俳句⑧「俳句手帳から」…秋(2) | 獏井獏山のブログ

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「秋」(5172句)

51開拓の 村 寝静まり 宵の月

52屏風稲架 福井平野の 長き雨

53藁野火の 煙ここだに 夕暮れる

54子の声と 地蔵盆なる 空明り

55地蔵盆 供物のお握り 貰いけり

56岩山の 盛り上がる辺に 散る紅葉

57友の家の 庭に二本 芙蓉咲く

58手に捕られ ジジと二声 秋の蝉

59秋蝉の 鳴き止む窓と なりにけり

60白鳥の 静かに解夏の 池面暮れ

61ライスセンター 脇の大木 一葉散る

62飛行雲 ややに ふやけし 秋うらら

63冷やかや 車窓に 展けゆく 湖畔

64灯火親し 窓に風雨を 聞きつつも

65父母の 恙なくあり 小鳥来る

66一列の 金風の尾根 進むなり

67よく喋る 父の背中に 銀杏散る

68大伽藍 脇の大木 もみじ散る

69脅し銃 鳴るに首上げ 試歩の人

70子が放つ 麦藁帽や 秋立つ日

71蜩や ビル森閑と なりゆけり

72古店や 売らるべくある 秋扇