ポロネーズとは、ショパンの母国・ポーランドの民族舞曲です。
ショパンが7歳の時に初めて作曲した曲は、幼少のころから親しんだポロネーズであったと伝えられています。
今回紹介する曲は、ポロネーズ第3番。 「軍隊ポロネーズ」と呼ばれ、ショパンの作曲したポロネーズの中では第6番の「英雄ポロネーズ」と並んでポピュラーな曲です。
「軍隊」というネーミングはショパン自身がつけたものではありませんが、勇壮で堂々とした曲想からこう呼ばれるようになりました。
↓パヴェル・ヴァカレツィのピアノで(2010年ショパンコンクール)
「軍隊ポロネーズ」と同時に作曲され、セットで出版されたのがポロネーズ第4番ハ短調です。 この曲は対照的に陰鬱で諦めを感じさせるような短調の曲です。
↓ヴァレンティーナ・リシッツァのピアノで
これらを作曲した頃、ショパンは既に祖国ポーランドを離れていましたが、「軍隊ポロネーズ」は祖国の繁栄・栄光を、第4番は祖国の悲運・衰退を表現したとも言われています。
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
ポリーニの完璧なテクニックとしっかりした構成力によって実現した、ダイナミックでスケールの大きな演奏です。
ヴラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ)
鍵盤の魔術師と言われたホロヴィッツの「軍隊ポロネーズ」。 ホロヴィッツ独特のスピード感と音の粒立ちは聴いていてスリルがあります。