午後からはワニ日和」、「ダチョウは軽車両に該当します」に続く、似鳥鶏さんの動物園シリーズ第3作です。

 

「ちょっとここで、アルパカ拾いまして」――楓ケ丘動物園のアイドル飼育員・七森さんの友人が失踪した。 行方を探る鍵はアルパカ? ハムスター? それとも・・・・

 

飼育員仲間の桃くん、ツンデレ獣医の鴇先生、アイドル飼育員の七森さんや変態・服部君らおなじみの面々が大活躍する、大人気動物園ミステリーシリーズ第3弾! (文庫裏紹介文)

 

上記4人のレギュラーメンバーなど、キャラ立ちした登場人物。 主人公・桃くんの淡々としながらもユーモアをまじえた語り口。 テンポよく、時には活劇(動物捕獲劇とか、拉致監禁からの脱出劇とか、不法侵入劇とか・・・)もあるストーリー展開。 そして、文庫300ページ未満のちょうどよい長さ。

 

サクサクと楽しく読めるミステリシリーズですね。

 

でも、ただ楽しいだけではなくて、動物園に関する非常にシリアスな問題が内包されていることも特筆されます。

 

第1作では、「動物園の役割は?」とか「動物園の動物は幸せか?」というような本質的な問題が語られますし、第2作は鳥たちを使った巨大犯罪計画(ネタバレになるので詳しく言えない)が出てきます。

 

本作でも、動物園に関する悲しい現実が突きつけられます。 こういうのって現在でもあるのかなー?

 

ミステリー小説としては「市立高校シリーズ」と比べ一段劣るかな? と思っていましたが、このシリーズならではの魅力がわかってきました。 お勧めシリーズです!