、そのピンク色のプラスチックの丸っこいもの
何だと思う?」

「ローターじゃないの?」

「それは、私のお気に入りの、
チョコレートケースだよ。」

「なんで、そのお気に入りを捨てたのさ?」

「別に、捨ててないよ、ただしまってあるだけ。」


その日以来、僕は、
ゴミ袋の中身を漁るのを止めた。

でも、新しいゴミ袋を見つけると、
やっぱり、その中身を気にする性質は変わらないけど。


そしてある日、
けっつまづいたゴミ袋の中身がぶちまけられて、

一瞥した時に想像した、ゴミ袋の中身と、
ぶちまけられた内容物に、殆ど差がない事に気が付いてから、

あんまりゴミ袋の中身も気にならなくなった。


ある、何でもないアメのに日に、
自分のゴミ袋の口から中身を覗いた時、
僕の中にあると思っていた内容物は、
想像以上に異臭を放っていて、

僕が思っていた自分というゴミ箱の中身と、
口から覗いた内容は全然違っていた。

だから僕は、僕自身がゴミだと思うことにした。


僕は時々思う。
この世界がゴミで埋め尽くされているとして、

じゃあ、そのゴミを回収して、破砕して、
或いはリサイクル人たちは何処に居るんだろう。

断末魔を上げるゴミ袋を、一つ一つ焼却炉に放り込むとき、
その人たちはどんな想いなんだろう。

ならきっと、ゴミ袋を処理する人たちだって、
ゴミ袋なんじゃないかなって。

世界が全部ゴミ袋なら、
きっと世界はゴミ袋なんだろう。

でもきっと、世界がゴミ袋なら、
ゴミ袋というものが、生活の代替品として発生する、
ゴミじゃないものとの区別で生じるものなら、
世界全部がゴミなら、世界は逆説的にゴミじゃないのかもしれない。

人と同じように。
僕と同じように。
君と同じように。

僕の知らない誰かと同じように。

僕の物語 1日目

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とある方と、GW前にはまたblog記事書きますから!と
約束してからはや3カ月…。
ちょっと書きためてたものを放出させてもらいます…。
時系列はむちゃくちゃなので、季節感はゼロですがっ!

例によって正午に連続投稿していきます~。
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自分の物語を書いてみよう。

僕はそう思ったんだ。
俺もそう思ったし、
私もそう思ったんだよ。

僕「昔ね、そう、まったく8年間も続きがでない漫画があってさ、
その中で、騎士の中の騎士とも言うべき人物に、
騎士になりたかった少年が、腐敗した騎士の現状を目の当たりにして、
"僕は汚らしい騎士になんてなりたくない"と言い放つのね。
その少年は、騎士としてすごい才能をもっているんだけどね。」

私「ふうん。」

僕「そしてその騎士、女騎士は答えるんだよね。
君にとって、騎士は理想そのものなんだなって。」

俺「なんだか、漫画の説明みたいな蛇足で無意味な長台詞だな?」

僕「それはさあ、確かにはじめて見た20代後半?印象的なシーンで、
ずっと残るものだったんだけど、
最近その漫画を読み返して、いあ8年ぶりに再開するらしいんでね、
読み返したら、ああ、なんとなく、
前よりもはっきりと感情移入するなあって思ったんだよ。」

私「それってあれ?よく小説とかが、
成長とともに内容理解が変わるってやつかな?
まあ、贔屓目に見てもずいぶんアレなカミングアウトだけど…。」

僕「そうなのかもねえ、
つまりさあ、やっぱり僕は人間ってモノに対して、
酷く理想的で、生善的な捕らえ方をしてるんだろうなって思ったんだよね。」

私「なるほどねっていうか、貴方ははっきりと元々そういう人間じゃない?」

俺「何言ってるんだか、人間ってな単純に
衣食足りて礼節を知るんだよ、つまりお前はおぼっちゃんで苦労した事ないし、
だから、他人に対して優しくしなきゃなんてのは、
独善の名を借りた傲慢だと思うけどな。」

僕「う~ん、そうかもしれないねえ、でもさあ
満員電車の中でさあ?音楽大音響で掛ける人や、漫画を読んだり新聞読んだり、
もう少しだけ他人の事も考えられないのかなあって、すごく思うんだよね。

そういえばこの前、雨露で濡れたドアに触りたくないからって、
力いっぱい、後ろの人といか僕を押し返して、電車が揺れると、
少しドアに服が触れるのが、頭にくるらしくて、
ピンヒールで人の足を想いっきり踏む人が居てさあ、
どうして、そこまでパブリックな場で、自分本位に考えるのかなあって、
なんだか暫く哀しくなっちゃってさあ。」

私「それは優しさなのかしらね、貴方の。」

俺「そんな事に拘泥するあたり、お前が甘いんだよ。」

僕「でも、そんな自分本位で生きた先に何があるんだよ。」

私「誰もそんな事考えてないんじゃないの?
目の前を、日常って名前の剛速球が飛んでくる。

バッターボックスに入る人もいるし、入らない人もいる、
バットを振る人も居れば、振らない人もいる。

それだけのことじゃない?」

俺「それであれだ、当たる人と当らない人が居て
ホームランになる人とならない人が居て、

本当に悲劇なのは、ホームランを打ちたいけど、打てない人と、
ホームランを打てるのに、打たない人がいるって事実だな。」

私「でも、大半の人間は、バッターボックスに立って、
自分がホームランを打てるかどうかも知らないで、

ボックスに入って、バットを握りさえすれば、
”多分”打てる。

そう思ってることが人間の悲劇だと思うな。」

僕「僕は打てるのかな。」

私「貴方は打ちたいの?」

僕「打ちたいと思う。」

俺「そうやって消極的に思ってる限り、
結果は大衆と同じだってコイツは言ってんじゃねえか。」

僕「打ちたい。」

私「なら打つしかないんじゃない?

