(漫⑭ ・⑪「ヤンマ獲り」の続き
・⑫「将棋の駒遊び」
★将棋の駒を使った遊びは幾通りもある。何れも将棋盤と駒と使う。
A:「本将棋」これは通常、単に「将棋」と呼ばれてる。名人戦などプロの将棋から末はズブの素人が指す「縁台将棋」まで、数え切れないほどのランクがあって、大人から子供まで全国的にそれぞれの単位、色々の場所で楽しまれている国民的ゲームである。私が子供の頃、将棋を指す場合は「本将棋しようか。」と 云った。(なお、将棋(本将棋)は子供の頃から今日までを通じて私の大きな趣味の1つである。詳細は「趣味」の項で。)
B:「歩回り」3~4人で遊ぶのが適当だ。①最初に参加者それぞれが将棋盤の角(すみ)に歩を置く。②ジャンケンで決めた順に4枚の歩を盤の上に転がす。表が1枚なら1つ…4枚なら4つ進む。4枚とも揃って裏(と金)が出れば10進む。1枚の駒が横に立つと5つ、4枚なら20進む。1枚の駒が縦に立つと10進む。逆立ちすると100進む。盤上で駒が重なったり、盤の外に1つでも零れればバツで駒振り番が次の子に回る。③駒を進めて次の角に入れば昇級して歩から香車に駒を変える。順次、桂馬、銀、金、角、飛車と昇級して行き、王将まで昇級した者が勝ちとなる。④1人の駒が角と角の間に居る時、後から上位の駒に踏まれたら「死に」と云って横の□(四角)に除けられて動けなくなる。もう1度上位の駒が通り過ぎて呉れたら「生き」返る。上位の駒が「死に」駒の前で止ると「生き」「死に」が交代する。
上位の「死に」駒は他の駒が上位まで昇級して通り過ぎて呉れるまで生き返れない。但し、下位の駒でも前で止ってくれれば交代できる。⑤その他、間で止っている駒と同じ位置で止れば一緒に1つ進める。
C:「挟み将棋」は2人で遊ぶ。盤を挟んで向かい合って、盤の一番手前の列に駒9枚を並べる。1回の手番で1個の駒を縦横に幾つでも進められる。
但し他の駒を押したり、飛び越したりは出来ない。こうして駒を動かしあって自分の駒2枚で相手の駒を挟めば、その駒は貰える。「相手の駒を全部取る」か「相手の駒が動けなくなる」と勝ちだ。
D:「蛙飛び」2人でするゲーム。将棋盤の「中央の3筋」と「手前から3段目まで」を9枚の駒で埋める。相手方も同じように駒を並べる。お互いの9枚の駒は中央の3段の間隔を置いて対峙する。駒の動かし方は①1つの駒を1枠前に進める。1手ずつ交互に指す。後には下れない。②進めるうちに自駒と相手駒が接触(正面衝突)する場面が出てくる。この場合、相手駒の後に空白があれば飛び越して進めることが出来る。仮に相手駒が3枚連なっていて後が空いていればその場所まで飛び越せる。飛び越すのが嫌なら他の駒を1枠進めればいい(動かせる駒があるのにパスはできない)。こうして9枚の駒が相手の陣地へ先に到達すれば勝ちとなる。③作戦。飛び越せる駒があれば何でも妄りに飛び越すと、手詰まりになって負ける事が多い。満を持して、相手にどんどん飛ばさせて、一番手前の段の駒を1枚だけ最後まで残して、その前に詰め寄った相手駒3枚を飛び越す形にすれば1手先に相手陣へ到着できる。
E:「大砲撃ち合い」2人するゲーム。40枚の駒を半分ずつ等分に分ける。(王将・玉将を除く38枚の駒を盤の真ん中に積んでジャンケンに勝った方から順に息を吹きかけて話した駒を分捕る、という分け方もある。)
① 盤の対角線上の角に陣地を築く。撃ち玉にする「歩」1枚を除く残りの
駒で「王将」を包むように固めるのだ。②ジャンケンで勝った方から攻撃を始める。撃ち玉の歩を陣地の横に置き、人差し指で弾いて相手の陣地を崩す。砲撃を受けて倒れた相手の守り駒は排除される。交互に撃ち合って先に「王将」が倒された方が負け。
F:「駒積み」1人対1人、又は2人対2人でするゲーム。40枚の駒を等分に分ける。①交互に後退して駒を積んで行く。自分が積んだ時に倒れたら倒れた駒を引き取らなければならない。持ち駒が先に無くなった方が勝ち。②駒は縦・横・逆立ち、どう積んでも構わないし、上へ上へではなく、1番下の土台の駒以上なら何処に積んでも構わない。③作戦。次に積む番になる相手に崩させるように今にも崩れそうな積み方をする。しかし、それでも相手が上手に積めば、崩れる危険は自分の手番に回ってくるのだ。
(★子供の頃、お盆の初日(8月13日)は村人の多くが墓参りをするので、夜になると墓地の通りにはガス灯を明々と灯した露店が居並ぶ。父について行った墓参の帰りに将棋の駒を買って貰うのが毎年の楽しみだった。紙箱に入った木屑で作ったような安物の駒は色んな遊びで駆使されて破損するため私にとっては毎年買い替えなければならない必需品だったのだ。)
※「子供の頃の遊び」は一応、完了。