CASARECCIA カサレッチェ その2 | ヒデゴンのブログ

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CASARECCIA カサレッチェ その1 のつづき

 「昨日電話ガアッテ、きゃんせるニナリマシタヨ」
 「えっ、ホントデスカ?!」びっくりしたせいでこちらも釣られる。
 「連絡ナカッタノ?」そんなことってあるの?みたいなイタリア語が顔に書いてある、うそ、書いてない。
 「はい...、そうですか...(どうしようかな)」驚きから困惑に軸が移る。
 「ソレハイケマセンネェ、」早々と気の毒がられる事になってしまった。
 
 外からではわからなかった奥のテーブル席にも結局客はいなかったのだ。
 
 外食してくると家には伝えてあったのでこのまま帰るわけにもいかないってんで決心して

 「じゃあ、一杯飲んでいこうかな、ここいいですか?」とカウンターの席を見た。

 「ドウゾ、ドウゾ、予約アッテモナクテモドウゾ」ありがたく入店の許可を頂戴仕った。
 
 そうと決まれば気持ちも落ち着いてホッと一息、席についた。
 
 食事と飲み物のメニューを見せてもらってざっと目を通した。
 
 なんだか『孤独のグルメ』みたいになってきた。
 
 飲み物のメニューの最初のページには"birra"とある。
 最初のページはたいていビールに決まっている。頭文字もBだし。
 次のページは"vino rossi"、"vino bianchi"とつづく。
 
 えー、rossiはボンゴレ・ロッソのロッソに似てるから赤だ。
 同じくボンゴレ・ビアンコでbianciは白だな。
 赤と白があるんだったらvinoはワインか。
 なるほどvino rossiは赤ワイン。vino bianchiは白ワインだ。
 この程度ならGoogleに教えてもらわなくてもわかる。
 
 でもビアンコとビアンキの違いは何だ?そもそもビアンキって自転車ぢゃないかなどと考えを膨らませる。
 
 カクテルやウィスキー類は頭に無かったので読み飛ばした。まずは順当にビールからだろう。
 
 birraは3種類用意があって皆イタリアビールのようだ。Fabbricato in Giapponeはなかった。
 
 どれがいいのかわかるはずもないので一番手頃なBirra Morettiを注文した。
 
 ボルサリーノを被って止まり木でビールをがぶ飲みしている紳士がラベルに描かれた330mlの瓶ビールが王冠を抜かれてビアグラスとともに供された。でも魂まで抜かれたわけではないだろう。
 
 こういうスタイル、いいね、
 
 Birra Morettiはそんなに苦くもなく泡も弱めでまあこれといって特徴がない全く普通のピルスナータイプのラガービールだ。失礼な感想もあったもんだ。
 
 これでメニューの値段はいささか高そうな気もする。シチリア島にバカンスに行ってる交通費のことを思えば極端に安いのだが、そんなお人好しには成れないし成りたくもない。しかもBirra Morettiは北イタリアのビールだし。
 
 食べ物はこれも順当にパスタを頼むことにして、更に順当にジェノベーゼを注文した。
 
 ジェノベーゼを待っている間にビールグラスが空いてしまったのでハウスワインの白を頼んだ。気がつくのが遅いのだがハウスワインのほうがコストパフォーマンスが高いことがわかってしまった。
 

CASARECCIA カサレッチェ その3 へつづく