結果も、過程も、全て貴方のものだよ。」

僕「うん、そうだね。僕もそう思う。
そう思えるようになった。」

俺「誰だって解答なんてないし、世界は人間の数だけあるし、
お前が事ある毎に書いてる言葉そのままじゃねえか。

I thought what I'd do was I'd pretend I was one of those deaf-mutes.

だろ?
というか、結局お前の理想論ってのはさ、
全部借り物なんだよ、

物語で漫画で小説でアニメで映画で?
そこで得た知識が自分の経験だと思い込んでることが、
お前の薄っぺらさの根本だと思うけどな。

世の中見回してみろよ、ネットだ本だ、
それみて判るようになってる事ばっかりだろ、
料理本みて、おいしい料理がつくれるなら、
誰だって苦労なんてしないんだよ。」

僕「うん、言っている意味が判るよ、
そうやって薄っぺらさに、こう少しむずがゆさを覚えて、
やっと膨らみが出てきた気がするんだよね。」

私「成長期の女子の胸の話しみたいね。」

僕「世界は変わらないよね、そもそも世界が何かが定義できないしさ。

変われるのは自分だけだっていうのは、
なんというかな、そう思えることが始まりなのかなって思うけど。」

俺「お前は、中学生かっての。」

僕「時々自分でも自分の幼さにいやになることがあるけどね。
でもさあ、世界と世界、他人と自分の境界って曖昧だし、
そこに違いがあるかどうかを認識してるかどうかだって怪しいものじゃない?

なんか精神的に成長していくってことは、
孤独と似てない?」

私「それは、それこそ貴方の甘えだと思うよ、
どうして成長の方向性が1つしかないの?

私から言わせて貰うと、貴方は常に、正解が1つだったり、
道は1本だったり、
なのに全ての道はどこか貴方の望む常若の国に通じてるよね、
多分、それは間違いよ?

この問いかけの間違いじゃなく、貴方そのものの中にある、
間違いの中心、災禍の中心よ?」

僕「そういえば、上司に君は自信があるよねって言われたことも、
最近、辛辣だなあってやっと気が付いたけどね。」


俺「しかし、なんだな、
その漫画楽しみだよな、4/10に再開だっけ?」

僕「そうなんだよね、楽しみだよね。」

私「結局あなたたち2人は、最後は其処に行きつくのね。

なんというか、2人そろってやっぱり子供だよね、いい年して。

幼さがかわいさに映るのなんて、30-40代の女性が、
1-20代の男の子に求めるだけだからね、40近いおっさんのかわいさなんて、
間違いなく誰も求めてないから。」

僕俺「判ってます…。」

私「つまり今回の教訓は、
結局貴方たちは、オタクでおぼっちゃんって事だけよね。」

僕俺「その通りです、だな…。
でもさ?それは確かにそうなんだけど、じゃあ女ってのは何を求めてるんだよ?」

私「現実。」

僕俺「…。」

私「年とともに、現実ってのははっきりしてくるもので、
手が届かないと思ってたつり革にもいつか手が届き、そしてそのつり革に、
誰とも知らないおっさんが触った手垢が浮かんでいることに、
徐々に気がついて行くのよ。

その上で、現実はよりリアルになっていくのよ。」

僕「さ、そろそろ今日は部屋に戻って模型でも作ろうかな。」

俺「俺は、エロビデオ見るわ。」

秋と恋

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昔、僕は冬が好きだった。

自分と世界の境界線が、微かな痛みと共に認識されるあの季節は、
僕に、独りで生きて行けと厳しく励まされているようで、
あの夏場に伴う、何もかもが曖昧で、
不快な体液と悪臭の坩堝の中にある感覚とは正反対に、
僕にとっては、潔い、生き易い季節だった。

だけど、僕の側を通り過ぎていった女性達と同じくして、
いつしかその厳しさに、
僕の身体は拒絶を覚えるようになってしまった。

それは、矢張り別れた女性達と同じように、
僕に拭い去れぬ福音を齎す事になった。
いつしかお前は死ぬのだ、此処はその通過地点で、
そのずっと先には死があるという事を。

恋に始まりと終りがあるように、
僕は冬に愛され、そして拒絶された。
この感想が聊か主観的過ぎるとするのなら、
もしかして、冬を拒絶したのは僕なのかもしれない。

そして僕は秋の中に居る。
周りはもうコートを着込み、
あれほど蒸し暑かった季節を忘れ去るように、
肌を、心を、隠す人々の中で、
僕は半袖のシャツを来て、街に出かける。
夏場には日陰を求めて動いていた人々は、
やがて風を避けるように建物の中に消えていくのだけど、

僕にとって、
装いを剥ぎ取られた街路樹と一緒に、
なんだか生気のない空を見上げながら、人気の少なくなった喫煙場所で、
独り煙草を吸うことは、悪くない時間の過ごし方だと思えた。

言い換えれば、もう僕は必要以上に傷つきたくは無かったのだと思う。
既に自分の手の中にあるささやかなもので、
残りの人生を費やしていけるという、漠然とした自信があったのだと思う。
それは、零れていった様々なものを思い返し、
この手に残った、ほんのささやかなものだけは、
奪い取らないでほしいという、頑なな願いだった。


