――――――2011年10月29日投稿―――――2021年8月31日更新――――――

 

ショパンは今から210年ほど前の1810年に、ポーランドに生まれた作曲家です。 この頃のポーランドは、ロシアなど周辺の諸国に支配されており、幾度も独立運動を起こしては鎮圧されていました。

 

音楽での活躍の場を求めて20歳の時にポーランドを離れて、その後2度と戻ることが出来なかったショパンですが、祖国への愛は生涯持ち続けました。

 

ショパンは、ワルツ、バラード、エチュード、ノクターンなど、様々な形式のピアノ曲を残していますが、中でもマズルカとポロネーズはポーランドの民族舞曲であり、ヨーロッパ地図の上では存在しない国となっていたポーランドのスピリットを、芸術という形で後世に残そうとしていたのかもしれませんね。

 

ショパンのポロネーズは初期のものを除いて7曲あり、この曲は第6番にあたります。 英雄というネーミングの通り、勇壮で力強い情熱のほとばしる傑作であり、「英雄ポロネーズ」としてショパンの作品の中でも非常に有名な曲です。

 

曲は3部形式で書かれています。 比較的長い序奏のから少しリタルダンドして、華麗な主題が出るところはなんともカッコイイですね。

 

中間部は左手のオクターブ連続音型上に、行進曲調の勇ましい旋律が現れます。 幻想的で自由な楽想が出た後、華麗な主題が戻ってきて、最後は壮大なコーダで堂々と曲を閉じます。

 

↓仲道郁代さんの演奏。 少し解説も入っていてわかりやすいです。

 

のだめでは、ドラマヨーロッパ編・前編に登場します。 パリの同じアパートのロシア人留学生、ターニャの話を聞いて少し同情する千秋。

 

千秋「音楽の勉強をするために若いうちから一人で・・みんな頑張ってるんだな・・ピアノ弾いてよ。 是非聴きたいな」

 

ターニャは、英雄ポロネーズを演奏しますが・・・「あっ間違えちゃった」

 

千秋「おい。 お前本当にコンセルバトワールの学生か?」

 

ターニャ「ヒー!」

 

そして千秋は、ねじり鉢巻をして鬼の指導者に変身するのでした。

 

千秋「もっと堂々と! 腕が硬い! もっと歯切れよく! 付点になってない! もっとためて!・・・お前一年間も何を学んだんだ、何がバカンスだ、そんなもの犬にでもくれてしまえ!」     

 

ターニャ「ヒー!」

 

マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

ポリーニの完璧なテクニックとしっかりした構成力によって実現した、ダイナミックでスケールの大きな素晴らしい演奏だと思います。 この曲の男性的で力強い性格がポリーニの演奏によくマッチしています。   

 

ヴラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ)

ポリーニの演奏がど真ん中の剛速球だとすれば、ホロヴィッツの演奏は彼にしか投げられないものすごい変化球といったところでしょうか。 シャープで硬質なおかつ変幻自在です。