2021年に刊行されたアンディ・ウィアーのSF小説です。

 

その評判の高さから、これは購入したいと思い文庫化を待っていたのですが、5年経って(映画の宣伝もあって?)ようやく文庫化されました。

 

評判通りの素晴らしい小説! スケールの大きなSF小説であると同時に、勇気と友情の物語でした。

 

SF小説苦手な方でもOK。 ミステリ要素もあるので、なるべく前知識なしに読んだほうがいいですねー。 下記はネタバレなしに書いたつもりですが、先に本編を読むのが吉でしょう。

 

未知の物質によって太陽に異常が発生、氷河期に突入しつつある地球。 宇宙へ飛び立ったひとりの科学教師が、人類を救うミッションに挑む! 地球上の全生命滅亡まで30年、人類の命運を賭けた一大プロジェクトに挑む男の奮闘を描く、極限のエンターテインメント! (出版社紹介文)

 

冒頭は主人公が眠りから覚める場面からスタートします。 

 

しかし身体には様々な管や電極がつながれ、自分が誰であるかも思い出せません。 そしてコンピュータの声で質問が・・・ 「二足す二は?」

 

主人公は困惑しつつも、持っている科学知識と観察・実験によって現状を把握していき、やがて「ぼくは科学者だ!」、「ここは地球ではない!」という結論に至ります。

 

ストーリーは、「人類を救う」という自分のミッションを思い出した主人公が宇宙で奮闘する現在のパートと、人類の危機とそれを救うためのプロジェクトを描く過去のパートが交互に描かれていきます。

 

宇宙で次々と起こるアクシデントに屈せず、科学知識で対処していく現在パートは、同じ作者の『火星の人』と同一パターンですが、やがてさらに劇的な展開が訪れます。

 

過去のパートでは、宇宙的危機に襲われた地球と、それを回避するためのプロジェクト始動が描かれます。 覚悟を持ってプロジェクトを率いる女性指導者がまたカッコイイのです。

 

過去のパートが現在のパートにつながる伏線回収も多くて、ミステリ的面白さも存分に味わえました。

 

そして現在パートのラスト、スリル満点の盛り上がりの後、これが科学に立脚した物語であると同時に勇気と友情の話であったことがわかるのです。

 

SFに馴染みがない方も含め、すべての本好きにお勧めです。