曇った空を見上げながら、
僕はふと思う。

そろそろ死んでしまった恋について、
語っても好い季節になったんじゃないかと。


会社の昼休み。
何処までが壁の色で、何処までが煙草の煙の残滓で、
そしてその何処までが店主の意向なのかが分からない壁をした喫茶店で、
僕はやっぱり煙草を吸いながら、冗談みたいな小説を読んでいた。

頁を捲りながら、物語を消費している僕の他に、
全く別の事を考えている僕を発見したのは、
恐らく昨日の睡眠時間が足りないから。

物語の中で、世界より好きな女性を選ぶ
登場人物を見ているうちに、

そういえば、昔、
自分も恋をしていた事を思い出す。
僕を取り巻く何もかも、
現実的な何かも、抽象的な何かより、
その時僕が関わる全ての事象よりその恋を優先していた頃を思い出す。
世界を相手に、自分の恋を主張し続けていたかのような日々を思い出す。
その結果、僕は世界との架け橋を失った恋を思い出す。

人は、恋は、何れにせよ、架け橋などではなく、
あくまで人は人の肉と形を持った人であること。
恋は恋であって、それ以上でもそれ以下でもないこと。
多分そんな当たり前の事に気がついたのは、
本当に最近の事だけれど。


例えば、奥に煙草を吸いに戻った店主の代わりに、
白い髭をたっぷり蓄えた柔和な老人、
それは現実世界で見るには、
あまりにも柔和すぎて違和感のある老人が現れたとして、
殆ど生活臭のしない自らの手を使って、
洗い物を始めたとする。
此方も見ないで、静かに僕に問うたとする。

その恋をもう一度やり直させてあげようかと、
全く表情も変えずに僕に問うたとしたら。

僕はきっと、苦笑いをしながら、
「結構です。」と応えるのだろと思う。
同じく柔和な表情を浮かべる老婦人に、
電車で席を譲った時のやんわりとした辞退の様に。


まだ冬に此処まで拒絶されていなかった頃の僕が、
もしそんな機会を得たとしたら、
妄想の中の妄想であるにも関わらず、
自分でもはっきりと判るくらい胸を熱くして、
肯定の意思を示したんだろうとは思う。
まあ、その半分くらいはただの好奇心だったとしても。

仮に僕が「yes」と応えた後、
じゃあどの時点まで戻せばいい?と問われれば、
僕の恋がどこで終わったのかその地点さえも、
今の僕は特定できる。

でも僕は、
その地点を胸に描きつつ、
曇り空の下、誰も居ない会社の屋上、
世界の全てが灰色と影で出来ていたあの瞬間を思い返し、
やはり「No」と応えるだろう。

恋愛には生き死にがあって、
死んでいない恋愛は息を吹き返すけど、
死んでしまった恋愛は、もう生き返ることはない。

そう恋心は
忘れるんじゃない、
消えていくんじゃない。
「死ぬ」ものだと今の僕は理解している。

考えてみれば、
僕の恋愛の終りは、
大半が、喧嘩別れか自然消滅だったかだけれど、
つい最近、自然消滅ってほんとに失礼な終わり方だと、
友人にそう言われて、ごくまっとうに納得した覚えがある。

僕の恋は簡単だ、

僕が手を離さないと決めている間は、恋が終わらない。

僕が手を緩めると、恋は終わる。

だから僕は、それほど誰かに必要とされたことがないんだと、
そう思っていた。


でも、もしかして、

僕が過去に付き合っていた女の子が、
天文学的確立でコレをみたとするのなら、

手を離したのは貴方が先だと、言われるかもしれないなと考えた。

そんな風に、人生で初めて考えてみた。


どちらかの恋が終わった、

いや、死んだのなら、
恋は何をどうしても続かない。

そして、死んだ恋の側から、死んでいない恋の側は永遠に見えない。
見えるとするなら恋はまだ生きている。

死んでいない恋の側からすれば、死んだ恋は、
世界でも有数の残酷な光景だと思う。

でもそれは、世界が残酷であるのと同じくらい、
ごくありふれた光景なのだと思う。
きっと、個人にしてみたら、世界は連続してなんかいないのだから。
先ほどまで振っていた慈雨が、
いつしか絶望的な陽射しで何もかもが干からびていくのは、
世界にとっては必然だけれど、僕にとっては必然ではない。
僕にとって世界は必然だけれど、世界にとって僕は必然ではないのと同じ理由で。


例えば僕が関西弁の生活圏へ、ある日異動を命じられたとする。
僕が使う言葉のニュアンスと、
彼らの言葉に絶望的なニュアンスの違いがあったとして、
それを解決するのは、緩やかな時間と妥協だけだと思う。

恋はきっと、河床で耐える尖った小さな石みたいなものなんだろう。
いつしか、その切っ先が丸く鈍くなるには、
それなりの時間が必要だし、
多くの場合、その時間が到来するのを待ってくれるほど、
人一人が生きていくには世の中は急すぎるし、
大抵の人はそれほど気長でもない。

