漫⑪「子供の頃の遊び」(個別) | 獏井獏山のブログ

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(漫⑩ ・「釘倒し」の続き)

 

「宝取り」(別名:宝踏み)

 インターネットで調べると「宝取りゲーム」と名の付く遊びは色々あるようだが、その中には私が子供の頃に遊んだ「宝取り」は無かった。

 ここで説明する「宝取り」は次の通りである。村のメイン道路や寺の境内でよく遊んだ。

・直径 横2~3m×縦5mの楕円形の輪を地面に書く。これが宝島。縦の一方の端の部分の巾50㎝位が「島の入り口」で、逆側(つまり島の一番奥)に直径30㎝位の◯を画いた「宝」がある。10人余りでする遊びで、組を「海賊」と「護衛兵」に分ける。島の外に居る「海賊」はケンケン飛びで攻めかかるのだが、島の周りには幾つかの小島(直径30㎝程の◯)があって両足で立つことが出来る休憩所だ。宝島の中は勿論、両足で動ける。島の中に居る「護衛兵」もケンケン飛びで島の外に出ることが出来る。そしてケンケン飛び同士で相手と取っ組み合って戦うのだ。先に両足を地面に付けた方が負けで、道端など遊びの圏外で待機しなければならない。島の入り口を突破して「宝」を踏めば海賊の勝ち、海賊の全てが倒されれば「護衛兵」が宝を守って万歳となる。

・作戦は色々あるが、普通はケンケンで攻めてくる「海賊」を近くまで引き寄せてから勢いよく飛び出せる「護衛兵」の方が有利だが、逆に「護衛兵」を誘い出したところで素早く逃げ、その様子を見ている味方の「海賊」が横から「護衛兵」を攻めて両足を付かせるのが「海賊」側の作戦である。

・当時、「ガタロ」という仇名で呼ばれた子が居た。その子は「護衛兵」の時に、宝島の中に居て海との境界線に添ってクルクルと動き回り、ケンケン飛びの「海賊」が境界線近くを通るのに狙いを定めて「海賊」の服やズボンの端を捉まえて手前に引っ張り込むのだ。線を越えた「海賊」は勿論、負けである。相手は分かっていて気遣っていても、まるで池の底から突然現れる「ガタロ」のように引っ張り込まれるので、敵意を込めて「ガタロ」という仇名を付けた経緯がある。

 

(どん)(ぐり)独楽」

 これは団栗に串カツの串ぐらいの竹製の杭を刺して作った独楽である。

貫通した杭の下方は1~2mm出し、上方は6㎝余りの長さで回す時の柄になる。新聞紙で作った直径20㎝余の土俵(盆)の中央を凹まして、その上で2人が間を置かずに団栗独楽を回してぶつかり合いの勝負をする遊びである。柄を揉み揉みするように回して土俵のどの位地に落とすかの技術もあるが、大概は大きくて若い団栗(重い方)が小柄な団栗を土俵の外に突き飛ばして勝つ。しかし作戦次第で小柄な方が勝つこともある。それは後手番の時だけ使える技だが、土俵に落とす時、団栗独楽を斜交いにする技術である。そうすると団栗の本体がぶつかる前に、柄と柄が絡み合って相手の独楽が土俵上で倒れることがあるのだ。土俵の外に押し出さなくても倒せば勝ちになるのは大相撲と同じだ。悪知恵を働かせて団栗本体の横腹に短い杭を刺して回すことで暴力を発揮させる子もあったがそれは禁じ手となった。

・村から1㎞ほど離れた近隣の村外れに大きな団栗の木があった。大きな団栗の生る木は滅多にないので大抵の子は其処で落ちた団栗を拾いに行くのだ。特に秋台風が過ぎた直後は沢山の団栗が落ちるので走って拾いに行ったものだ。