先週の金曜日、待望の『1Q84 Book3』が店頭に出ましたね。
私は1も2も職場の先生にお借りしたので、
3も例にもれず、先生から「お貸ししましょう」というお言葉を待つつもりでいます
(実は我慢が出来なくて、ちらりと店頭で最後の数行を読んじゃった!)
村上春樹
今となっては世界的に知られている日本人作家ですね
お隣の韓国、中国、台湾はもちろん
USA、フランスなどなど欧米圏の国と地域の言葉で翻訳されています。
去年の9月にプラハへ行ったら
大きく『スプートニクの恋人』のポスターが貼ってありました。
世界中の人と村上春樹の小説について、熱く語るのが結構好きです。
ちなみに私のお気に入りは『ノルウェイの森』(映画化されますが、絶対見ません!宣言)、『ダンス・ダンス・ダンス』、『遠い太鼓』、あとは短編の『氷男』です。
さて、まえがきが長くなりましたが、
そんなインターナショナルな作家を授業で使わない手はないでしょう、
というのが今回のテーマです。
昨年度は、日本語学校で文芸作品を扱う時間がありまして、
そのクラスは大人も多く、できもよかったですし、熱心だったので
短編小説を2つ読んでいくことにしました。
「これから皆さんが、日本人社会に入っていったとき、
日本語学校で村上春樹の短編小説を読みました、というとおお、といってもらえますよ~」
とモチベーションを高めることが大事です。
*どの授業もそうですが、これからやることが、今後どういう意味を持つのかを常に伝えておくことは、必要なことです
まず選んだのは万人受けしそうな『鏡』
そして『TVピープル』
TVピープル (文春文庫)/村上 春樹
¥480
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前者はみんな興味津々でしたが、
後者は、不条理な村上ワールドが難解だったのか
集中力が続きませんでした。
というのも、一口に短編とは言っても、一人ひとりの学生に担当部分を決めて読んでもらうので、非常に時間がかかります。
結局読み終わるまでに4,5回はかかったかな。
ある学生の感想は、
「この人(村上春樹)、神経質!」
というもの。
しかし、なかなか本質を突いているように思いました。
日常世界にふとやってくる不条理
あるいは日常の中に潜んでいる狂気
そんな村上ワールドは、好き嫌いが分かれるところでしょうね。
もうひとつ、プライベートレッスン(過去に日本の大学への留学経験ありのアメリカ人)でも、
村上春樹の短編小説を読んでいます。
周知のように村上春樹はアメリカの大学で教鞭をとっていたこともあるので、
アメリカでの知名度も高いのです。
今回は『象の消滅』(エレファント・ヴァニッシュ)を選びました。
日本人である私は、特に躓くことなくさら~と読み進めることができるのですが、
学習者にとってはそうはいきません。
くわえて、学習者の目線で村上春樹の文章を読んでいると、
この人の文は英語の翻訳調だな、とつくづく感じます。
つまり、自然な日本語の文章からみれば、ちょっといびつな感じがするのです。
でも、それがおそらく魅力なのでしょうね。
パン屋再襲撃 (文春文庫)/村上 春樹
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こちらの『象の消滅』は↑の『パン屋再襲撃』に収められています。