殆どの場合、恋と言う石は、ある形に整形される前に、
脆く崩れてしまう。

それは生活に根ざしたものではないから、
変質して丸い石になってしまった尖った石を、
本質的は恋と呼ばないから。

再び先ほどの老人に登場してもらって、

「今してる、
宝物みたいな恋が実らないのと、
宝物が、生ごみに変わるのならどちらがいい?」

と問うて貰うとする。


絶対的に辛いのは、後者だと思う。

前者は、自分の想いと時間が無駄にはならない可能性を残しているけど、

後者は、大抵の場合、全てが無駄になる危険性を孕んでいる。



自然消滅で終わった恋は、
僕にとっては明らかに後者だから。

でも、最近僕はさらにふと思う。


愛情の反対は、憎悪じゃない。
愛情の反対は、「無関心(アパシー)」

冷静に振り返れば、
僕は自然消滅の名を借りて、

ある日無関心になった恋人が存在する。

憎悪じゃなくて、無関心に。

別に昔の恋人が生きていても死んでてもいい、

と、

昔の恋人に、憎い死ねばいい、と思うのには

明確な差がある。


そう小説の字面を追いかけているのか、
頭の中での小旅行を愉しんでいるのか、
僕にも全く判らない思考の渦をかき混ぜるのを止めて、考える。

では僕は本当に無関心になったのだろうか。

いつしか老人は、
はっきりと僕の目を見ながら、一切の作業を停止していた。

僕の中で、死のうと生きようとどうでもよくなった人々は居る。
積極的に係りたいとも、係りたくないとも思わなくなった女性達は、

確かに居る。

でも、答えが『NO』であれ、
僕の中に一瞬の溜めが出来る人はほんの僅かに居る。

最後に会ってから、もう20年近くが経過して尚、
できる事なら会いたいと思う人が居る。

寝覚めと同時に、強く握り締めた拳の間から血が滲み、
ついさっきまで強烈に感じていた、愛憎と性欲が、
ただの夢だったと自覚する朝が在る。


随分と久しぶりに、
自分の奥底に沈めた、憎悪の塊の置き場所を確認してみる。

極自然に、極均一に、
その塊は確かに其処に存在していた。

紅い薔薇を蒼くするには相応の対価が必要なように、
随分とその塊が僕という人間とほぼ同じ形をしていた頃に比べて、

大分変質はしていたものの、
その本質は、明らかに憎悪だった。

つまり僕の意見からすれば、
僕の恋の一部は『死んで』『死に尽くして』は居ないのかもしれない。
随分とその勢いも無くし、
部屋の片隅にひっそりと息づく、長年そこにある滲みの様なものだけど、
或いはこの憎悪は、愛情に根ざしたものであったし、
それこそ老人の起こす奇跡でもあれば、
それは愛情に還元されるものなのかもしれない。

しかしそれでいて、
現実にその憎悪の残滓が、愛情に昇華する可能性は
殆どゼロに等しい。

別れた相手に対して、
それも絶望的な乖離から別れた相手に対して、
また連絡しようという可能性が、
日を追う毎に低くなっていく事を鑑みても、
恐らく、本質的には憎悪や愛や恋であったものが、
実質的には別のものに換わってしまったのなら、

やはり日を追う毎にそれは還元される事もなくなっていくのだ。

僕は思う。
時間が解決するのは前向きな問題ではなく、

恋であったものが、二度と恋に還元されないように、

今飛び込んで泳げば渡れる対岸に、
船に乗った僕が、
手すりから見える向こう岸へのその距離が、絶望的な距離になるまでの、
経過にしか過ぎない。

別に鰐が居るわけでもない、
酸性の液体で満たされた河でもない、
ただ、もう向こう岸には行けないという、根拠のない諦観を、
時間は生み出すに過ぎない。

それが恋の、実質的な死だ。
それが恋の、現実的な死だ。


そうして僕は、ゆっくりと、
過去、僕を通り過ぎていった女性を思い返す。

一人一人を思い浮かべ、
名前すら想い出せない人が居る事に驚きを感じつつ、

各人と僕の間に広がる、
茫洋とした河を感じる。

そして、誰一人との間の距離とて、
僕がそれこそ命を掛けて、対岸まで泳ぎ着いたとして、
その先に待ち受ける何かに、
前向きな表情で向かっていけないであろう事を実感する。


「つまり僕の恋は死んだんだね。」

小説を捲る手を止め、僕は声に出して言う。

柔和な老人は、
僕の目を見ながら言う。

「果たしてそれは本当なのかな?」

僕は、その老人が言わんとした事を理解できた。
だから僕はやはり、力なく笑う事しかできなかった。

僕を今に繋ぎとめる何かよりも、
過去の僕を突き動かしていた感情に重きを置いていた。

そして、独りの女性の顔を思い浮かべた。
その表情は今も笑っていた。
きっとその表情を前にした時、
僕はやっぱり笑うんじゃないかなと思った。

誰かの来訪を告げる、扉についた鐘が小気味よい金属音を奏でると同時に、
僕は真っ白い世界、もの輪郭もなく、色彩もなく、
ただ、例えば机であったもの、珈琲カップであったものの、
陰だけが残る世界に存在している事を知覚する。

手を伸ばせばそれに触れる事ができた。
すくなくとも、珈琲カップを構成する陰が動いた。

そのカップに口をつけ、
液体と思しき陰を飲み下すと、
なんだか、白くなった僕の喉の中に、
ゆっくりと陰が落ちていくような感覚があった。

老人の声だけが聴こえてくる。

「君は、何を望んでいるんだい?」


「何も。」


「君は、何を望んでいるんだい?」


「何も。」


「君は、何を望んでいるんだい?」


「判らない。」


「君は、何を望んでいるんだい?」


「判りません…。」


「君は、何を望んでいるんだい?」


「…。」


「君は、何を望んでいるんだい?」


今の僕に、喉を動かす事はできなかった。
喉まででかかったその言葉を口にするには、

僕は歳を取りすぎていた。

僕は俯きすぎていた。


やがて、僕は微かな浮遊感と共に、
白い世界から抜け出していった。


喫茶店を出た僕が最初に目にしたのは、
今年最後の蝉が、蟻の群れに蝕まれている光景だった。


それは再生の物語。

金木犀

テーマ:
ほんの短い今年の秋に、
僕が書いた2編を、今日明日でお届けします。
んで、どっかに感想を書いたりします。

1つは、会社そばに咲いていた金木犀を見た実体験、

もうひとつは、純文学が読みたいと言っていた友人の言葉から始まったものですが、

明後日あたりの感想に書きますが、
なんか僕も変わったなあという気がします。

大人になったわけじゃなく、
遠くに来たなあって、なんだか軌跡を振り返ってみたり、
もう、初期のblogを知る人もいませんが、
なんとなく、僕自身が変わった気がします。

