ブロ友さんの記事で知ったミステリ短編集。 いわゆる日常の謎を扱った作品でした。

 

一杯二千円のコーヒーを連日注文する男の目的とは? ?推理合戦”を楽しむ桜戸大学ミステリ研究会の二人組が日常で出合った五つの謎。 第1回創元ミステリ短編賞受賞作を収録した青春ミステリ短編集 (出版社紹介文)

 

本作の特徴は、5つの短編それぞれに設定されている謎が非常に魅力的であるということでしょう。

 

「朝からブルマンの男」

一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客の目的とは?

「学生寮の幽霊」

常に施錠されていて誰も入れない学生寮の部屋に幽霊のような人影が・・・
「ウミガメのごはん」

一週間のうち金曜日だけ母親の炊くごはんが不味い理由は?
「受験の朝のドッペルゲンガー」

途中下車した友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着?
「きみはリービッヒ」

5人の学生の前に置かれたダイヤがライトが消えている間に盗まれた。 犯人は誰?

 

最後の短編以外は、謎が提示されると「どうして?」という興味が高まりました。

 

最も不可思議なのはやはり、表題作ですかねー。 喫茶店つながりで、北村薫さんの名作短編「砂糖合戦」(『空飛ぶ馬』収録)を思い出しました。

 

「なぜブルマン?」の直接的な謎解きではないものの、ストーリーが意外な展開を見せ、暗号化、暗証番号など絡んできて非常に面白い短編でした。

 

その他の短編は、提示された謎の魅力に対して、謎解きの意外性がちょっと追いついてなかったかな。 追いついてれば『空飛ぶ馬』クラスの傑作になりますが・・・

 

「ウミガメのスープ」の蘊蓄や時刻表、モース硬度など、多彩な内容が入っているし、女子大生2人(探偵役とワトソン役)のキャラや読後感も良いので、楽しく読めるミステリ短編集でした。