丁度このあたりが予約で解放されているあたり、

実家に帰ってたりします。
還って?いあ、あそこにはもう還れないけど。

1週間暇してるので、
誰か酒盛りでも、いやらしいことでも一緒にしませんか?(笑

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『あの日に還りたい 十八話』

その日を境に、
小夜は屋上に現れなくなった。

1ヶ月の間、小夜は1回も屋上に来なかった。

それでも僕は、講義の合間になれば屋上にのぼり、
煙草に火をつけた。

小夜を待っていたわけではないんだと思う。

僕には、他にする事が無かっただけなんだと思う。


年末も近くなったある日、
屋上で空を見上げていると、

雪が降ってきた。

夜でもない、夕方でもない時間に。

僕の頬の上で、雪が数秒間は雪として存在できるくらいの粒の大きさで、
灰色の空を背景に、雪が降ってきた。

僕の身体は、この場所から一ミリだって動けないのだけれど、

降ってくる雪を見上げていたら、

なんだか空に向かって飛んでいけるような気になった。


でも、現実的な重さを持った僕にできたと言えば、

その景色に煙草の煙を吹きかけること位だった。


「僕は、何をしてるんだろうな。」


僕は何もしていなかった。

二十歳になった僕は、何もしないばかりか、
周りの全ての人を傷つけて生きていた。