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冬も近くなった透明になりつつある空気な中で、
ふと僕は立ち止まる。

会社の業務の合間、外に出て、煙草を吸ったり、
メールをしたり、ほんのひと時恋する誰かに電話したりしていた、
会社の敷地内にある空きスペース、

丁度道路と面したその場所に、生け垣があって、
夏の間青々と茂る硬めの葉っぱしか、
僕は目にしていなかったのだけど、

つい先ごろ、
その生け垣には、黄色い四葉のクローバーの様な花が咲いていた。

細かい花弁が折り重なり、なんだか甘い薫りをあたりに振りまいて、
その実、僕はその黄色い花を見つけるより前に、
金木犀の名前が頭に浮かび、
後から視覚情報で、僕がいつも佇んでいた場所、
生け垣こそが金木犀の在り処だと知る。

ほんの2日か3日、
その薫りを愉しみつつ煙草やメールや電話をするのだけど、

あっという間に、
あの内側に恐ろしい密度を湛えた、ほんのりと橙がかった黄色は、
あるものは風に舞い、最後に僕を愉しませ、
あるものはそのまま、くすんだ茶色となって、
はらはらとその姿を消していった。

1週間も経った頃には、近くの排水溝に、
あの美しく芳しく咲いていた花弁が、
茶褐色の残滓となって、溜まっていた。

生け垣は、まるで他人顔をしながら、
一週間まえの碧だけの様相に戻っていた。
なんだかほんの少し疲れて見えたけれど。


だから、その光景を見て、僕は天啓のように考えたのは、
恋についてだ。

この金木犀の在り様と、恋というものは、
とてもよく似ているんじゃないかと、僕は感じた。

花は散ってしまった事をどう受け止めるんだろうか。

きっと来年も咲こうとしているだけなんじゃないだろうか。


僕にとって、花は恋で、
恋は散ってしまいたくないもので。

多分、僕にとって、
恋こそが最後に残された、人生の悦びだと感じて居たんだと思う。


僕は花が散る事を恐れて生きていた。
僕自身がどう感じるかではなく、
花が散らない事を目的に生きていた。

でも、金木犀の潔さ、
すくなくとも僕の主観にはそう見えて、
花弁だったものの生々しい醜悪さが、

これが正しいものの姿のように感じた。

花も恋も散るものなのだと。

散って尚、また咲くのが花と恋なのかと。


一度散った花が、
再び僕の中で芽吹く事はないと思っていた。

でもそうじゃないのかもしれない。

例えば罵り合っても、
根の部分を共有する家族は、

また来年も花を咲かせるのかもしれない。

去っていく恋人が、
今年と同じ花をつけないとしても、
やはり僕という苗から、
花はまた咲くのかもしれない。


僕は桜が嫌いだと言っていた。
本当はなによりも桜が好きだから。

でも、世の中の人は葉桜が美しくないという。
僕は葉桜も美しいと思う。

花が咲かない桜に、人々はあまり見向きもしない。
でも僕は、花をつけない桜に人生を感じる。

だから、桜が好きだと多くの人が言うのと、
同じ理由で桜が好きだとは言いたくないから、
僕は桜が嫌いだという事にした。


きっと僕は恋人に、
桜が綺麗だと呟くとする。

きっと恋人は、
僕が桜は嫌いと言っていたなと違和感を感じるのだろう。

「桜は嫌いじゃなかった?」

と恋人の問いかけに、

「僕を判ってくれないのか?」

と哀しみと憤りを感じるのだろう。


だから僕は、
桜が好きだという事にした。

金木犀の香りを3日だけど愉しめたんだと思うことにした。

恋はまた咲くのだから、
いま咲く恋を愛でようと思った。

花が咲いた自分を愛でようと思った。

生きていて嬉しいと思った。

あの還を終えて

テーマ:
いやあ、突然実家に行かなくてはならなくなり~?
実はネットに接続できなくて、この記事アップできずにいましたとかw

まぁ、一部では、
軽い話…とか、最後だけはいい…とか、
純文学を書け…とか、あのモデル私じゃない…とか、
まあ、言われてたり言われてなかったり、
リンクのない方々から新規でコメント頂けたり?

正体がきになってしかたなーーーーーーーーーーーーーーーーい、
という事で、生存確認のために久方ぶりにblog書いてみましたが?

もはや何を書いていいのかも解らず?
なんかリクエストあれば教えてほしいなあとか?

何故に疑問形?

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「珍しく、初めと終りのある話が終わったな。」


「なんか、私は都合よくヤられた感がある…。」


「ほら、ちゃんと先っちょ論理にケリがついたってことでさ、
こういう男もいるんだよ、うんうん。」


「損するのはいつも女の方だよ!
つか、そもそもいれてるじゃんか!?

大体この話って、結局誰得なんだよ!?
とっととコクればいいじゃん、馬鹿じゃないの!?」


「…す、すいません?

でも、この後の話も一応あるらしいぜ?」


「私が、秀樹の子を身ごもって、

将来有望な彼氏と、結果的に別れて不幸な道を歩く話なんて、
全然見たくもないわけだけど。

というか冗談じゃないわよ。
嘘でしょお?」


「まあ、大丈夫だよ、
結局この作者も子供とか居ないし、
そんなリアルな想像できっこないからさ。

居るのか判らない読者様が続きみたいなら、
続けるのもいいのかなって話。」


「そうやっていつもマージンを残して生きようとするから、
失敗ばっかりするんだよ。

秀樹とかいって、結局のび太より馬鹿だよね。

まるで成長していない。」


「あ、諦めたらそこで試合終了だよ?!

そ、そこまでいうなら、小夜だってなんか防壁下げて、
こうラブい雰囲気に持ってったっていいじゃんかよ?」


「はぁもう、秀樹と知り合ったお陰で私の大学生活はむちゃくちゃだよ。

ネタバレしてあげるけどね?
私、ずーっと告白されてたんだよ、
んで、ずーっと待ってたんだよ?

大体さ?1話の時点でこう在りたい自分って、
これがこう在りたい自分な訳?

うじうじと同じところをグルグルとしてさあ、
シンジ君なわけ?!」


「そういえば、エヴァ、やっと公開すんのな。」


「今更エヴァとか、これも誰得なんだよ。
既にテレビ版できっちりと終わってるのに、
劇場版、新劇場版って、どれだけ惨めなの?


あまつさえパチンコとスロット何台出すわけ!?」


「そうはいってもなあ、政治と同じで、
望んでるのは大衆な訳だからなあ。


しかしそんな事よりね?

なんで小夜は最後に屋上きて、
あまつさえ僕のお願いなんか聞いたわけ?」


「…はあ…この男は最後までこれなのか…。

やっぱり色々間違ってるわ、リアルでもこの話でも。」


「まあ、これでも小夜と知り合って
大分更生したんだけどなあ…。」


「大体秀樹はさあ、
自分の中の私が好きなんであって、実際の私が好きなわけじゃないんだよ。」


「そう言われると、返す言葉もないけど、

実際それってどんくらい違うもんなんだ?」


「エロマンガのおっぱいと、現実のおっぱいぐらい違うね。」


「おお!実に判りやすいんだか、判らないんだか、判らない答えだな!

でもなあ、小夜、
恋ってのは寿命どれくらいなんだろうなあ。

少なくとも、まあ、パラレルワールドでの僕自身の意見としては、
誰かを好きって気持ちを10年以上抱いていた事があるけど、

一般的には、結婚当初・付き合いだし当初のラブラブなんて、
すぐに冷めるもんだってなってるよなあ?」


「そんなのお互いの気持ちが向き合ってれば続くし、
向き合わなくなったら終りだし、その時のことを、
そうなってない時に考えるのってよくないと思うけどな。

それにラブラブだけが恋じゃないでしょ。」


「その辺は、僕は判らないかなあ、

好きな相手には、何年経っても僕はドキドキするし、

触れていいのかなってやっぱりいつも思うけどね。」



「まあ、ある意味その感性で、
この男は、女を結果的にだましてる感があるんだよなあ…、

でも、普通に聞くと、

やだ、この男、ちょっといいかも…

って聴こえるのが怖い。」


「別に狙ってないし。」



「まあ、よっぽど馬鹿な子以外は、
狙ってるかどうかなんて判るんだよね~。」



「女って怖い。」



「男が馬鹿なだけだよ。」



「それはそうなんだろうと、

血の涙を流しながら思うけどね…そうなんでしょう。」


「うわ、べへリットみたいな顔になってる。」


「でも、やっぱり始まりと終りがあるのは、
いいもんだなーって思うわ。

結局、自分の中で構想のある物語ってこれで3つになったけど、

ちゃんといつか書かなきゃなーって思ったさー、自分のために。」


「それがあわよくばどっかに投稿して…とか思ってるなら、
本気で辞めた方がいいよ、

秀樹程度は、世間に掃いて捨てて、
東京ドーム3杯分はいるからさ。

こどもブロイラーよりもさらに利用価値のない、
おっさんブロイラー行きだよ。」


「思うんだけど、
よく、東京ドーム何個分の広さとか、

東京タワー何個分の高さとかいうけど、
あれって全然実感沸かなくないか?

東京ドームの広さなんて微塵も知らないし、興味もない。」


「まあ、秀樹の文章と一緒だね。」


「さらりとほんとに酷い事言うね…、凹むぞ?」


「凹めばいいよ。」


「なあ、小夜。」


「なによ。」


「それでもな、俺、

小夜に会えて嬉しかった。

小夜の肩越しに見た星空の事と、
小夜のあったかさ、

それと、小夜が教えてくれたこと、

俺、忘れないよ。」


「本当にあれでよかったの?」



「よくは、ないけど、

最悪ではない。」


「そっか、ならよかった。

ねえ、秀樹?

いつかちゃんと幸せになりなよ?」


「なれるといいね。」


「そう言えるようになったんだね。」


「ありがとうな、小夜。」


「うん。」

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というわけで久々の物語お~わりっとw

皆様お付き合いくださり多謝多謝でありんす。
結局リニューアル版な内容になってしまいましたが~、
久しぶりに、最初と最後のある話を書けました、
お付き合いくださった皆様、というかごく一部の方、
ありがとうございました。
まあ、後日感想はあの二人に語ってもらうとして、

やっぱり、何かを作ってる時は楽しいですね。

この恋愛中毒者の私ですが、
もう中毒から抜けてきたと思っていましたが、

それでも恋愛が好きなのかもしれません。

そして、恋愛より、創作の方が好きなのかも知れません。

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『あの日に還りたい 十九話 (最終回)』


小夜に会ったのは、本当に年末まであと少し、
という学校は長期休暇に入った時だった。

正確に言えば、
この1ヶ月と少し。
キャンパスで小夜を見かけたことはあった。

でも、僕にとって小夜に会うといえば、屋上だったし、

小夜以外の誰かに、この屋上で会ったこともなかった。


頭の下で、異音が鳴り、
ハシゴを誰かが登る気配を知覚はしていたけれど、

僕はそれが小夜だとは思って居なかった。

少なくとも、ハシゴを小夜が登ってきた事は一度もなかったし、
何時もハシゴを降りるのは僕だった。


「またこんなところで寝てる。」


「此処が好きなんだよ。」


「前は行く場所がないから、此処にいるっていってたじゃない。」


「そうだったかもしれない。」


「私が来るのを待ってたの?」


「さあ、どうなんだろう。」


「そこはそうだって言っとけばいいのに。」


寝転んだ僕の横に、
体育すわりで小夜が腰掛ける。

目も開けず僕は小夜と話をする。


「ずっと前から、小夜のこと好きだったの知ってた?」


「そうなんだ。」


「実は彼女がいるの知ってた?」


「それは知ってた。

何度か、駅の裏で一緒にいるの見かけたしね。」


瞼が震え、目を開きそうに、僕はなる。


「小夜、僕と初めて会ったあの日、ほんとは何に喜んでたんだよ。」


「ほんとに判ってなかったの?」


「判ってないよ?」


「じゃあ、ヒントをあげるよ。

曇った空に映るのは自分の気持って、あれは私の言葉じゃないんだよ。

昔、好きだった文章があって。



此処まで言えば判るでしょ?」






「そうか、そうなのか。


それなら何で、今日ここに来たの?」


今まで見た中で、一番複雑な表情を浮かべて、
小夜は僕に応えた。

「うん、最後に一つだけ秀樹のお願いを聞いてあげようかと思って。」


今までの中で、一番素直な表情で僕は応える。


「小夜とキスしたいね。」



目を閉じていた僕の隣で、
小夜の動く気配が感じられて、

顔の前で、小夜の体温が躊躇いがちに近づいてくるのが判った。


それは、キスと呼ぶには、
あまりにも短い接触だった。


でも、それでも、
僕の身体を構成するものが、そっくり入れ替わってしまうような、
そんな戦慄が身体を突き抜けていく。


「もう一個お願いしてもいいかな?」


「何?」


「もう一回キスしたい。」

僕は小夜の目を見て、お願いをする。


空を仰ぎ、

少しだけ止まって、

此方を見ずに、いいよと言った小夜を、
僕は抱きしめた。

驚きなのか、拒絶なのか、
最初身体を硬くしていた小夜は、

さっきよりは長い接吻の間に、
最初は震えて、
それから、少しだけ身体を柔らかくして、

でも、僕が咥内に舌を挿し伸ばそうとすると、
勢いよく、僕から身体を離した。

僕は知らなかった。
キスで人の気持ちと言うのは、
本当に伝わるものなんだという事を。

細かい機微の中で、小夜の想いが伝わったような気がした。


物事の白黒がつかないと一歩も前に進めないはずの僕は、

何故かこの日の事を、直感的に理解できた気がした。


「ねえ、お願いがあるんだ。」


「まだあるの?」


「うん。」


「何?」


「小夜を抱きたい。」



「今?」


「うん。」


遠くで名前も知らない鳥が旋回していた、
あの鳥の名前を知ってる?と問いかけようとして、
僕は言葉を飲み込んだ。

何時も、僕は沈黙に耐えられなくなって、
小夜に何かを尋ねてしまう。
それが大事なタイミングを殺す事もあったし、
会話の流れとして思わしくない方向に行く事もあった。

だから、今日、僕は黙って小夜の答えを待った。



目を瞑って。

と小夜が言う。

僕は目を瞑る。


瞼の裏で、
ベティブープ柄の白いワンピースの小夜が、
黒いストッキングと一緒に、
下着を片足だけ抜いていくのを感じた。

横になった僕を跨ぎ、

目を開けないでねと、注意を残して、僕の上に乗る。

僕はジーンズのジッパーを下ろし、
ペニスを夜気に晒す。

その動作の中で触れた小夜の内腿は、
眩暈がするほどの柔らかさをしていたし、

柔らかな陰毛の奥が、
強かに湿っているのを知る。

僕は、着ていたハーフコートを腰の下に敷き、
小夜に問いかける。

「目を開けていい?」

返事を待たずに、
僕と小夜の視線が絡まる。


「3つもお願いを聞かされたよ。」


「ごめんね。」

僕の先端が、
小夜に割り込む。

小夜が僕をゆっくりと飲み込む。


僕は、小夜の背中に手を廻し、
身体ごと引き寄せる。


「寒くない?」


「寒くない。」



「痛くない?」


「痛くない。」


いつまでたってもそれ以上動きを見せない僕に、
小夜は、幾分不思議そうな顔をしていたけど、

僕らはそのまま、キスをした。

何度も何度もキスをした。


小夜は泣いていた。

僕は泣けなかった。



「彼氏の事、好きなの?」


「うん。

秀樹はタイミング悪すぎなんだよ。」


再び、ごめんねと言いかける自分を自制し、
僕は小夜を抱きしめる。

小夜の腕に篭る力の具合は、
なんだか物言わぬ小夜の返事の様な気がした。


言葉にしなくても、
伝わる何かがあることを、
僕はこの日初めて知った。


独りの部屋で、
僕は着ていたものを脱ぎ捨て、洗濯機に叩き込む、

その勢いの中で、小夜の髪の匂いが僕の鼻腔を刺し貫く。

その匂いを嗅いでるだけで、
この一年近くの事が僕の中を駆け抜けて行った。

笑っている小夜。
脹れている小夜。
怒っている小夜。

何かを言いたそうな小夜。
何かを言う小夜。



振り返った鏡の中で、
僕は泣いていた。

随分と久しぶりに涙を流した。

涙が暖かいものだと言うのは、本当の事だった。

僕は同時に理解していた、
きっと、春に小夜とであったあの時間に戻れたとしても、
僕は何度でも同じ事を繰り返し、

その度ごと、小夜に恋するだろうという事を。

その度ごと、最後は独りで涙するしかないだろう事を。

そしてどんなに望んでも、
もうあの時には還れない事を。


僕の世界の果てに、月が浮かんでいた、
四角く切り取られた世界に、月が浮かんでいた。

なんだかその月は、小夜の微笑みに見えた。

なんだかその月は、泣きながら伏せた小夜の瞳に見えた。


丁度このあたりが予約で解放されているあたり、

実家に帰ってたりします。
還って?いあ、あそこにはもう還れないけど。

1週間暇してるので、
誰か酒盛りでも、いやらしいことでも一緒にしませんか?(笑

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『あの日に還りたい 十八話』

その日を境に、
小夜は屋上に現れなくなった。

1ヶ月の間、小夜は1回も屋上に来なかった。

それでも僕は、講義の合間になれば屋上にのぼり、
煙草に火をつけた。

小夜を待っていたわけではないんだと思う。

僕には、他にする事が無かっただけなんだと思う。


年末も近くなったある日、
屋上で空を見上げていると、

雪が降ってきた。

夜でもない、夕方でもない時間に。

僕の頬の上で、雪が数秒間は雪として存在できるくらいの粒の大きさで、
灰色の空を背景に、雪が降ってきた。

僕の身体は、この場所から一ミリだって動けないのだけれど、

降ってくる雪を見上げていたら、

なんだか空に向かって飛んでいけるような気になった。


でも、現実的な重さを持った僕にできたと言えば、

その景色に煙草の煙を吹きかけること位だった。


「僕は、何をしてるんだろうな。」


僕は何もしていなかった。

二十歳になった僕は、何もしないばかりか、
周りの全ての人を傷つけて生きていた。

恋ってなんなんだろうなあ…

とか、いつものようにベランダで考える。

同じ景色を見ながら2年間。

そろそろ引っ越しをしようと思ってます。

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『あの日に還りたい十七話』


その夜、僕は部屋に居た彼女に告げる。
雨の中、傘も差さずに居た僕は、

玄関口を汚すだけの存在だった。


「ごめん、好きな子が居るんだ。」

タオルを取ってきてくれた彼女の手が僅かに震えた。

それを見ながら、
僕が次の言葉を発する前に、彼女はタオルで僕の頭を拭いてくれた。


「そんなの知ってたよ。

それに、何度か街で一緒に居るところも見かけた。」


「じゃあなんで?!」

何時になく激しい口調で僕は返す。


「だから言ったじゃない。

私は、昔貴方が好きだった。

なんだか、いつも独りで居て、
周りなんかちっとも気にしないで、それなのに全然寂しそうじゃなくて、

貴方のまわりには、他の誰とも違う雰囲気があった。

それがなんだろうと思って、

気がついたら貴方を見ていて、

いくつか季節が変わって、

そうか、これが恋なんだって判った時には、もう卒業式だった。


そして再会した時、貴方は応えてくれた。

私は、貴方に私を好きになってってお願いしたわけじゃない。

一緒に居たかったの。
もう、学校も住む町も変わったけれど、

もう一度、貴方と同じ時間を過ごしたかったの。

私は私のできる事をして、貴方に私を見つけて欲しかったの。


それだけなんだよ。」


「そんな僕にとって都合のいい話があるかよ。」


「貴方にとって、色々触れられたくないような傷があるのと同じように、

私にもそれはあって、
貴方と居たら、その傷が治るかもしれないって思ったんだよ。


この部屋に来るようになって、
2ヶ月くらいの時、貴方に怒られたじゃない。

どうしてそんなに、自分の中にいる自分を無視するんだって。

迷惑なんて掛けてもいいから、
ありのままの自分で居ればいいじゃないかって。

あの時、私は、貴方が言うように、
自分の中の自分を大事にしようと思ったの。

それを教えてくれた貴方を大事にしようと思ったの。


私は貴方に美術館で、突拍子も無いお願いをした。

だけど私は、まだ貴方と本当に付き合えたとは思ってなかった。


貴方が別の人と楽しそうにしているのを見て、
私には、その事で貴方を責める権利なんてないと思ってたから。」


僕は、彼女を抱きしめたいと思った。

だけど、セックスの時に、
君を好きだよというのと同じくらい、

僕は、その行為を卑怯だと感じた。


この子は僕と同じなんだ。

鏡を背にして立つ僕の、向こう側にいるのがこの子なんだと理解する。


「貴方は、私に居なくなって欲しいと願うの?」



「…そうじゃない。
ただ、君がいるこの生活を受け入れる資格は僕にないってことだ。」


彼女はどうしていいのか判らないように僕に言った。


「あのね、ご飯…できてるよ。」

その言葉が、どんな気持ちから出てくる言葉なのか、
僕には判らなかった。


何も言わずに、

その料理に手をつける自分を、
どうしようもないほど最低だと思った。


「ねえ、普通はこういう時、
怒ったり、僕を責めたりするもんじゃないのかい?」


「そういう人もいるのかもしれないね。

そういう人の方が”普通”なんだと思うけど、

なんだか私は怒る気にはなれないの。

ただ、それだけなの。」